第6話

「…順位見てきた?」

「うん。見てきたよ」

「…じゃあ行こう」

 テストが終わって、テスト表が渡されて自分の順位を確認した。

 放課後の教室はまだまだ生徒がいるので、

使われていない教室に移動する。

 来たのは図書室。テストが終わったので使っている人はおらず、図書委員もいない。

 理由は、ただ単純に全く図書室が使われないからだ。使われるときといったら、テスト前位なのでその理由も頷ける。

 入ると案の定人はいなかった。

「じゃあ先に僕から」

「…うん」

「………四十九位でした!」

「…おお!けど、よくよく考えたら凄いのか

 分からない」

「僕にしては頑張ったほうだよ!」

「…偉い偉い」

 楓さんに何でもしてもらえるのなら、一位でもとれると言ったが、普段の授業を怠ったせいで取れなかったが、ご褒美圏内には入れた。

「じゃあ楓さんは?」

「…一位」

「……え?」

「…オール満点」

「す、凄すぎでしょ!えっどうしたの?!」

「…零人がご褒美くれるから」

「ん?何て言った?」

「…零人が!ご褒美くれるから」

「そ、そんなにご褒美欲しかったの?」

「…うん。好きな人に何でもしてもらえたら

 頑張るでしょ?」

「そ、そうだね」

 ナチュラルに好きな人と言われてしまい、顔が熱くなってくる。

「え、ていうかオール満点って言った?」

「…うん。言った。見る?」

「う、うん」

 実際に見せてもらうと本当にオール満点だった。ここまで結果を出されると僕も覚悟を決めないとな。

「…じゃあどっちから?」

「僕からでも良い?」

「…いいけどえっちなのは無しね。そういうの

 はまだ早いから」

「まだ?」

「…な、何でもない」

 追及しようとしたら不機嫌になりそうだったので、ここら辺にしておく。

「じゃあ、膝枕してください!」

「……いいよ」

「い、いいの!やったー!」

 男のロマンの膝枕をゲットした!やったぜ!

「…いいよ」

「い、いくよ」

 そっと体を倒して、膝枕をしてもらう。

 ていうか考えてみたら、顔をのせるところって膝じゃないよね、太ももだよね。

 と、マジレスしていたが楓さんの太ももに

頭をのせると頭が真っ白になった。

 や、柔らかすぎる!良い匂いもするし!

「…ど、どう?」

「最高でございます」

「…何で敬語?」

 や、やばい気持ち良すぎて眠くなってきた。

 ね、寝るわけにはいかない。楓さんのお願いも聞いていないのに。

 と、そこで思わぬ追撃が来た。

「か、楓さん?」

「…ん、駄目だった?」

「いえ物凄く気持ち良いので続けてください」

 楓さんが僕の頭を撫でてきた。

 やばい、睡眠に拍車がかかった。

 俺はここら辺で起きることにした。

「…もう良いの?」

「うん。これ以上は寝そう。ところで楓さんの

 お願いは?」

「…ハグして」

「え?」

「…ハグして!」

「は、ハグ?!へ、ヘタレにはきついんだけど

 ?!」

「…へぇー、そう言うこと言うんだ」

 嫌な予感がする。

「…零人」

「な、何?」

「嫌い。もう口聞かない」

「…えっ」

今死刑宣告を言われた気が………

「楓さん?」

「…」

「お、おーい楓さん!か・え・で・さ・ん!」

「…」

 これはなかなかにきつい。

 ……覚悟を決めろ!僕!

「わ、わかった!言うこと聞く!言うこと聞く

 から!」

「…ん、それでいい。…もっと早く言って」

「ど、どうして?」

「…好きな人を無視って結構辛いから」

 か、楓さんが可愛すぎる……!

そして覚悟を決める。や、やるぞ!

「い、いくよ」

「…うん」

 楓さんを抱き締める。どこもかしこも柔らかいし、追撃のように、

「…んぅ。夢みたい」

 楓さんの艶かしい声が僕の顔を熱くさせる。

 お、落ち着け。今息子がstand upしたら、

楓さんにバレてしまう!

 それでも楓さんの追撃は終わらない。

「…零人の匂い良い匂い。…はぁー最高。

 毎日嗅ぎたい」

……どうしてだろう、普通の人なら変態っぽいのに楓さんが言うと本当に嬉しくなる。

 最後に一言。

「…ありがと、零人。……大好き」

そこから記憶がない。

    





おまけ

「ねえ全然いなくなる気配ないんだけど」

「ね、何か胸焼けしてきた」

「あー!抱き締めてる!」

「ちょっ!うるさい!バレるでしょ!」

「うわー音無さんのあんな顔見たことない…」

「と、蕩けてる」





____________________________________________

読んで頂きありがとうございます!

流石に1日3更新はきついですね……。

もしかしたら新しい話を書くかもしれません。

まだ確定ではないのではっきりは言いませんが

もし出したとしても、幼馴染みも無口も続けるのでよろしくお願いします!

幼馴染みと無口の略称募集中です!



      







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