誰と婚約破棄をするの?
その国のアホなことで有名な第一王子は、よりにもよって卒業パーティをかねた
王城の舞踏会状で喜劇を起こしてしまう!!
「おれはこのメークイン男爵家キタアカリとするために、婚約を破棄する。」
そこに現れるは、5人の乙女
「婚約破棄をするとは、この私、正妻予定である婚約者のゴールデンコーン公爵家、ミエルコーンとの婚約ですか?」
「それとも私、第二妃予定である、アスカ侯爵家ルビーとの婚約ですか?」
「もしかして私、第三妃予定である、ナス辺境伯家サファイアとの婚約ですか?」
「私、第四妃予定である、カリン伯爵家マルメロとの婚約ですか?」
「私、第五妃予定である、カボス子爵家キーライムとの婚約ですか?」
「爵位からいえば、私、第六妃予定である、スモモ男爵家プラムとの婚約ですか?」
「えっと・・・」
婚約者全員
「「王子、誰と婚約破棄をするのですか!!」」
「それは正妃にしたいから・・・」
公爵家令嬢ミエルコーン
「私と婚約破棄をするということは、王家は公爵家の独立をお認めになるのですね。」
「いやそれは・・・」
公爵家令嬢ミエルコーン
「ならどうなのですか?」
男爵家令嬢プラム
「王子様、もうしかして、私との婚約を破棄して一人づつずらすのですか?それはあんまりです。いくら私がまだ12歳とはいえひどすぎますーうえーん」
「いやプラムちゃんとの婚約は破棄しないから、泣かないで・・・」
プラム以外の婚約者全員
「「なら王子、誰と婚約破棄をするのですか!!」」
「いや、それなら子爵家…」
子爵家令嬢キーライム
「王子、それでは、慰謝料として、当家で行なっている海外貿易の関税の権利を全て当家にいただけますか?」
「いやそれはまずい、なら伯爵家…」
伯爵家令嬢マルメロ
「王子、それでは慰謝料として今格安で王都に収めている小麦の値上げを許可していただけますか?」
「いやそれはまずい、なら辺境伯家…」
辺境伯家令嬢サファイア
「王子、それなら慰謝料として我が領地の山を水源とした川の水利権をすべていただけますか?」
「いや水利権だけはまずい、俺はまだ死にたくない、なら侯爵家…」
侯爵家令嬢ルビー
「王子それでは、慰謝料はいりませんが、私に以前からお話があり、王子との婚約の話のためにお断りしていた
神聖帝国の皇子への嫁入りを許可していただけますか?」
「いやそれはまずい、これを理由に我が国が滅ぼされてしまう。」
婚約者全員
「「王子、結局、誰と婚約破棄をするのですか!!」」
「えっとよく考えると、どの婚約を破棄しても俺が死ぬ。」
婚約者全員
「「王子、今更気がついたのですか!!」」
公爵家令嬢ミエルコーン
「王家のものの婚姻とは、利権などの調整のためであって、愛や恋などとは別なのです。」
「いやだって・・・」
公爵家令嬢ミエルコーン
「だってじゃないです。」
「でも」
公爵家令嬢ミエルコーン
「別にその娘を囲いたければ自由に囲えばいいじゃないですか!公式に結婚する意味がありますか!」
「いやでも彼女との間の子供に・・・」
公爵家令嬢ミエルコーン
「それならその娘との間にできた子供を、私の息子、もしくは娘として登録すればいいではないですか」
「え?」
公爵家令嬢ミエルコーン
「別に表向きの立場がいらないのであれば、いくらでもお二人で子供を量産してください。
王家の血さえ入っているなら問題ありません。」
「も・・・問題ないの?」
公爵家令嬢ミエルコーン
「正直に言います。王子との褥を共にして子供を作るという苦行から解放されるならそれこそありがたいです。
ですわよね、みなさま」
ミエルコーン以外の婚約者
「「はい」」
公爵家令嬢ミエルコーン
「ほら問題ない。」
「・・・」
公爵家令嬢ミエルコーン
「ああ、そうそう体面上婚約者に各1名づつ必要なので、最低でも5人、できれば10人は作ってくださいね。」
「え?」
公爵家令嬢ミエルコーン
「どうせ政務、外交などは私たちがやりますので、あなたは王家の血を残すことだけを前提にお子様の量産をしてください。」
「ちょっとまって」
公爵家令嬢ミエルコーン
「待ちません。あーお子様の数が揃うまでは外出禁止で励んでくださいねー」
斯くして王子は、好きなものと結ばれ子供を作ることに成功した。
え?令嬢たちはどうなったって?
そりゃ好きな相手との子供を作りましたよ。
それが王子との子供か、それ以外との子供か秘密です。
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