迫りくる恐怖
玲奈ちゃんとの奇妙な生活が慣れ始めた頃。私は学校で人が変わったようだと有名になり始め、樟葉ちゃんとの信頼関係も深まっていた。
それなのに……それなのに……
「うぅ……辛い……」
どうして風邪なんて患ってしまったのだろう。私にはまだやるべき事が沢山残っているというのに、一刻も早く龍を見つけないといけないというのに、ベッドの上で呻きながら寝る事しかできない。
『最近の文音は頑張りすぎなのよ。皆の評価は確かに上がっているけれど、無理をするからよ……』
後悔ばかりしている私に呆れたように玲奈ちゃんは言う。
私自身もその通りだと思うので、ぐうの音もでない。いや、そもそも言い返す気力すらなかった。
「はぁ……」
憂鬱な気分から、私は身体を起こして日光が差し込む窓の外を見る。この世に悪がないと思う程に天気がよく、遠くに見える海は宝石のように輝いている。
最近の出来事を振り返ってみて思う。マストの研究所に忍び込み、壮絶な体験をしてから三日が経ったが色々と詰め込み過ぎただろう。翌日には筋肉痛のまま学校へと通い、真面目に勉強、休み時間になっても勉強、家に帰っても勉強三昧だ。唯一、他にやった事と言えば生理的な事と龍探し程度だろう。
しかし、こんな憂鬱な気持ちも早く治さないといけない。勿論、その方が身体の回復が早いという事もあるが、それよりも――
「文音さん、出来ましたよ!」
「うん。ありがとう樟葉ちゃん……」
樟葉ちゃんが私の家に来ているという事で、彼女に心配を掛ける訳にはいかないだろう。
彼女は私が風邪だと知り、いち早く看病しに来てくれた。唯一の家族である祖父は夜遅くまで仕事でいないため、私が昼食を食べていないと知って料理してくれる彼女はとても優しくて、素敵な子だろう。学校帰りで疲れているだろうに、何だか申し訳なく思ってしまう。
「あ、お粥かー。何だか懐かしい気分だよ!」
「えへへ、卵も入れたからきっと美味しいですよ」
机の上に置かれたのは美味しそうなお粥とキンキンに冷えていそうな麦茶。何というか母の事を思い出して、心が切なくなる。母は私が物心つく前に死んでいるというのに、可笑しいだろう。
「じゃあ、あーん……」
「え? あ、あーん……」
まさかの食べさせてくれるようで、私は吃驚しつつも大人しく受け入れる。これは不可抗力なのだ。決して下心はない。
「美味しいですか?」
「美味しいよ! これを食べたら元気になりそう!」
樟葉ちゃんが作ったお粥は優しい味がして、とても美味しい。だから食が進んで、私はあーんのスピードを急かしてしまった。
「ゆっくり食べてくださいね」
「あ、ごめんね……」
やはりあーんが早かったのだろうか? 食べさせてもらっているのに図々しかった? 兎も角、今の樟葉ちゃんは何処か不機嫌なような気もして、私の意識はそちらにいってしまっていた。
「もしかして、樟葉ちゃんまだ怒っている?」
私には一つだけ思い当たる節があった。それは私がマストの研究所に忍び込んだ日。
樟葉ちゃんを家まで送る筈が、鏡結界という名のマストの研究所を発見してしまい、予定を変更した私は彼女には一人で帰ってもらう事にした。そして、その交換条件かのように言われた言葉。
『無事に終わったら、連絡をくださいね』
あの時の樟葉ちゃんの言葉が脳内に木霊する。
どうして忘れてしまっていた。いや、自分の事なのでよく分かっている。あの日は色々と疲れてしまっていたので、家に帰ると倒れ込むように寝たのだ。
だから次の日、学校に行くと朝一で樟葉ちゃんに怒られてしまった。
あんなに怒っている樟葉ちゃんを見るのは意外で、まるで子供が拗ねたようで、不謹慎だが可愛らしかった。
「はい、思い出してしまって……私がどれほど心配したか……」
「本当にごめんね。言い訳するつもりではないけど、あの日は本当に疲れてて……」
切なそうな表情で、語る樟葉ちゃん。本当に心の底から心配していたのだろう。見ているだけで気持ちが伝わってきて、私は謝る事しかできない。
あの日、アクセラレーターを使って筋肉痛だったとしても、色々とあって悩んでいたとしても、スマホを操作して生存報告のメールを送らなかった私が悪いのだ。たった一分、いやそれ未満の時間で出来た事なのに、それをしなかった。いや、そもそも忘れてしまっていたので最悪だろう。
「樟葉ちゃん、ありがとうね。こんな私なんかを心配してくれて、看病までしてくれて……本当に嬉しいよ……」
「な、何を急に恥ずかしい事を言っているんですか? あ、後は自分で食べてください」
「あ、うん。分かったよ」
私は自分の気持ちを伝えただけなのだが、どうやら照れているようで樟葉ちゃんは私にお粥を渡すと、背を向けてしまった。耳が赤くなっているので、本当に恥ずかしがっているのだろう。
私は微笑を浮かべるとスプーンでお粥を掬って、口に運ぶ。それを繰り返していると不意に脳裏に玲奈ちゃんの声が響いた。
『さっきからやり取りを見ていたけれど、やっぱり樟葉の事が好きなの?』
『ごほっ! だから違うって!』
相変わらずの玲奈ちゃんの勘違いに、私は心の声の中だと言うのに噎せてしまった。
『全く玲奈ちゃんったら勘違いも甚だしいよ……』
お粥をゆっくりと食べつつも、私は玲奈ちゃんの事を考える。
やはり玲奈ちゃんは私と契約をしたから、こうしてずっと心の中にいて話しかけてくれる。あの人気者だった彼女を独り占めできて、自分だけの物に出来てしまっている。
それはずっと私が望んできた事であり、この状況は私にとって美味しい筈なのだ。だけど物足りない。玲奈ちゃんが生きていた時よりも遠くの存在のような気がして、どんなに頑張っても縮まらない。
そもそも玲奈ちゃんは私の事をどう思っているのだろう? これはずっと昔から抱いている疑問だが、最近より強く考える事が多くなった。
私は玲奈ちゃんの事を愛している。断言できる事実だが、玲奈ちゃんの気持ちが分からない。本当はどう思っているのか? 私の事が好きなのか? 今すぐに尋ねて答えを聞きたい。
その欲求はあるが、聞けない。聞いてしまうとこの関係が壊れてしまう気がして、とても口に出来るような事ではないのだ。しかし、段々と物足りなくなっているのは事実であり、結局現状維持しかできず、我慢する事しかない。
「ごちそうさまでした……」
考え込んでいる内にお粥を食べ終えた私は茶碗を机の上に置き、代わりに麦茶を持つと飲み干した。
「これって何ですか?」
満腹になったからか再び睡魔に襲われて、その余韻に浸っていると樟葉ちゃんが聞いてくる。
何事かと思い、私は意識を覚醒させるとそちらに視線を向けた。
「……あ、ああ! そ、それはね!」
なんと樟葉ちゃんが持っていたのはイデアだった。
そういえば昨日の夜、机の上にイデアを置きっぱなしで寝てしまっていた。隠している訳でもなく、見える位置に置いていたので樟葉ちゃんが疑問に思うのも仕方ないだろう。
兎に角、私はこの場をどう切り抜けるか? 思考をフルに回転させて、言い訳を考える。
「そ、それは私の宝物かな?」
「そうなんですか?」
変わった刀の柄の部分が宝物だと言ったからには、きっと変人だと思われただろう。
しかし、間違った事は言っていない。そのイデアが私と玲奈ちゃんを繋いでくれている。イデアは私の希望と言っても過言ではなく、もしもそれが無くなったら私は私でいられない。
『大丈夫よ。例え、また離れ離れになっても、私は貴方の傍にいるわ……』
私の感情の察したようで、玲奈ちゃんは励ましてくる。
玲奈ちゃんが死んだ時、彼女は幽体離脱なるものをして魂だけの存在で私を見守っていた。だからその発言には信憑性があったが、あまり元気が出るものではなかった。
例え、玲奈ちゃんが私を見守ってくれたとしても、玲奈ちゃんと会話ができない。玲奈ちゃんが見えない。玲奈ちゃんに触れられない。どれも出来ないとなると死にたくなってしまう。
私の思考は悪い方向へと向き、ずぶずぶと沼に嵌まっていった。
暫くして樟葉ちゃんは帰ってしまった。きっと私が眠ることを見越し、邪魔にならないようにと思ったのだろう。
『何処に行くの? 安静にしないと治らないわよ?』
無言で出かける準備を始める私に、玲奈ちゃんは注意してくるが手を止めない。
勿論、今ベッドに寝転がれば数分で眠ってしまう自信があった。けれど何だか今は外に出たい。適当に散歩したい。もっと言えば海をゆっくりと眺めたい気分なのだ。
着替えを済ませ、鞄にイデアだけを入れると家を出て海へと向かう。
どうして海を見たくなったのかは分からない。ただ風邪という症状がそうさせたのか? それとも私が玲奈ちゃんを想うあまりに気分が沈んだ所為か? どちらにせよ、今はこの複雑で歪んだ感情をどうにかしたい。
そうする事で何かが見つかる気もして、私の足取りは早くなる。
『駄目よ。外に出ちゃ……帰りましょう?』
『嫌だよ……』
玲奈ちゃんは私を心配して、そう言ってくるが聞き入れる事をしたくない。
私を苦しませている中心人物である玲奈ちゃん。大好きな彼女だが、今は声を聞く事でさえも辛いのだ。
『言う事を聞きなさい! 帰るわよ!』
珍しく私を叱ると、玲奈ちゃんは無理やり身体を動かして帰ろうとする。
だから熱くなり、私の中に反抗心が生まれた。きっと風邪が私を可笑しくして、弱くしたのだろう。思っている事をぽろぽろと言ってしまった。
『今はとても辛いの! 心が痛くて……死にたくなるほどに……』
『そんな事言わないで……昨日まで頑張っていたじゃない……』
『それは玲奈ちゃんに近づこうと思ったから……勉強も頑張って、皆を見返したつもりだよ』
実際、学校の皆は私を見直している。人が変わったようだと噂をされるほどだし、先生にも成績がとても上がったと褒められた。だけど――
『玲奈ちゃんに近づけない。だって玲奈ちゃんはこの世にいないから……触れる事が出来ない。抱き締める事も……冷たいよ……』
『文音……』
私の本心という名の弱音を聞いて、玲奈ちゃんは黙り込む。だって、そうだろう? 私の心の中にいる玲奈ちゃんではどうする事も出来ない。
その隙を見て、私は身体の主導権を取り返すと再び海へと向かった。
『私はいつでも貴方の傍にいて、貴方を守る。それじゃあ駄目かしら?』
『駄目だよ。玲奈ちゃんは本当に鈍感だよね? 一つも私の気持ちを理解していないよ』
『…………』
それから玲奈ちゃんは完全に意気消沈したのか、何も言わなくなった。
だけど、この時の私はそれに対してどうも思わなかった。何故なら、玲奈ちゃんが私の気持ちを理解していないのは本当だと思っていたからで、もやもやとする心に比例して走るスピードが早くなっていた。
「はぁはぁ……」
息切れをしても、気にせずに走っていると普通よりも早くに浜辺へと辿り着く。
海はとても輝いていて、水平線の向こうに夕焼けが描かれている。じき太陽が沈むようで、神秘的な光景だろう。
『文音……』
玲奈ちゃんは何か言いたいようだったが、私は気にする事無く海を眺める。
そんな時、ふと鞄の中のイデアが光っている事に気がつき、それは近くに鏡結界があるという印。
普段なら面倒だと思いそうだが、この時の私は無。タイミングが悪いとは思ったが、それ以上の感情を抱く事もなく、ただ仕事をするかのように鏡結界を探した。
「これだね……」
案外、直ぐに見つかった。どうやら漂流してきた鏡だったようで、大きさ的に手鏡くらいだろう。
『行っちゃだめ。貴方は風邪で三十八度もある。霧風に連絡して、彼女にやってもらいなさい』
私の身体はふらふらとしていて、今にも倒れそうになっている。風邪を引いているのに全力疾走した所為と、この暗い気持ちがそうさせているのだ。それは巧まずして分かるが、それ故に気分を紛らわせたくも思う。
だから、私は鏡結界に触れようとした。
その時、鏡結界に大きな罅が入り、手鏡も割れてしまった。まるで誰かが先にヌシを倒したみたいで、私は暫く茫然としてしまう。
「貴様は神楽刃文音。龍について嗅ぎまわっている奴だな」
背後から人間とは思えない声がし、振り返って見るとそこにいたのは素顔が見えない誰か。まるでロボットのようなごつごつとした格好をしているが、手にはイデアが握られているのできっと変身しているのだろう。
しかし、そんな容姿を見て、私はどこか腑に落ちない。目の前の謎の人物を、何処かで目撃したようでならないのだ。
「あ……」
それでも必死に追想していると、とある光景が脳裏に過った。
丁度、玲奈ちゃんと浜辺で待ち合わせをして帰路に就いた。あの龍に襲われた忌々しい日。あの日、私が崖から落ちて意識を失いそうな時、数秒だけ見えた龍と戦うナニか。
そのナニかは、目の前の人物なのだろう。断言はできないが、何となく特徴が一致しているのと私の直感がそう告げている。
「えっと……貴方は誰ですか? 名前は?」
取り敢えず、私は謎の人物と友好的な関係を築きたい。そう思って名前を尋ねる。
この人物が龍について情報を持っているなら、私は喉から手が出るほどにそれが欲しかった。玲奈ちゃんを生き返らせる事が、私にとって生きがいであり、心が救われる唯一の方法なので、それ以外の事は頭にない。
「龍を倒したとして、貴様の願いはなんだ?」
「え?」
まさかの無視。そして、いきなり聞いてくる願い。
やはり目の前の人物が龍に関する何らかの情報を持っている。それは明らかになったがどうして願いを聞いてくるのだ。
不思議に思いつつも答えないと埒が明かないような気がして、私は答える。
「大切な人を……生き返らせたい……」
心の中にあった願いをゆっくりと言葉にした。大切な人とは勿論玲奈ちゃんの事だ。
「ふん……そうか。なら――」
今、思えば彼? は私を試していたのだろう。龍を倒すべき人間か、否か。そして、私はそれに失格した。だから、突然斬りかかってきたのだろう。
『文音!』
突如、まるで憑かれたかのように殺意を露わにする彼。そんな事を予想だにしていなかった私は反応が遅れたが、玲奈ちゃんによって攻撃は回避される。
そのまま玲奈ちゃんは私の身体を動かすと、流れるような動作でイデアを手にする。
「変身!」
『contract』
私と玲奈ちゃんが一体化するような感覚。直ぐに変身を完了した。
どうやら私の代わりに戦うつもりなのだろう。恐らく、玲奈ちゃんから見て目の前の敵は異質であり、強者だと判断したから、私を守ろうと思ったのだ。
しかし、この時の私は玲奈ちゃんと気まずい雰囲気になり、半分自棄になっていた。そんな彼女の力を借りたいとは思わなかったため、私は身体の主導権を奪い返す。
『ちょっと文音! 今の貴方では無理よ!』
『私だってやれるよ! 玲奈ちゃんは黙って見てて!』
私は刀を構えるとロボットみたいな敵を見据える。
体格に差があり、単純な力では私は劣っているだろう。だから負ける可能性もある事は分かる筈なのに、この時の私の脳内には敗北という二文字は無い。
「いくよ!」
「愚かな奴だ」
私の宣言に、相手は明らかに嘗めた態度を取った。
大切な人を救う事のどこが愚かなのだ。お前に私の気持ちが分かるのか? 苛立った私はいつもよりも気合を入れ、ヌシと戦う時のように心の目でしっかりと敵の弱点を探る。
すると、ある事に気がついた。それは彼が握っているイデアが普通ではない事で、霧風さんが使っているイデアの二倍はあり、それ故に刃も長くて太い。
「は、早い! きゃあっ!」
それなのに相手は俊敏な動きを見せ、その大剣を丸めた新聞紙のように大雑把に振り回してくる。その太刀筋は私でも分かるくらいに滅茶苦茶で、斬るというよりは叩いている感じだった。
「あ、あれ?」
襲い来る敵の攻撃を躱していると、私は身体に違和感を覚えた。
風邪の所為か? そう思ったがそうでもないらしい。いつもより身体が重く感じ、力もそこまで出ず、まるでリミッターが掛けられているようだ。実際鍔迫り合いになると簡単に力負けしてしまう。
戦いの最中なので深くは考えられなかったが、今思い返してみると分かる。あの時、力が思うように出なかったのは私と玲奈ちゃんの仲が悪化したのが原因だ。
シンパシーイデアは契約対象との絆の強さによって、戦闘力が変わる。つまり、私と玲奈ちゃんとの絆に綻びが現れた所為で、私は弱くなってしまったのだ。
「ふんっ!」
「ああ!」
いつもよりも出ない力に戸惑っていると、それは隙を見せているようなもので見事にその隙を突かれた私はバランスを崩して、その場に倒れてしまった。
見上げるとそこには大剣を振り上げている敵の姿。殺意がまる出しであり、本当に私を殺す気なのだろう。伝わって来た気持ちに、死を感じた私は怯えてしまう。
「れ、玲奈ちゃ……」
ああ、結局私は弱いままなのだ。あれほど頑張っていたのに、玲奈ちゃんの前でも強がったのに、死を直面した瞬間弱気になって彼女の名を呟いて、助けを求めるしかない。
しかし、玲奈ちゃんは私を最後をまで見捨てなかった。本当に私の事を守るつもりだった。
「あ……あああああああああああ!」
力強く振り落とされた大剣。それに当たったのは紛れもなく私のイデアであり、音を立てて崩れていく。
どうやら身体に当たる直前、玲奈ちゃんは私の腕だけを動かし、咄嗟に盾になったようだった。
「そんな! 玲奈ちゃん! い、いや! 嫌だよぉ!」
ブロックのようにぼろぼろと崩れたイデアを、私は必死に拾い集める。もはや敵の事なんて眼中になく、ただただ玲奈ちゃんを心配していた。が、この時の私は分かっていたのだ。イデアが崩れた瞬間から、心の中に玲奈ちゃんが感じられなくなったことくらい。
それは玲奈ちゃんが消滅したのを表していた。それくらい脳内のどこかでは分かっていた。だけど信じたくなかった。
この時の私の気持ちを察して欲しい。愛する人を失ったのも同然なのだ。それは最後の会話は喧嘩っぽいという何とも悲しい終わり方。私の心は崩壊し、一気に自殺願望が芽生えていた。
「終わったな……」
その言葉を言い残すと、玲奈ちゃんを殺した敵は去って行く。
イデアを破壊し、私の心をも壊した。だから私の命まで奪う必要はないと判断したのだろうが、そんな事はどうでもいい。
この時の私を支配したのは久しぶりの絶望という負の感情だった。
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