勃ってた女子高生と放課後デート
9.1 さきっちょ掴んで
翌日朝。
まあ予想通りというかなんというか。一応目覚ましは6時に鳴ったはずなんだけどな。思い切り寝過ごしてしまった。
すでにぎりぎりの時間だが、一応確認。
いつもどおり『千穂ちゃん』のかわりにいる小月さん。
「おはよう、池辻くん」
「ごめん、寝坊した」
「私も遅かったんだ。今朝はお呼びがかからなかったからそのまま家出たんだけど、駅についたところでいつものかんじに」
「そっか、小月さんまで巻き添えで遅刻しちゃまずいね。すぐ用意して出るよ」
「お願いー」
昨日日向さんが作ってくれたカップもつけて、制服を着る。小月さんが実際に入るのは初めてだ。
「どう?」
「悪くないかな。掴まるところがあると楽だね。池辻くんは時間優先で」
「りょ」
朝はちょっと食べている時間がないのでそのまま家を出る。なるべく小月さんを揺らさないように小走りで駅へ。
「もう少しだから我慢してね」
移動中はスマホをいじれない。
通話にしてしまうと、怪しい男子高校生になってしまうのでできれば避けたい。一人で股間に話しかけるのはまあよしとしよう。いや、全然よくないのは分かってるけどさ。でも股間が返事をするのはやっぱりだめだ。
駅について改札を抜け、タイミング良く来た電車に乗り込む。余裕はないけど遅刻はしなくて済むと思う。
スマホで小月さんに連絡。
「電車のった。大丈夫?」
「うん。揺れたけどちゃんと掴まってたし」
日向さんすごい。カップの出来もそうだが、やはりこういうものが必要だと気付いた上に用意してくれたことに改めて感謝。
「でも暑い」
「蒸す?」
「なんかね、池辻くんが熱いんだよね。それで中が暑くなってる」
ああ、走っちゃったからか。
まずいな。
「今度からさ、冷やした水を水筒に入れて持ち歩いてよ」
「飲むの?」
「もちろんそれもあるけど。ほら、カップの底のとこに貯めてさ、足ぴちゃぴちゃして涼みたい」
「いや、水が漏れちゃうんじゃないの」
「だめ?」
「お漏らししたみたいになっちゃう」
「そっちから見るとそうかー」
どこから見てもそうだよ。
しかも足ぴちゃぴちゃしたら謎の効果音付きだよ。
「じゃあ、あれやって。奈美ちゃんがほら、なんか管使って換気できるって言ってたやつ。」
「あったね。やってみよっか」
「うん」
「あ、でも管ないな」
「ここにまるまってるよ」
しまった。装着するときにシャツの下とか通して伸ばしとかなきゃいけないのか。
しょうがない。ささっと取りだそう。
鞄を心持ち正面にして軽く隠して、さっと。
……あれ、なんかひっかかってとれない。
「……! ……!」
何度かちょいちょいと引っ張ってみるが戻ってしまう。
「すとっぷ」
あ。小月さんに引っかかってたのか。
「大丈夫?」
「足の間にはさまってるの。ちょっとまってて」
「ごめん、痛かったよね」
「痛かったわけじゃないんだけど」
「じゃあなに」
一旦管から手を離す。小月さんがなにかごそごそやっている。
「い、いいでしょそんなの。はい、取れたよ」
「じゃあ今度こそ」
「お願い」
今度はもう少し慎重に。
もぞもぞ。
妙に柔らかい。
こんな材質だったかな。
「……! ……!」
「むね」
小月さんから謎のメッセージ。
「?」
「ぜ、絶対わざとでしょ! なに? さ、さっき縄であんなにしておいてまだ足りないの? 違うからね。付き合ってるからって何してもいいわけじゃないんだからね? こういうのは段階を踏んでっていうか、それにしたって上級者向けすぎるっていうか!」
「ごめん、何言ってるか分からない」
「……もういいよ。ほら、今私が持ってるからさきっちょ掴んで」
そう言われても手探りだからなんとも。
それでもそれっぽいのをつまんで軽くひくと今度はするすると伸びてくる。
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