『小さなお話し』 その82

やましん(テンパー)

『マスク星人の侵略』

(これは、フィクションであります。この世界の事柄には、一切無関係です。)


         😷



 ある真昼のこと、世界中の空から、不思議な物体が降ってきたのです。


 それは、どう見ても、マスクのような物体だったのですが、耳ひもがありません。


 それは、マスク星人だったのです。


 彼らは、地球上の人類と、ほぼ、同じ数落下してきたのです。


 そうして、次々に人類の顔に取りつきました。 

 

 取りつかれた人間は、マスク星人に同化してしまいます。


 同化された人間は、地下や、建物の中に、仲間を連れて入ります。


 1週間もかからず、地球は、マスク星人の星となりました。


 しかし、いちぶ、同化を免れた人類や、その仲間たちが、地下にもぐり、レジスタント活動を始めたのです。



    ……………………………………


レジスタンスのくまさん


『我々は、正しいのかな。』


レジスタンスのパンださん


『なにを、なやんでるの?』


くまさん


『人類は、マスク星人になって以来、差別も、いじめも、戦争もしなくなった。そういう、意識自体が消滅したからだ。いま、地球上で、争いをやっているのは、ぼくらだけだ。』


レジスタンスのあるやましん


『言ってることは、わかりますよ。でも、あれは、そもそも、地球人類なのか。』


パンださん


『いやあ、違うなあ。もっとも、ぼくたちからみたら、変わらない。ささは、まだ、たくさんある。』


くまさん


『じゃ、何で、闘うの?』


パンださん 


『さあ。なんか、人間が、かわいそうだから。』


あるやましん


『リーダーが、そうしたいからさ。それだけだよ。ついて行けば、食べ物もらえる。それに、宇宙人になるのは、なんとなく、抵抗があるから。』


くまさん


『それも、差別なんじゃない?』


パンださん


『なんと、くまさん、なにをおっしゃる。パンダは、くまにはなりたくないもの。』


あるやましん


『なるほど。説得力ある。でも、やぱり、なんだか、むなしいな。こんなに、平和になったんだから。』



 長い時間のなかで、人類は、マスク星人とともに、新しい人類になったのです。


 一方、マスク星人も、また、かれらの母星では、新種のウィルスにより、絶滅していたのである。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


              おしまい


 





 

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