第12話 大人な二人

おはよう。今日は土曜日、

梅園事務職本社は休み。


だいたいおばあちゃん家に行くのが

毎週から月2に変更になった。


原因は、そう一将が休み取れないから

月2は何とか頑張って取ってくれる。


やはり一人では高速には乗せない

と言う無駄な変なポリシー

があるみたいだ。


コポコポ朝からコーヒーの良い香り

選りすぐったお高いお豆さんを

ゴリゴリゴリゴリガリガリ


二人分の珈琲を入れてくれる。

芳醇な香りは、気分を落ち付かせて

くれるけど、夏歌は紅茶派


黒黒とした珈琲は・・ん?珈琲苦手。


然し、ワイシャツを着て足を組

珈琲を飲む一将は♡︎♡︎

ステキ‼


大人、朝はパンとサラダとヨーグルト

オシャレな朝食を召し上がる一将の横で、握り飯と味噌汁、卵焼き

に、ガブリと噛み付く私。


お育ちのちがいか?

日本人なら🌾米‼ 🍞は、おやつ感覚にしか扱えない私。


断然米派


握り飯をパクパクとパクつく私を見て

時々フッププ と笑うのを

見た。


「社長御迎えに参りました。」


インターホンからの艶っポイ声につい

パネルを覗いてしまう。


一将の優秀な秘書さんだ。


デパートで何回か会った事がある。

黒のスーツにセミロング

スプレーシュッシュッシュッ

付いた虫でも追い払うような

厳しい仕打ち‼


桜ブラウンの髪が綺麗な28歳ぐらい?


「大人雰囲気ムンムン」




「おーっと、夏歌に見とれてたら

こんな時間か?」


バタバタと背広を着て髪を撫で付ける

夏歌をチラッと見て頭をなでなで

「ちゃんと買って来るからな!

いい子にしてるんだぞ。」

チュッ


握り飯食う姿をプププ

と笑っていたくせに

見とれてるなんて良く言うワ‼

ムカック‼


バタンとしまったドアを

123456とかぞえ数分待って

エレベーターへと向う。


一将の乗ったエレベーターとは別の

エレベーターで降りて行く。

お‼一将発見‼

意外と早く見つけた。



コッソリ後をつけると車のドアを

開けて立っている美人秘書‼。


「社長おはようございます。」


「おはよう茉莉奈。」


「エッ、下の名前、しかも呼

び捨て‼」


軽い疑問と衝撃を受けた。

こっそりと観葉植物の間から二人の

様子を覗いていた夏歌は

一将が彼女の肩を抱いて車に乗り込んだのを見た‼

し、しかも秘書の運転ではなく一将

自ら運転して出て行った。



コレはゆゆしき問題‼

夏歌を溺愛していると思い込ませ

実は・・・二股かい?


いやいや私を一将の実家や御先祖様

のお気に入りだから仕方無く感も

無くは無くない?


マンションを掃除しながら頭に

浮かぶのは・・・


「おはよう。

茉莉奈‼」


一将の声が頭の中でリフレイン。

金、土、日は夏歌がマンションに

居座る!


しかし他の曜日は一将は・・・

何してるんだ?

考えた事も無かった・・・。


こりゃ調べる必要が有る。

浮気?どっちが浮気相手・・・

下手すると私が浮気相手かも知んない。

フムフム調べる必要があるな‼



夏歌は、花柄のワンピースに

クルクル巻き毛をアイロンで伸ばし

丸いメガネをかけ、気付けば

デパートに来ていた。


一将は本社出勤、でも必ず昼休みは

デパートに来るはず。


夏歌が休みの日には必ず、

売り切れ御免の、季節のロールケーキを、お土産に買って来るのだ。


地下へ降りようとエスカレーター

に乗ろうとしたら・・・


いた!


エレベーターから一将が降りて来た

ベッタリと張り付く様に秘書の

茉莉奈も登場


遠目に見える二人はお似合いの

恋人風・・・💦

敗けた・ ビエーン




┣¨キ┣¨キ、┣¨キ┣¨キ

ついエスカレーターの後ろの

マネキンに隠れてしまった。


一将がエスカレーターに乗った

その4、5人後に夏歌も乗った。


一将も秘書も真っ直ぐガトーアンリ

の店舗へとスタスタスタスタ

と歩いていく。




ガラスケースの前にたつと秘書と

コソコソ‼

超密着‼


夏歌が近くで、妖しげな様子で

何買うのか覗き込むと!


珈琲ゼリーを2つ

シュークリームを一箱

夏歌の好きな季節のロールケーキ

限定品をお買い上げ。


大きめの袋を一将が持ち、

コーヒーが美味いと、評判のカフェ

の店内へと二人仲良く入って

行った。



呆然


木之本部長と、距離間がどーの

こーの‼言ってたくせに

お前は どーかい!と言いたくなる。

めっちゃ至近距離なんですけどっ‼


気持ちがフワフワしてる間に

二人は夏歌の視界から消えた。



ハッ!!そうだ、そうだと

我に返り二人の後を追う。

しょぼくれてる場合じゃない!


一将の後ろの席に運良く、スタンバイ

二人はお喋りに夢中で

気付かない様子‼


「一将、今日はダメなの?」


「うん、人が来ているんだよ。」


「だれ?」


「友達だ‼」


「じゃあ遅くなっていいか

確認してみて、明日もいらっしゃるなら多少遅くなってもいいんじゃない?」


一将は電話をかけて来た。


ヤバイ、猫踏んじゃったが店内に

流れたが当然カフェの音楽にかき消され事なきをえる。


┣¨‡┣¨‡┣“キ┣“キ





夏歌はホッと胸を撫で下ろした。


「今日帰り遅くなる。」


「ご飯は?」


「食べて来るよ!先に寝てて。」


「そんな遅いの?

一将に会いに来た意味無くない

おばあちゃんちに行っても、

良かったじゃん。」


「ごめんって、ロールケーキ買って

来たからさ、機嫌なおせよ。」


ブチッ!


「どうだって?」


「うん、いいってサ」

↷えーっんな事言ってない。

しかもブチ切り?)


夏歌は二人の席の真後ろで

チョコレートパフェをパクつきながら

👂をたてる。




「友達は、男のひと?」


「エッ‼」

一将はニヤケながら珈琲をズズズー


「なわけ無いか?女か?」

茉莉奈は呆れ顔で一将を見た。



「・・・まあね、知り合いだ‼

バーちゃんのアハハハハ」


「何だ、そうなの‼アハハハハ誤解

しちゃった。

又浮気女引っ張りこんで遊んでる

かと思っちゃった。」



「な、訳あるか!

俺は美波と、別れたし・・・

今はフリー‼」


「ꉂꉂあはははそうだったね。

今はフリーだったね。」



「は?」

夏歌は👂を疑った

今、一将はフリーと言ってなかったか?

彼女いないってこと

だぁ⤴━━━━な‼


ん?じゃ私なんなん?

彼女じゃなかったんか━━い‼


茉莉奈は仕事はキチンとしてる

それは認める。

会話だって、一将とは一線を引い

ている。


茉莉奈は仕事と、プライベートは

キッチリ分ける派?

だから・・・プライベートは?

こんな感じなのか?


shock

こんなに仲が良かったとは、

知らなんだ‼



「う・・・確かに嘘じゃない‼

一将は嘘を言って居ない‼

バーちゃんと私は知り合いだ‼


しかし、イイとは言ってない‼

ぜーったい言わない‼


しかし人がいる時は敬語で二人の

時は普通に喋ってる・・・

しかも一将と呼び捨て?

二人の関係って・・・恋人?

じゃあ私はストック?スペア

いやいやいや自転車の鍵かよ。」


ウーン


ンー

夏歌は暫く考えた・・・

まだ決まった訳じない。

一将が嘘つく分けない!なんたつて

私には前田家、御先祖様がバック

についてるし、

うんうん前田家が・・・アレ


向こうから明らかに待ち合わせ

したと思われる人物が現れた。


「やぁ茉莉奈ちゃん。」


茉莉奈ちゃん⤴?

背が高く、少し白髪がチラチラ

涼しい目をした一将によく似た

男性、現、前田家当主‼前田一輝

そう

紛れもなく一将の父親‼

彼女には、

現、前田家・・・がついてるの?

御先祖、前田家とどっちが・・・上??


どんな関係?


三人は品良く、かっこよく大人・・・

握り飯なんか出てこない。

テーブルには、ステーキ?&サラダ

サンドイッチ‼


そこには、回りが うっとりする程

大人な世界が広がっていた。



「茉莉奈って・・・何者?

秘書以外‼」



日付を跨いだ頃一将は帰って来た

カサカサと音がする。

パタン、きっと冷蔵庫にロールケーキ

を、入れたんだろう。


こっそり起きて冷蔵庫の中を見ると

白い箱に包まれたガトーアンリの

リボン。

箱事冷たい。

と言うことは何処かの冷蔵庫に入って

いた事になる。


長ソファの上には無造作に脱ぎ捨てられたワイシャツとネクタイ


ネクタイからは甘ったるい香水の香り

横には、水色だと分かりにくいハズ

なのに、クッキリと襟元に

赤い口紅の痕、わざとだ、あの人が

つけたのか、私へのメッセージ?


☆一将の女はあんたじゃないのよ

アンタは一将の浮気女つまり

遊びなのよ。


ꉂꉂあはははꉂꉂあははは

そんな笑い声が聞こえそう。


水色のシャツにピッタリと着いた口紅はそう言っていた。


た、確かめねば・・・

遊びで付き合ってるなんて

許さないんだから💥💢💥プンスカ!



一将がベッドに入って来た時、夏歌は

上はキャミソールにパンツ一丁

普段の一将なら飛びついて来るはず

しかし

夏歌の、おしりをパチン


「風邪ひくぞ、扁桃腺弱いんだし!」

ゴソゴソと、一将の短パンを取り出して来て夏歌に着せてきた。


「あー済ませて来たんだー

夏歌は終わったと思った。


一将は速攻でグースーピー

布団に入りながら寝た様子‼

どんだけ頑張って来たんだ⤵︎⤵︎⤵︎

このまま泊まって来ればいいのに

なんで帰ってくるのか?


気を使ってくれてるのか?

私に?




「おはよう☀なーっか」


「おはようございます。」


「ん?何だ?遅かったから

拗ねてんのか?」


一将は何時もの様に後ろから抱きしめてキスをしてくるが

フッ夏歌は一将の顔をかわした。


「どーしたんだ夏歌‼」


夏歌は一言も喋らず、あてつけの

インスタント珈琲をDON!

スーパーの、80円の売り出しのパンのミミをBON、まん丸のレタスをDEN

赤いうまそーな🥕ポイッ‼

マヨネーズ添‼


そっぽ向いて、熱いお茶をズズズー


「せめて・・・カットしてくれヨ💢‼」


(*˘^˘*,,)ぷいッ「知らない‼

自分でやれ‼ ドン、ハイどーぞ‼」

テーブルに包丁をグサリ


「社長御迎えに参りました。」


パネルを覗かなくても誰か分かる。


「ああ、すぐ行く!

カフェに寄って朝飯食べて行くから

茉莉奈、君も一緒にどう。

すぐ行くから待っててくれ。」


ワイシャッ姿の一将は

当てつけがましく茉莉奈を誘った。



「はい❤

喜んで‼」


上着をパサパサと2回振り着用

一将は身嗜みを整え、髪を撫で付け


鏡を覗き込みネクタイをクイックイ


夏歌は一将の身支度を何も手伝わない!


どーせ秘書殿がやってくれるの

だろうし・・・


無言で玄関に向かう一将に

わざとらしく、声をかける。




「あ‼ 一将、彼女に伝えて、口紅落とすの大変だから、ワイシャツには

つけるな!って━━━━━ナッ‼💢

お前、洗ってみろよってな!」


夏歌はワイシャッをつまんで💋

を👉指さす!ココ、ココ



「は?」

一将はキョドりながら夏歌を見た。



(✧"✧)

「そう言えばわかるんじゃない?

アンタも心当たり🎯あるでしょう。」



「な、夏歌、ああのなに?ハハハハハ

なんか誤解してるよな‼

君が怒った理由は

分かった。でも違う‼」


夏歌はプイッと素っ気なく

寝室に入って行った。


💢



「トントン夏歌、夏歌ちゃーん。」

一将はドアをちょっと開けて

🥕をボリボリ、


夏歌ロールケーキ食べてなーボリボリ

夏歌好きだろーな、な‼🥕ボリボリ」


「早く仕事イケーツ‼💥💢💥

あんな女と買いに行った

ロールケーキなんか食うか💥💢💥‼

アホ

一将が食えよ‼ シュークリームは?

珈琲ゼリーは?

誰の胃袋に入ったんだよっ‼

バカにするな‼


な、何が朝飯だよ‼ あの人と

仲良く食ってろー

馬鹿アー‼」



「え、ええっー

な、なんで知ってるの?

いたの?

見てたのか?」


一将は携帯を取り出して

「ごめん🥕ボリボリ、茉莉奈ちょっと

待ってて・・・。」


そう言うと、パンのミミと

丸ごとレタスをバリバリと食べて

完食した。


「夏歌、ご馳走様、明日はせめて

トマトとキューりとハムが入った

サラダがいいかな〜


まん丸サラダは、美味かったけど

野菜はカットして欲しいナー。

行って来るよ。

後片付け頼んだぞ‼」


バタンと軽い音を合図に夏歌は布団

から飛び起きてダイニングキッチン

へと走って行った。


皿の上のパンのミミは綺麗に

無くなりレタスも皿にマヨネーズが

こばりついてレタスの真だけ

残っていた。


真も美味いのに、夏歌はマヨネーズ

をチュチュっと絞って

レタスの真にON

ボリボリ

全く金持ちは贅沢なんだから


ビーバーのような立派な歯を

キラリと光らせた。


冷めたインスタントコーヒーも

カップだけが残っていた。



「・・・でも、食べたのかよ?

兎と、鶏の餌メニュー」


夏歌は、なんか一将の気持ちが

訳分からず

途方に暮れていた。


嫌がらせで冷蔵庫から引っ張り

出しテーブルに思いつきで並べた

餌みたいなもんだ‼


「なんで食べるんだ?」

彼女とのカフェでbreakfastの

約束があるのに・・・。

これも嫌がらせか?



こんな事で許すもんか‼」

明日は🐷さんメニューだ‼


明日はパンの耳みたいな豪華な

やつじゃない!


パン粉、パン粉、パンこ‼

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