第20話 クーラーのある部屋
「ヨオッシャャャャー
気合ダァ!! 気合い!!!!」
待に待った日曜日
昨日のチラシで先着20名様
クーラー四畳半用が・・・何と‼
4万九千九百八十えーん。
しかもあのメーカーの奴
夏歌は太幸デパートに朝6時から
並んだがギリギリ20番。
「やばかったー
しかし買えると約束された
ようなもんだラッキー
あれ以来着信も無く携帯は静かだ。
「あーギリギリとは言え、
後4時間待か‼長〜
待つの苦手なんだよねー。」
財布の五万円、
これがあれば家賃がはらえる。
肉の良い奴食える!
服だって何着か買えるな‼
今なら今なら引き返せるグググ
時間があると色々考える暇がある。
五万円と睨めっこ。
あー5万よ、お前は私から
飛びたって行くんだね・・・
昨日ATMから引き出して
何時間財布の中にいたんだい?
紙なのに私に対して冷たいじゃん。
一大決心してやって来たんだ、
やっぱり買うぞウンウン
ハマってるケータイゲームしていたら
アッと言う間に時間は過ぎた。
いらっしゃいませー
いらっしゃいませー
マスクをした店員さんが挨拶。
デパートの開店と同時に来店したのは
初めてだった。
仕事では、よく来る太幸デパート‼
プライベートは久しぶり
つい社長室のある階を見てしまう
このエレベーターでは行けないのにな。
ってか、もう関係ナイカ
ꉂꉂあははは・・・ハァε-
虚しい笑Www
一将は大好きな彼女と又復縁
したんだよ、
忘れないと又辛い。
「もしもし夏歌、母さんだけど
お兄ちゃんの縁談が決まったのよ
今度、顔合わせするから
帰ってきなさい。
彼氏を連れてね‼」
留守電に母からの伝言。
お兄ちゃん決まったんだー
もう28だもんねー‼
クーラーの取り付けは3日後
係長に嫌味を言われ有給休暇を
とった。
まあ何を言っても係長には
言われちゃうからツーカで
聞きながーす。
有給ついでに実家へ顔を出す
つもりで二日もらった。
向こうの家族と顔合わせがある
らしい。
母親の帰ってコイ、コールが
鳴り止まない。
次いでに彼氏も連れてこいと言う。
一将と付き合ってるなら喜んで
連れて行くけど・・・💦
一将に頼める訳もなく
せっかく取り戻した彼女が許す
事もなかろう。
まあ、一将と接触する気はサラサラ
ないけど・・・💦
人にされて嫌な事は自分もするな‼
この名言に従う。
だから彼女が心配するような事は
しない。
煩い母親をガツンと黙らせて
30までは嫁に行かないキッパリ
言ってやるうw
「よくこの暑さ我慢出来ましたね。」
クーラー工事の人に褒められた。
か?同情された。
新車買ったし、我慢しょうと思ったが
発クーラーの涼しさを味わったら
後には引けない!
同情も、情のうちか・・・情っていう
ぐらいだから情をかけられたのか?
工事のおじちゃんは感心していた。
「物入りが続いたんで・・・」
とりあえず弁解しとく。
クーラー取り付けが終わると
手土産と二日分の着替えを持って
渋々家族の待つ県外へと車を走らせる。高速3時間程の距離
時間はかかるけどインターで休み休み
走る。
高速に入ると馬が必ず現れる
しかし前田家の領地を離れると
あの世の、前田家の使用人の人達が
車から離れた。
🐎が緩やかに走りを止めた。
霊の人には私が前田家の嫁には
なれない事が分かったんだろうか?
さすが・・・💦
「社長、梅園さんがお見えに
なりました。」
「通して。」
しばらくするとスーツ姿の木之本部長
と・・・」
「あー社長、お久しぶりです。
ご無沙汰しております。
あのぉー御用と聞きましたが・・・」
「ああ、いやーあの紺藤さんは?」
「ꉂꉂあははは
社長の方がご存知でしょう。」
すると一緒に来た男の社員 らしき男が
「なんか急に実家で用事がある
らしくて、なんでしょうね
遂に、先輩お見合いとかー
ꉂꉂアハハハ」
「(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…
城崎黙れ‼」
木之本は城崎をジロリ。
「…それは
ホントか?」
社長はパッと振り向きサーッと顔
が青くなった。
「な、訳ありませんって!
何かあったんでしょう。
余計な事言うなよ城崎‼(✧"✧」
木之本部長はオマエ黙っテロみたいな
顔をして一緒に来た社員城崎を睨んだ
「は?はい‼
冗談です、すみません。」
城崎は意味わからずとりあえず
謝った。
社長は急に立ち上がり
ウロウロ、ウロウロ
落ち着かない様子。
城崎は細い体を俺によりかからせて
「どうしたんですかね?
落ち着かないタイプですかね?」
と能天気‼
コイツに、社長の彼女が夏歌だと
話したら社員全員バレだ‼
鈍い奴で助かった。
それでなくても夏歌の彼氏は
何者だと噂をよんでいる。
デパートで見たと言う奴もいて
コレ又女子社員の噂の華だ‼
わざわざデパート迄見に来る
女子社員もいるらしいし・・・💦
「社長・・・それで御用とは?」
「いやハッハッハ!!別に、
落雁食べたかった
だけで・・・彼女に会いたい
理由じゃないし・・・
何処に行ったか知りたい理由でも
ないんですよ。ハハハハ💦」
「そ、そうですよね。 '`'`'`
と思って御用意してきました。
どうぞ・・・
彼女さんの好きな栗まんじゅうも
入ってます。」
「ああ、いや・・・ドーモ。」
一将は木之本部長に聞きたい
夏歌は何処へ行ったのだと‼
「では、私達は・ハハハ
ハハハ…ではこれで・・・」
の後、城崎は言っては行けない一言を
放つ。
「いやぁ今日は、お見合い日和
ですねー
コレで紺藤先輩も、人妻ですか‼
ニャハハハハハハ!!!!
めでたし、めでたし。」
や、やめろ城崎・・・お前・・・⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎
俺は城崎をボンボン押して
社長室を出た。
ドアを閉める時よろめいた社長が
見えた。
(あ、あ)
城崎の放った一言が社長にグサリと
刺さったのは間違いない。
社長と夏歌は又喧嘩したんだな‼
謝るに謝れない男のつまらない
プライドが邪魔をしているのだろう。
あの社長が爪を噛みウロウロしている
姿なんて初めてだ。
「部長な〜んスっかね?
落雁食べたいなら店舗に行けば
売ってますよねー
太幸の社長って変わってますね。」
ケラケラと笑う城崎を横目に
一人で来れば良かったと
後悔する。
その夜
「部長、時間外すみませんが・・・」
いきなり太幸の社長から連絡があった。
妻の真紀が心配そうに俺を見た。
「ああ、大丈夫、仕事のミスじゃない、
多分夏歌の事だよ。
ちょっと出てくる。」
「え、どうして夏歌が出て来るの?」
妻の真紀は可愛がってた夏歌の名前
が出た事を不審に思っていた。
「夏歌?何かやらかした?」
サラサラとした髪を切るか切らないか
悩んでいたはずの真紀は鏡を見る
のを止めて木之本の元へと
近づいてきた。
「実は・・・」
事の有様を真紀に話した。
真紀は夏歌の2つ上の先輩で
夏歌も慕っていた。
「えーっ山田翔馬と別れてたの?」
「よく分からないけど・・・
翔馬は振られた?って噂だけど
前から浮気していたらしい。
総務の谷崎優里とデキていたから
夏歌が振ったってウワサは聞いて
いたんだよ。」
「へぇー夏歌やるね!」
「だけどなぁー又社長を振ったんかな?
社長落ち込んでて
俺にSOS出して来てるんだ。
ん〜?ヨチヨチ」
ポコっポコッ❤
お腹の子供も返事をする。
妊娠8ヶ月の真紀のお腹は
赤ちゃんの動きがよくわかる。
俺は大事な我が子をナデナデ❤
お腹がポコンポコン盛り上がる。
真紀はお腹を撫でて
「夏歌はいい子だよ。
きっと・・・何かあったはず。
頭もいいしモテるしね。」
「へぇーそうなのか?
知らなかった。」
俺は真紀のお腹を撫で撫でしながら
呟いた。
「うふふ
夏歌はもてるわよ。
社長もボャボャしてたら
持ってかれちゃうかもよ。」
「えっ、ヤバイぞ‼
会社の存続に関わるぞ‼
こうしちゃおれん‼
社長のとこ行って来る。」
「あーああ、待って待って‼
貴方も考えなしで動くな‼
とまれ‼」
「私が夏歌の気持ちを、聞いて
見るから・・・」
そう言うと真紀は夏歌にラインした。
「夏歌、元気?何してる?」
「先輩、お久しぶりです!
今さっき実家つきました。
3時間かかる距離を4時間かけて
あー疲れましたよ。」
「あらら、おつかれさま。
クルマ乗れたの?
ペーパーだとばかり思ってたよ。
“あ、聞いたよ“
夏歌、山田と別れたんだって?」
「あ・・・
巨乳に負けました。
何と・・・翔馬は乳目当てで
浮気してたんですよ。
まあいいですけどね。
次にできた彼も、浮気三昧な
サイテーな奴で、しかも元カノと
浮気ですよ。
ヤバくないですか‼
こっちも別れましたけどね。
ꉂꉂァ,、'`」
「ふ〜ん、ドンマイ夏歌‼
で、なんで実家にいるの?」
「挙式が決まったんですよ
向こうの家族と顔合わせ
するんです。」
「えーっ
急過ぎない!」
「ですよね‼
あ‼呼ばれてるから行きますね。
また連絡します。」
「ああ、おめでとう。⤵︎ ⤵︎」
・・・
「・・・どうする?誠二」
スピーカーで聞いていた
木之本誠二の顔から血の気がひいた。
「お、おお‼
真紀お前は何も考え無くていい
心配するな! な‼」
「;ア、ハハハハ…
おめでたい事じゃないか・・・
・・・だ。大丈夫ー大丈夫だよ。
今の話じゃ社長に女いたって
だろ・・・
社長が悪いんだから仕方ないよな‼」
「そう、そうだよ。
うん。夏歌は悪くないよ!」
「社長に知らせて来る、な‼
社長も反省するべきだし・・・」
そう言って携帯を握りしめ誠二は
都内のマンションをでた。
溢れる汗を拭きながら、冷や汗と
生汗と暑さのせいの汗を
ミックスさせて・・・。
まだ会社にいると言う
社長、前田一将の元へ俺は、
車を走らせた。
社長は、未だ社長室にいた。
突然現れた俺に!ビックリ
しながらも、ハァーフウと溜息を着いて
何か考えている様だった。
社長自ら自慢の珈琲を入れてくれて
俺は社長が浮気をしたのか確かめる
為、話を聞いた。
聞いたんだが、話は違っていた。
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