SUMMER FALL #1
東京と
その女性の
「飛び降りって事は、無いッスかね〜コーさん?」
「自殺なら、もっと
『コーさん』と呼ばれた
「こんな暑い
そこへ、橋の上から男性の声が降って来た。
「甲山さ〜ん! 靴が片方だけありました〜!」
甲山と草加が再び橋を
「自殺は無くなったな」
甲山が言い、草加が無言で
ふたりが遺体に向かって歩を進めた所に、水色ワイシャツにネクタイ、濃紺のスラックスという出で立ちの若い男性が
「目撃者出ません。やっぱ夜中なんじゃないですか死んだの?」
「だったら女の
草加に返されて、仲町は
三人が遺体の
「どうスか見立ては?」
甲山が
「
「OK」
甲山が返事した所へ、鴨居が走り寄った。
「橋の上には、他に手掛かりになりそうな物は見当たりませんでした」
「おう、御苦労」
労った甲山の所へ、鑑識係の
「マル害の所持品と思われるこのバッグですが、口は開いていましたが
「マル害の身元は?」
草加が訊くと、西村は白手袋を嵌めた手で財布から
「ええと、名前は
「マジッスか? で、
今度は鴨居が
「カレンちゃん、ね」
草加が
「へっ、あんまりセンスの良い
すると、後ろから石倉が声をかけた。
「お〜い、御遺体運ぶから誰か手ぇ貸してくれ」
甲山が石倉に手を振って合図してから向き直ると、他の三人の顔を見回してから、右手を握り拳にして告げた。
「よし、やるか」
「OK」
草加は不敵な笑みを浮かべて応じたが、鴨居と仲町はあからさまに嫌そうな顔をした。だが、草加はふたりに構わずに号令をかけた。
「出っさなっきゃ負っけよ〜ジャンケン」
慌ててふたりが右手を振りかぶった。
「ポン!」
甲山と草加がパーを、鴨居と仲町はグーを出した。甲山は
「鴨居とトオルは検屍結果待ち。俺達はマル害のヤサを当たる」
「ウッス」
「はぁ〜い」
返事して遺体を運びにかかるふたりを見送ってから、甲山と草加は現場を離れた。
《続く》
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