第28話 前田家によめいり

前田家に着くと下屋敷の

お婆ちゃんの家へと足を進めた。


早速子供の話をしょうとしたが

一将がウロウロ

何となくいいだしにくい。


「夏歌?どうしたの?」

篤子はなーんか挙動不審な、夏歌

を気にしていた。


「お話したい事があるんですが

ちょっと・・・💦」


「あ、ああ一将が邪魔なんだね。」


夏歌はコクンと頷いた。


お婆ちゃんは上屋敷にほうれん草

を一将に届けて欲しいと頼んで

一将はそれを持って上屋敷に向かった。


「さてさて一将が帰るまでに

お話よ、どうした夏歌。」



夏歌は、嵐の夜の一部始終を話した。

驚いた事にあんなに大騒ぎ

だったのに誰一人覚えて居ないらしい。

確かに前田家の血を引く人間は

一将とお腹の赤ちゃんだけだった。


しかし、一将の体は前田拓鳴に

乗り移られ、垂水光源と戦っていた。


残る前田家の当主となるのは

確かにまだ12週目の赤ちゃんだけだった。


腹の中にいるとはいえ

前田家の血を引く赤ちゃんだから

あんな凄技ができたのだろう。


「成程、温泉から帰って来た時

屋敷がスッキリして見えたのは

そのせいか‼」

お婆ちゃんはさほど驚く事も無く

ウンウンと頷いた。


「で、今は、何ヶ月?」


「3ヶ月です。」


「一将は知らないのかい?」


「さっきも浮気問題が出て

喧嘩したばかりなんですよ。

このまま浮気するか様子見ようと

思います。」



「う〜ん、まあ大丈夫だろう

けど・・・ね。

体は大事におしよ。」


夏歌は結婚が不安だった。

確かに誕生日プレゼントは

もらったがプロポーズの指輪は

未だ一将の机の引き出しの中だ‼


ポカポカと、光る通知を見ると


「夏歌、俺が馬鹿だった

俺たちやり直そう

やっと気づいたんだ君があんまり

近すぎて君への愛が見えなかった。

君だけを愛してる。」


小山田翔馬からのLIN〇


「無理、無理、無理⇊」


フゥ(o´・`)=зなんて奴だ‼

と呟いた途端Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!


横から一将の手が伸びて携帯

鷲掴みされた。


「あ“あ“あ“」と叫ぶ、間もなく


「俺の嫁に手を出すな‼

それなりの覚悟はあんだろうな‼」



・⌒ ヾポイと投げられた携帯は

座布団の上に落ちた。


((✧"✧))ゴゴゴゴゴゴォ

と上から殺気を感じ見上げると


「この後に及んで

モトサヤか?」

不機嫌な一将が立っていた。


「ちっ、違うよ、何言ってんの?

アンタじゃあるまいし

一緒にすんな‼」



「どうだかな!

ニヤニヤしてなかったか?」


「してないよー馬鹿‼か‼」


携帯を拾い上げ中を見ると

翔馬の連絡先は消されていた。


「なんだ?残念そうだな!」

一将の意地悪い笑顔にムカァ


「何でそんな意地悪い事言うのよ。」


「夏歌の浮気の芽を摘んだだけだ

夏歌は俺だけでいいんだよ。💥💢」


「んまあ〜自分の事は棚に置いて

よく言うワ‼」


「ハイハイそこ迄‼

一将父親になるんだから

自信持ちな‼」


「おっおばぁちゃん。」

一将に内緒って言ったのにぃー

夏歌はお婆ちゃんの裏切りに

ビックリした。


「夏歌、お産を甘く見たらいけないよ。手を貸して貰える時は

手を貸して貰わなきゃ。


切迫流産ってこともある。

お産は病気じゃないが舐めたら

いけない。


子供の成長を小さな内から

一将も楽しむ権利もあるんだよ。」


あ、赤ちゃん👶?

と驚いた一将は

口をパクパク


「そうだよ、私の曾孫

夏歌ありがとう

嬉しいよ。」


金魚みたいにパクパクしていた

一将が

「うわ、うわ、子供俺の子供ぉー

ホントか?

なあ本当か?」


と盆踊りを始めた。

夏歌は頭のネジが抜けた一将を

と一喝‼


レモン水をグキューッと飲み干し

(*>ж<)ッ!?スッパー

と落ち着いてきた。



「みんな揃ってるかい?」


「あ、あああ、はい。」

一将はハッとして答えた。


「じゃあ30分したらおいで

夏歌も一将も一緒にね。」



お婆ちゃんちのリビングには、

高そうな皮のソファーがおかれて

いる。


窓から眺める日本庭園は

金木犀の甘い香りが何処そこから

臭っていた。


10月も終わり近い。


一将は一際デカい金木犀の下に

夏歌を誘った。


夏歌の前に跪き

「夏歌、浮気を疑われる程

色男の俺だけど、夏歌を愛してる。

それはこれからも続く

俺の愛に終わりは無い。


結婚して下さい。

愛してる。」


パカッと開いた箱には

ダイヤモンドが散りばめられた

シンプルなデザインの指輪が

入っていた。


「ウワッ、」

夏歌の悲鳴に喜びながら

差し出された指に指輪をはめる。


「夏歌知ってるかい?

指輪が丸いのは終わりが無い

ってことだよ。」


「うん😊赤ちゃんも

喜んでるよ。」


一将は夏歌のお腹に飛びつきスリスリ

「パパだよー」

それから一将の目はまだまだペッタンコなお腹に何時も目がいく様になった。



「無事に行きまして御座います。」

「ヤレヤレ

天に帰っても暇だし、しばらく

夏歌に養ってもらおうか?」

ニャンニャンと頷く猫は

ゴロゴロとのんびりと小春日和の

庭で過ごした。



上屋敷にに行くと

一将の両親と、一将によく似た

背の高い24、25位の若い男性がいた。



あとから夏歌の両親、兄貴夫婦

歌音が又華やかな着物であらわれた。


「おねーちゃんズルイ

やっぱり一将さんがいい!」

とゴネてた歌音は史智(みち)

を見て(〃 ̄)-~ポ-❤


しかし史智は歌音には目もくれず

夏歌に近づくと

「あなたが夏歌さんですか?

お祖母様が良く話していた・・・

お会いできて光栄です。」


「おぃー、史智、夏歌には手を出す

なよ。なんせ俺の子がいるからな‼」

横から一将が割ってはいる。


「別に気にしませんよ。

前田家の血を引く一族なの

ですから。

お祖母様が仰ってましたよ、

一将が大事にしない時は史智

が幸せにしなさいって・・・。」


「んな事あるか、

俺が幸せにするから

引っ込んでろよ。」


クスクスと笑う夏歌の横で

「おねーちゃんばかり

ズルイ‼」

とブーたれた歌音がいた。



夏歌が知らないウチにお互いの

家族の顔合わせが計画され

代々のしきたりどおり、上屋敷で

行われた。


前田家では向こうに行くのではなく

迎え入れる花嫁の為に屋敷中

を案内する。


安心して嫁に来てもらう為

相手の家族を招待するのが

習わしだ。


結納は上屋敷の仏間で行われる



一将の父親も


「夏歌さん

色々スレ違いも合ったけど

前田家を宜しくたのみます。」


夏歌の母親と一将の母親は同じ

歳らしく話が合うみたいで

盛り上がっていた。


結納が終わるとあらためて、

二人仏間に座り結納の報告と

妊娠の報告をした。


それから食事会を前田家が所有

するレストランに移動。


土地の野菜や、海の幸を自慢とする

海辺他の屋根の高い窓が大きく

観葉植物が綺麗に取り込まれた

ステキなレストランだった。


食いしん坊の夏歌は

美味しいー

美味しいーンー美味しい。

と回りの笑いを誘いながら

レストランの従業員や、土地の

人達に夏歌の人柄は気に入られ

賑やかに食事会は終了した。


大した悪阻も無かったが、結婚式

は来年の秋に持ち越された。

又金木犀の花の香る10月頃に

予定したい。




ニャーんニャーん😸🐱😽

3匹は前田家の猫になったが

仏間が猫の部屋になった。


一将も夏歌も猫様猫様と呼ぶので

屋敷の使用人も猫様と呼ぶ様に

なった。


昔と違って暖かいおふろにも入れて

もらい、キャットフードは拒否

夏歌に話して普通の食事を

三食出して貰うようにした。

至れり尽くせりニャンニャンニャンニャンฅ


小さなちゃぶ台に3匹

座り食事をとる様子は中々珍しい


猫様はフラリと時々いなくなり

又現れる。


今度は史智の嫁探しの旅に出て

いるのかもしれない。






終わり。



最後迄読んで下さって

ありがとうごさいました。




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🍫BITTER SWEETSな俺愛。 ルミン @rumiko35211

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