超・悪役令嬢

王城の大広間にて、行われていた舞踏会で王子は高らかに宣言した。




「公爵令嬢スザンヌよ、私は真の愛に目覚めた!!お前との婚約を破棄し


男爵家令嬢レンリと新たに婚約を結ぶ!!」




「王子なぜでしょうか?」




「それは、お前がレンリをいじめたからだ!!」




「王子、レンリに対してのいじめと言うのは心あたりがございませんが、


王子に寄ってくる虫の排除であれば婚約者の権利のひとつですわ」




「心あたりがないだと、じゃあ言わせてもらおう。お前はレンリの大切にしている


ハンカチを盗んでゴミ箱に捨てただろう!!」




「王子、私はそんなことはやっておりません。」




「そんなことはない、レンリだったお前が犯人だと言っているぞ!!」




「王子、私ならそんなことはしませんわ? そうですね、例えば一ヶ月間王子に色目を使っていた


某伯爵家令嬢の大切に飼っていたオウムが行方不明になり、そして令嬢が食べたスープの中


から足環が見つかった不幸な事件であれば心当たりがありますが・・・」




「…」




「王子如何なさいました?」




「もういい、お前はこの前レンリの教科書に泥をかけたというではないか!!」




「王子、それも私はやった覚えがありませんわ? そうですね、例えば3週間ほど前に王子に色目を使っていた


某子爵家令嬢の持っていた本の表面に皮膚がただれ二目も見えないような容姿になる毒が塗られた


事件があったと思いますが、それなら心当たりがありますが・・・」




「…えっとまじ?」




「王子、言葉遣いが美しくありませんわ、もっと優雅に聞きませんと。」




「とにかくもうそれならそれはいい!、お前はレンリの飲んでいたワインに泥水をいれたというではないか!!」




「王子、それも私はやった覚えがありませんわ? そうですね、例えば2週間ほど前に王子に色目を使っていた


某隣国の王女の飲んでいたワインに毒が入っていて即死した事件、あれであれば心当たりがありますが・・・」




「あれはお前が犯人だったのか!!」




「犯人も何も、泥棒猫は即、毒殺が基本ですわ」




「まあ全然良くないがまあいいなら、レンリをこの間階段から突き落とした事件!これはお前のせいだろう!!」




「王子、それも私はやった覚えがありませんわ? そうですね、例えば1年ほど前に王子に色目を使っていた


王子の妹姫が、落とし穴に落とされそのまま行方不明で今も見つかってない事件なら心当たりがありますが・・・」




「・・・」




「お兄様大好き、お兄様と結婚するのとか、兄妹間での不純なことを企み実際に媚薬を兄の食事に混入するなど


外道な娘でしたので当然ですわね。」




「いや、それ初耳なんだけど、本当、嘘だよね」




「本当ですわ、この件、王家の影のものも把握しておりますわよ」




「ならこの舞踏会にくる前にさらわれそうになった件!これはお前だろう」




「王子、それも私はやった覚えがありませんわ? そうですね、例えば昨日のことですが、王子に目をつけた


隣国の王女が城ごと爆破されて、国が滅んだ事件なら、心当たりがありますわ」




「・・・ごめん、もう一度言って?」




「隣国のトチ狂ったババアを城ごと抹殺したら、相手の国も滅んじゃった。テヘッ❤︎」




「・・・」




「あと王子、言わせてもらいますが吹けば一瞬で消し飛ぶような小物を私が相手する必要がございますか?」




「いやそれは・・・」




「あとそもそも子供産めない人なんて考慮の範囲外ですから。」




「「え?」」




「いい加減去勢でもしておこうかなと思い調べたところ、生まれつき子供が作れない体のようで


手間が省けて助かりましたわ」




「「・・・」」


「さあ王子、それで誰と婚約破棄をして誰と婚約なさいますの?」


「「・・・」」




「そういえば、最近東方の国から素晴らしいお薬が入ったので、ぜひ試していただきたいのですが


よい方がいたら紹介してくれませんか?」




「「・・・」」




「フフフフフフ」

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