パワー婚約破棄。

王城の大広間にて、行われていた舞踏会で第一王子は高らかに宣言した。


「公爵令嬢パワーアントワネットよ、私は真の愛に目覚めた!!お前との婚約を破棄し


男爵家令嬢ラブリーと新たに婚約を結ぶ!!」




「王子…なぜ?」




「お前のような悪女とは結婚などできぬわ!!」




「悪女とはどういうことですか?」




「お前は、嫌がるラブリーに、生クリームのケーキを無理やり食べさせたというではないか!!」




「パンが食べれないというからケーキをお出しして食べてもらったのですが、それが何か?」




「ラブリーはな、重度の小麦粉アレルギーでケーキなんて食べたら死んでしまう、なおかつ卵アレルギー、牛乳アレルギーもあってそのお茶会後、病院に担ぎ込まれるのがもう少し遅ければ死ぬところだったのだぞ!!」




「そんなアレルギーの話なんて、私は知りませんが?」




「当たり前だ、秘密だったからな。」




「なら私に非はないですわよね?」




「他にもある。不幸な暮らしをしながら私たちに尽くしてくださっている人々がいるのだから、


彼らのためにこれまで以上に身を粉にして働くのが貴族の務めですとか言って、


強制労働させただろ!!」




「それが何か?」




「ラブリーはアレルギーだけではなく、虚弱体質なのだぞ!!その労働のせいで寿命が縮むほどの


影響が出たという!!」




「私は平気でしたが?」




「お前みたいな鉄の女にはわからん!!」




「それでどうされるのですか?」




「お前をラブリー嬢暗殺未遂の犯人として即刻死刑とする。」




「即刻死刑ですか?そんなこと王子の権限でできるのですか?」




「今なら親父もいない、王権の代理権限も俺が持っている。」




「わかりました。それでどうやって私を殺す気ですか?」




「殺すのではない。絞首刑だ!!」




「わかりました。」






ーーそして舞台が変わり、王城前の広場にてーー






「いまよりラブリー嬢暗殺未遂の罪により悪役令嬢パワーアントワネットに対して


絞首刑を行う。罪人をここに!!」




パワーアントワネットが、絞首台に連れられてくる。




「最後に言い残したいことはないか?」




「王子、王国の法律はご存知ですわよね?」




「ああ、知ってるが何か?」




「法律にはちゃんと従ってくださいね。」




「ああ、従うとも、それが最後の言葉でいいのか?」




「はい、絞首刑前最後のと言葉としてはそれで構いませんわ」




「ならいい、罪人を絞首刑にせよ!!」




パワーアントワネットの首にロープが巻かれ、そして絞首台床が抜けた。その時!!




「絞首刑、執行お疲れ様でした。」




パワーアントワネットは、朗らかな声で言う。




「「え?」」




「王国法では、一度罪罰が執行された罪によって再度裁かれることはないと言うことはご存知ですわよね?」




パワーアントワネットは、下に下げていた手を上にあげてロープを掴み自力で


首に巻かれたロープを引きちぎる。




「え?」




「私を本当に死刑にしたいのなら絞首刑はダメですわ、そのぐらいこの鍛えた


首の筋肉でどうにでもなりますので」




「ではごきげんよう」




パワーアントワネットは去っていった。




そして翌日




「いまより悪役令嬢パワーアントワネットに対し、私第一王子に対するによる不敬罪によるギロチンに


よる死刑を執行する。罪人をここに!!」




パワーアントワネットが、ギロチン台に連れられてくる。




「最後に言い残したいことはないか?流石に今度は助からんぞ!!」




「法律にはちゃんと従ってくださいね。」




「ああ、従うとも、それが本当に最後の言葉でいいのか?」




「はい、斬首刑前最後のと言葉としてはそれで構いませんわ」




「このギロチンは特別製だぞ!!勇者の剣を加工して作った特別のギロチンだ!!」




「え?王子、対魔王のための決戦兵器を加工したのですか!!」




「お前でも驚くことがあるのだな、ああこれなら確実にお前を・・・」




「想像以上におバカさんだったのですね。」




「バカとはなんだ!!執行人!すぐさま執行しろ!!」




パワーアントワネットは、手枷首枷をつけられ、そしてギロチンに縛り付けられた。




「さぁギロチンを落とせ!!」




パリン・・・




「え?」




「えっと普通のギロチンでも一応硬気功で防ごうと思っていたのですが、聖なる武器では私を


傷つけることはできませんわよ?」




「え?」




パワーアントワネットはギロチンにセットされたまま語る。


「私が聖女なのはご存知ですよね?」




「いやお前のようなものが聖女であるはずがない!!ラブリーこそが聖女だ!!」




「いえ私こそが聖女ですわよ?」




「・・・」




「その証拠に神の僕たる勇者の剣は、神の代行者たる聖女、つまり私を傷つけることはできず壊れました。」




「・・・」




パワーアントワネットは自力で枷を破壊しながら外す。


「よいしょっと」




「王様が帰って来ればこの茶番も終わると思って我慢していましたが、もう限界ですわ!!」




「何が限界だ、この魔女め!!」




「魔女はラブリーですわよ?」




「え?何をお前はいっているのだ?」




「だって私が聖別した食品でアレルギーが起こる訳ないじゃないですか!!」




「いやアレルギーはだな・・・」




「私が聖別した食べ物は全て神からの恩寵、この国のものであれば生まれつき全て神の聖別をうけた


神の信徒、傷つくわけがありません。」




「いや仮にそうだったとして、あの過酷な労働はどうだ!!」




「あれは、持続性回復陣の上でやっていたので、神の信徒であれば24時間365日飲食不要で休みなく


働いたとしても元気になったり病気が治ることはあっても逆に病気になることはありません。」




「え?何それこわい。」




「だからこそこの小さな国が他の大国と互角に渡り合えるのです。」




「・・・」




「いま王が他国に行っている理由はご存知で?」




「なんだそんなのは俺は聞いてないぞ!!」




「ですわよね、汚染された王子ににいうわけがない。」




「汚染だと?」




「ええ、魔女に思考改造された哀れな王子」




「?」




「呪いであれば、私の力でどうにでもなりますが、思考改造は魔法や神聖力とは別のもののため治りません。


そのため、科学の発展した隣国の研究機関に協力を求めに行っているのです。」




「え?そんなことはない!!」




「もう隠すのも面倒ですわ、神聖騎士団よ聖女たる我が命じる。この魔女に汚染された王子を隔離!!


その後魔女を捕まえ解除方法をどんな手段を使ってでも聞き出せ!!」




かくして思考改造された王子と魔女は幽閉された。


残念なことに思考改造の解除方法がなく王子は一生幽閉された。


魔女は、解除方法がないことがわかった時点で、絞首刑と相成った。




そしてパワーアントワネットは、第一王子の代わりに、第二王子と婚約をし


幸せに暮らしましたとさ。




パワーアントワネット


「ショタ萌え〜〜〜あ〜一生育たない祝福かけなくちゃ。 」




え。幸せだよな?まあこれ以上は作者の知るべきところではないので


これにて終焉とさせていただきます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る