第23話 歌音略奪計画

次の日夏歌と、一将は夏歌の車に

乗り込み夏野菜を沢山お土産に

東京へと帰りついた。


せっかく激安5万出して買った

クーラーの元へは帰らず一将の

マンションに住み着いた。


お世話になった木之本部長、絵里

村神さんに野菜のおすそ分け。


しかしアパートはまだ契約更新

しておいた。

一将の事だ、何が無いとも限らない。


会社を覗いて見たが女子社員、

パート、派遣、女の子とオンナ卒業生

した、おばちゃんまで

選り取りみどり・・・


勿論、男の人もいるだろうけど

・・・

みんな一将狙いにみえてしまう。

厄介な男に捕まってしまった。


ハーレム、ハーレム‼


多分あのアパートが取り壊されない限り更新はして行くつもり。




それは夏歌の実家から帰って2週間の出来事だった。


ピコーン

「一将さん。

今度お友達と遊びに行っていい?」


「オー歌音、夏歌も喜ぶから

いつでもコイ。」


「やったー

今度金曜日の夜、飛行機で行くね。」


「え‼何時の便?」


「 6時着だよ。」


「分かった。

迎えにいくよ。」


「わーい

ありがとう。」


「夏歌も喜ぶぞ‼」


「あーお姉ちゃんには内緒で

ホテルとるから・・・」


「内緒?なんで?」

ちょっと不思議になり聞いて見た。


歌音はぷくぷくホッペをふくらませ

「お姉ちゃんうるさいし

細かいし・・・

出来たら、おにい、一将さんだけ

がいいかな?」


「俺だけ?」


「うん。友達も一緒だし

いいでしょう?」


歌音の必死の頼みに、まあいいか

夏歌の妹だし、俺と歌音と歌音の

友達と3人で食事の約束をした。


俺は何が食べたいと聞いたら

即答で、お寿司と答えてきた。

あの回転寿司にいこうと思った時


「回らないお寿司が食べたい。」

そう言って来た。


ここは夏歌と違う

夏歌は、


「一将が連れて行くとこなら

美味いに決まってるよ。

一将が美味いと思ったお寿司屋さん

に行きたいなー」


何時も夏歌の声がしてくる。

(๑´ლ`๑)ふふ❤


俺は歌音のリクエストに、了解して

寿司有名店に予約をいれた。


しかし、夏歌抜きで、回らない

寿司屋に行ったと夏歌が知ったら

(╬ ꒪Д꒪)ノゴラァァ-

だろうな!


とはいえ、夏歌に了承して貰わなく

てはならない。


「夏歌、金曜日なんだけど・・・」


「うん、なに?」


「う、うん金曜日知り合いが

遊びに来るらしいんだよ。

ちょっと飲んで来てもいいかな?

軽くだよ。

勿論。」


「友達?

いいよ、私おばあちゃん家に

行って来る。」


「え‼ じゃあ 俺も行く

高速危ないからな!

友達は断るよ。」


「大丈夫だって‼

もう何回も行ってるし!

村神さん、忘れないでよ!

村神さん連れていくなら

ゆっくり飲んで来なよ。」


「う・・・うん。

大丈夫か?」


「だって、一将隣に乗ってるだけ

じゃん。

毎回、運転してるのは私だからね

心配し過ぎ‼⇊」



「・・・分かった。」


一将は渋々一人運転を了解した。

知り合いって誰だろう?

あんまりしつこく疑う事も嫌だから

一将を信用してあまり聞かないことにした。

それに真面目人間の村神さんがいれば

心配いらない。



夏歌の妹だから、何れ家族になる

俺にとっても大事な妹だ、

家族に会うんだから村神は必要か?

大丈夫・・・だろ?普通


彼女の友達もいるし二人じゃないん

だから、たまには村神抜きも

いいんじゃね。


そんな事を考えながら空港に一人で

向かった。


時間は少し遅れると、歌音にラインしていた。


しかし?

空港には歌音一人が待っていた。


「歌音、」


俺が手を上げると振り向いた歌音は

満面の笑顔をみせた。


夏歌とは違う甘ったるい顔をして

本当に嬉しそうな顔だ。


「可愛い」

ついそんな言葉が口をつく。


「あれ?お友達は?」


「あ、ああ、急に体調不良になって

空港で帰っちゃった。」


「そーか‼

残念だな‼」

「うん、彼女も残念がっていたよ。」


「ま、いいか‼」


「うん。」


歌音は可愛らしい笑顔をみせて

俺の腕に絡み付いてきた。

夏歌とは、違う待遇に慣れない俺は

ドキドキしてしまう、


「ウワッ凄い

ジャー〇、セダ〇だ‼

カッコイイ❤」


夏歌は車に詳しくなく走ればいいと

思う派

しかし歌音は車種に詳しく、

話が盛り上がった。


夏歌は俺のお気に入りのこのセダ〇

の良さがわからない。


「乗り心地は良いけど私の軽には

負けるね、軽が一番‼」

Orz


しかし、歌音は良さが分かってくれ

てブッチギリに褒めてくれた。


2人で楽しく回らない寿司を堪能

車の事、美味い地酒の話、

海外の旅行の話、歌音は世界遺産を

回るのが好きらしい。


俺もエジプトとかマチュピチュとか

モン、サン、ミシェルとかの話

したら凄く目をキラキラついノリで


「今度一緒に回るか?」

冗談のつもりだったのに歌音は

妙に乗り気‼


これ、夏歌が知ったら

ヤバイ‼



夏歌は

「え〜海外⤴温泉の方が好き‼

行きたい温泉あるのぉー

海外より温泉派」

ばーちゃんかよ。って時もある。


正直、歌音との時間は楽しかった。

可愛い妹が出来て嬉しい。



インスタにあげるからと歌音は

寿司の写真をとっていた。


「お姉ちゃんといっもこんな

食べてるの?」


「いやぁ、夏歌は手作り派だし

あんま、外食はしないよ。」


「へえ、ミミッチイお姉ちゃん

らしい、昔から畑とか入り浸り

だったし、お姉ちゃん農家で

本格的に野菜育てたいなんて言って

たなぁ。」



「だろうな!

俺の実家行っても、祖母と畑に

入り浸ってるぞ!

今日も行くって言ってたなぁ。」


「え〜つまんなくない?

おねーちゃん畑じゃあ暇でしょ。」


「ハハハ 大丈夫暇じゃないさ

俺も手伝わされるハハハ

歌音はいつも食べてるから

分かんないかもしれないが

君んちの野菜は本当に

美味かったよ。」



「ママが料理うまいだけだよー

野菜は一緒、一緒。」


それからバーへ行って飲み直した。

歌音は大学生、経済を勉強している。


彼氏とは別れたばかりで

傷心旅行を思い付いたらしい。

それならばと

俺はスケジュールを調整して

明後日迄休みを取った。


友達が来ていなくて、夏歌も居ない

歌音を1人にはできない。

ただそんな気持ちだけだった。


俺は酒癖が悪いから注意して軽く

飲んだ。

酒癖の悪さは自覚している。



しかし歌音は酒が弱いのかすぐ

酔いが回り眠ってしまった。


何処にホテルを、取っているかも

分からず、投げ出す訳には行かず

夏歌がいない時、どうかと思ったが

なんてつたって、夏歌の妹だ

怒らないだろう。


大丈夫だ、そう思ってマンションへ

連れて帰った。


夏歌より華奢で軽い。

可愛らしい顔は夏歌に似ている

俺も疲れてしまいスーツの上を脱いで

そのままベッドにゴロンと寝てしまった。



どれだけの時間がたったのか、

生ぬるい感触が唇に伝わった。


「なんだ?夏歌か・・・

早かったな、もう帰ってきたの?」


俺は、いつものように夏歌を抱きしめ

体をむさぼった。


夏歌もいつものように

しがみついてきた。


「ああ、夏歌、夏歌、愛してる。

君だけを、愛している。


キスを繰り返し

愛を囁く。




しかし途中からドア越しに夏歌の声が

聞こえた。


「酷い、酷いよ‼ 一将‼」


俺は握ったゴムをパラリと落とし

振り返った。


夏歌が信じられないと言う顔をして

立っていた。


頭がぼーっとして夏歌の顔がボヤけ

始めた。


ベッドでニッコリと薄ら笑いを浮かべ

悩ましい姿で一将が抱きしめていたのは、歌音だった。


はァ?、?夢、夢なのか?


泣き叫ぶ夏歌と笑い転げる歌音

二人は激しく喧嘩している。


頭がガンガンして割れそうに痛い

ゴロゴロと転げ回り寝室を出た

所で記憶がない。


朝が来て目が覚めると俺は

ソファーに寝ていた。


上着もちゃんと着てるし

スーツのままだった。


「なんだ、夢か‼」

何だかホッとした。

夏歌の留守に義妹になるとはいえ

女の子を家に上げたから

こんな夢を見たんだ。


夢で良かった。


寝室へ行くと歌音はまだぐっすりと

眠っていた。

ワンピースもちゃんと着ているし

昨日の事は、ホントに夢だったの

だと思う。


俺は朝から夏歌に電話した。

昨日から歌音が来ていると知らせた。夏歌も

野菜や果物を抱え

朝早くから帰ってきた。


まだ歌音はぐっすり昼過ぎまで眠って

いた。


「ごめん一将、ソファーでねたんだ

ね。」


「うん、俺こそ口止めされていた

とはいえ!

夏歌に無断で 泊めた事は悪かった。

本当にごめん。」


「良いよ、妹だもん

断れないよね。」


「うん、友達も一緒だって言うから

つい・・・ゴメンな‼」


「ううん、実はね、

昨日夢を見たの、歌音と一将が

抱き合ってヤってたの!


Σ(ㅎωㅎ;)💦エッ‼


それから歌音と取っ組み合いの

喧嘩をした夢見たんだ。

一将が電話くれなくても帰るつもり

でいたよ。」


(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…

「そんな事あるかよ。

歌音は義妹・・・何・・だぞ‼」


そんな話をしていたら呑気に歌音が

起きてきた。


「おねーちゃん、もう帰ってきたの?

今日、一将さんとデートだったのに‼

邪魔邪魔‼」


「歌音、一将を誘惑してもダメだよ

一将は私の旦那様になるんだからね

あんたも一将狙ってないで

彼氏探しなさい!」


3人の会話を雲の上で聞いていた

武将がいた。



「親方様、敵は動きだしました。

色情霊を使い、一将様をたぶ

らかし、前田家を乗っ取るつもり

です。」


「うむ、此度の働き褒めおくぞ!」


「有り難き幸せ、

私が一将様に乗り移って

奴らの動きを封じました。」


このサムライの頭には矢が刺さって

おり、一将が頭の痛みを訴え始めたのはこのサムライが憑依していたからだ、サムライの受けた痛みを

そのまま一将に与えていた。


そうしないと一将はあのまま

歌音と結ばれてしまう所だった。


色情霊に取り憑かれていた歌音も

動物の本能のままに動いて

一将も人の心を失い本能のまま

歌音を求めたに違いない。


夏歌が現れたのは一将の気持ちが

一晩しか離れていないのに

夏歌を求めるあまり

歌音と夏歌の違いを見破り一将の本能が夏歌を呼び出した

生霊だったのかもしれない。


夏歌に囁いた愛はしっかりと夏歌に

届いていたのだ。


武将が人睨みすると歌音のはだけた

服も乱れたベッドも、何も無かった

ように元にもどった。


武将は又ドアで倒れている一将を

指をクルッと回すと一将は中に浮き

シャツのボタンも乱れた服も

元通り、武将が指をユックリと

ソファーに向けると一将はフワッ

とソファーに落ちた。


「目が覚められたら

夢と、お思いくだされ」

と呪文をかけた。


色情霊が憑依した歌音は今、色情霊

の気配が感じ無く抜け出たのだろう

歌音には何も記憶は残らない。

記憶は無い。



一将の守護霊を任せられた

武将は一将を守る事に魂を注いで

いた。





「そーなんだ、歌音のお姉ちゃんの

彼氏は、歌音の自慢のお兄ちゃんよりカッコイイんだー見たかったな‼」


「うん、もう凄ーくカッコよくて

歌音、本気で好きになっちゃった。」


「大輝が聞いたら泣くぞ‼

一応、歌音の彼氏だし。」


「大輝?ꉂꉂあははは

一将さんとは比べ物に

ならないって‼

凄い大人でカッコイイの‼


でも、今度は、お姉ちゃんの彼だし

さすがに略奪は、無理かなぁ」


歌音の友人は


「でもサ、歌音ならいけるよ。

可愛いし・・・」


「えっ、そう?

頑張っちゃおうかなぁ」


「あ、歌音これあげる。

アンタが本気なら使って見て‼

媚薬の香水 、男の人メロメロになるらしいよ。」


「媚薬?嘘‼ そんなん本当に

あるの?」


「さあ?効くか知らないよ!

私も、彼に試して見る‼」


「嘘っぽいかもなー」


「大丈夫、大丈夫強いお酒のませて

寝たフリしてればニヒヒヒヒ。」


そんな悪巧みを試みるため


媚薬を忍ばせて略奪旅行へとやって

来た。

歌音は、色情霊には持ってコイの

憑依体だった。


手順を整えて、一将の待つ空港へと

歌音は下りたつた。


そうして一将に、気づかれないように

媚薬を使った。


香水の様に振りまいて、

「一将さんは私のモノ

お姉ちゃんには、勿体無い‼

私が貰っちゃう❤」





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