婚約破棄は超難関!

学園の卒業パーティの席でそれは始まった。




「俺は真の愛のため公爵令嬢レイとの婚約を破棄して、伯爵家令嬢フランと婚約を結ぶ!!」




「王子、何故でしょうか?そして本当に婚約破棄をやるのですか?」




「すまん、レイよ。お前には悪いとは思うが、俺はフランとの間に真の愛を見つけたのだ!!」




「王子、婚約破棄でなくても第二夫人であるとか、方法があると思うのですが、よりにもよって婚約破棄は…」




「おれは真の愛に目覚めたのだ!、そんないい加減なことは許されぬ!」




「王子、王子の覚悟はわかりました。」




「覚悟?一体何のことだ?」




「王子、それでは婚約破棄を行うため、この私の持つ婚約の証で


ある腕輪に血をかけそして「俺は婚約をやめるぞ!!」 と叫んでもらえますか?」




「一体なんだそれは?」




「いえ、婚約破棄のための儀式ですが?」




「まあいい、それで破棄できるのだな、なら早く腕輪を渡せ」




「はいどうぞ、いくら婚約が破棄され関係なくなるとはいえ、幼少よりのおつきあいのある王子の


ご健闘をお祈りしています。」




「何だ、一体 まあいい 「俺は、婚約をやめるぞ!!」 」




王子は、指を歯で切り、レイより渡された腕輪に血をかけて高らかに宣言した!!




「その願い、聞き届けた。そのもの婚約破棄のための試練を受けるが良い!」




空から声と光、そして扉が降ってきた。




「え?何だこれは?」




「え、王子まさか何も知らずに婚約破棄の儀式をやったのですか?」




「何だそれは?」




「王家の者の婚約は、勝手に破棄されることがないよう、そしてどうしても破棄したい場合は、


婚約破棄の塔という魔物の住む地上999階建の塔を登って証をとってくることになっているのですが?」




「そんなの知らんぞ?」




「え?覚悟も準備もなしに破棄しちゃったんですか?これ儀式始まったら数分後に強制転移で


今持っているものしか持ち込めないんですよ・・・」




「え?・・・」




「今より儀式を始める。そのものの今持っている所有物のみ持ち込みを認める。


ん?服とキュウリだけか?」




「「キュウリ?」」




「俺の好物だが何か?」


王子は気軽に言った




「試練の始まりだ!行け若者よ!婚約破棄のための試練に打ち勝つまで」




王子が光となりそして扉の向こうに消え扉が消えた。




そして上から何かが降ってきた。




「レディース アンド ジェントルマン さあ突然始まりました。二百年ぶりの婚約破棄の塔の試練!!


実況は私、この世界の主神 バッテラ と 今回婚約を破棄されちゃった 公爵令嬢レンちゃんでお送りします。 」




「えっと主神様?」




「そうだよ、ぼく主神、いやぁ キュウリ一本で試練に挑む勇者が現れるとは思って見なかったから


本来の担当の神に変わってきちゃった。」




「来ちゃったって・・・」




何故か立体映像がパーティ会場の中央に!!




「まあそれはいいので、おっと第一の試練 スライムと王子がぶつかったぁ!!


王子の服が溶ける溶ける。あーこれは放送禁止だ!!」




自動で股間にかかるキュウリマーク。




「おっとキュウリ大好きっこだけあってあれもキュウリ並みの細さだ!!」




「神様、流石にそれはひどいですわ!!」




「でもあんなのだと折れそうでダメでしょ」




「えっと・・・」




「おーっと手に持ったキュウリ 、ここ重要ね、自前のキュウリじゃなくて手に持ったキュウリでスライムの核をぶっ刺した。」




ぶしゃーと白濁液を吐き出しつつ小さくなっていくスライム。




「おーすごい。キュウリへの愛、ここに極まれり!!クリティカルでやるとはすごいなぁ。よしこの偉業をたたえて


キュウリに祝福をあげよう!!、さあ今から今からお前は無限(仮)に進化する神剣キュウリだ!!」




キュウリが光り輝く出した!!




「さあこれで、気を抜いてもらっては困る。今のスライムは、練習用D社型スライム。本物のスライムと違い雑魚の雑魚


さあ次の魔物は倒せるかな!!」




「えっと神様、さすがに王子が死んだらまずいのですが・・・」




「あーこれぶっちゃけ仮想空間だから、死んでも何度でも生き返れる。」




「え?死なない?」




「そうそう、何があっても1階に神剣キュウリ以外、最初の状態に巻き戻って生き返るから、平気平気!」




「神様、すいませんがどのくらいで王子は・・・」




「おーっと 目を離しているスキに王子のお尻に角付き兎が刺さった!!これは痛い。悶絶だぁ」




「あー王子のお尻が!!」




「そこに追い打ちで何故か10階のボス 首切り兎がやってきたー これは王子大ピンチ!!」




「王子逃げてー!!」




残念、王子は首をかられて死んでしまった。




「王子が・・・」




「ほい、ポチッとな。」




神がボタンを押すと、スタート地点に立つキョトンとした顔の王子が・・・




「え?本当に生き返った?」




「だから言ったでしょ?なのでいくら死んでも平気平気!!」




「えっと神様つかぬ事を聞くのですが、これどのくらい時間がかかるのでしょうか?」




「うーんこのペースなら1万年くらいかな。いやーこれからの冒険を見るのがたのしみー」




「神様それでは私たちも皆死んでしまいます。何とからなないでしょうか?」




「もしかして気がついてない? オーディエンスいない番組なんてクズじゃん」




「え?」




「この場にいる皆も含め結界に入ってて、結界の中の一年は外の0.01秒なので


みんないつまでも観戦を楽しめるね。あー食事はみんな食べなくてもいいようにしたから」




「え・・・」




「さあみんなで王子が生還するまで楽しく観戦しよう!!」




そして数万年後




「あーとうとう最後の部屋に!!」




「いけ王子、早く終わらせてくれ!!」


「もうこりごりだぁ」


「何もかも皆懐かしい」




「一人おかしいやついるみたいだけど、まあいいや!さあ最終局面!王子は・・・ってあれ?」




「あれーーーーーーー」




王子は最後の落とし穴トラップに引っかかり落ちて消えた




「これが本当の落ちだね、ハハハハハ」




王子が攻略を終えるまであと何年かかるのか?


それは誰も知らない。

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