第11話 一将の溺愛



それから月曜日、夏歌も一将も

都内に戻っていた。


今日は梅園と太幸デパートとの

契約を結ぶ事になっていた。


木之本部長と、夏歌は連れ立って

太幸デパートへやって来た。

今度は社長室に通されて

待遇上がった感じ?


社長は、相変わらず忙しそうで

約束の時間オーバー

ドタバタと美人秘書を伴い駆け

込んで来た。


「いやはや、すみません

ちょっと会議が長引いてしまって

・・・💦」


パサササーと脱ぎ捨てた上着を秘書が

キャッチ


相変わらず阿吽の呼吸かい?

怪しくないかい?


ウチの社長はポンポコリンのタヌキ体型、

イケメンでも無くカッコよくも

無い。

普通の親父‼


しかし一将は・・・💦

イケメン、ハイスペ、💸持ち‼


う〜んアレは

デキてるとしか思えない?

いやいや、ヤキモチか?


夏歌は頭を捻っていた。


(。≖ˇωˇ≖​。)ジー


疑えば切りが無い‼

怪しいとこだらけっけ‼


秘書さんは一将の後ろに立ちPEN

とも言わず一将が手を出すとパッPEN


印鑑とも言わないのにパッ印鑑

ティッシュをすかさず用意して

一将の手から使用済みの印鑑を

受取っていた。


一言も喋らず・・・

顔を見る訳でも無く、一将が必要

とする事をサササとこなして行く!


部長はいつも全部1人で済ませるのに・・・

このくらい、“自分でやれよ“



社長と部長のちがいか?

鼻につくったらありゃしない。




「では、部長、契約書にサイン

お願い しま す。」


秘書さんは木之本部長を見て

ニッコリ


夏歌も彼女を、見習いPENをスッ


「あ、💦あ、ありがとう。」

戸惑う部長を見ながらニッコリ

微笑む夏歌。


サラサラサラ

夏歌は部長の右隣に置かれた印鑑

をスタンバイ


サインの終わりを見届けると

左手を出しPENを受け取り

透かさず印鑑をスッ



「あ?は?ああ、ありがとう。」


なんか居心地の悪さを感じた部長の

事など気にするでも無く‼


透かさずティッシュを用意して

用済みの印鑑をフキフキ

常に秘書さんを見習いマシタ。


「社長?社長?どうされました?」

一将は秘書茉莉奈の声にハッとした。


「えっとー‼紺藤さんって

おっしゃいましたよね(−_−#)💢‼」


「はい?」

夏歌は一将の不機嫌さに違和感を

感じていた。


ジローっと見つめる眼差し。

足を組んだ不機嫌さは何?


「木之本部長と、

ちょっと(`✧ω✧´)くっつき、

過ぎ、じゃありませんかね💢

三密守らないと‼」


「ああ、っとすみません。」

部長はパッと夏歌から離れた。


「君、椅子を一つ持って来て」


「は・・・はい。分かりました社長。」


秘書の彼女はキチッとしていて

従業員に椅子を用意するように

告げた。

なんか変な雰囲気に空気が・・・


「あ、ちょっと失礼します。」

夏歌は席を立ちパタパタと会議室

を飛び出した。


直ぐ、ラインを開き一将に送る


「あ、木之本部長チョット

失礼しま す。」


一将は、携帯のLIN〇に気づき、済まなそうに席を立った。



「ああ、はい…どうぞ

お気になさらず。💦」

部長はいつものおおらかさで

ニッコリ。


一将は窓際へ行きラインを開いた。

夏歌からのラインだった。


木之本はお茶をすすりチラチラ

社長と消えた夏歌を気にしていた。


一将は飛び込んできた文字にイラッ

「ちょっと一将、何ヤキモチ妬いて

みぐるしいわよ。」


「煩い、イチャイチャするからだ」


「は?隣に座っただけじゃん。

それにオタクの秘書さんを見習った

だけ━━━━━━━━‼(⊙👅⊙)」


「煩い、気分悪いんだよ

俺からの眺めが見苦しいんだ‼

ペッタンコにくっつきやがって‼

俺は夏歌が男といるのが許せん‼

浮気に繋がる赤信号だ‼」


「は?仕事じゃん。


アンタも私からの眺めが

みぐるしいのヨ‼

それにペッタンコじゃないよ。

ちゃんと距離あるし、それに

木之本部長は先輩のダンナだって

言ったじゃん。」


さっきの美人秘書とは何でも

ないのかな?


一将のヤキモチを感じながら

少しホッとした自分がいた。



「 私、好きなのは一将だけだし!

浮気なんか一切しない。

一将にワタシがどんな気持ちか

知って欲しかったの‼

一将も同じ事してたじゃん。

一将が良くて部長は駄目なの?

アンタも反省シロ‼」」



「そ、そうか‼

そう言えば?そうかも

💦ゴメン、気をつけるよ。」


「ホント?一将大好き❤

約束だかんね。

気をつけてね、ね‼❤」

と念を押す。



・・・・・・( ⸝⸝⸝•_•⸝⸝⸝ 夏歌)♡︎♡︎

「・・・俺も‼大好き❤」



・・・・・・「バカ❤」


「・・・契約書、書くんだろ

直ぐ戻ってこい。」



「もう部長が書いたじゃん。」


ヤレヤレ!困った恋人だ・・・

最近一将の扱い方が分かってきた。

好き好き言って置けば安心するみたいで、

勿論好きなのは本当。


しかしヤキモチが酷くて手を妬いて

ややこしい。


まあ私の場合はアンテナ張って無いと

イケメン、金持ち、ハイスペック

この三拍子が揃った彼氏なんだから

危ない危ない◤◢◤◢

気を抜けない!

秘書にも厳しい目を向けるのは

当たり前‼


決してヤキモチじゃない‼

防護線張っとかないと!


夏歌は又タタタと駆け出し社長室に

戻った。


「すみません、お待たせしました。」

戻って来た夏歌を見て木之本部長は

ホッとしていた。


椅子は必要以上に用意されて

呆れてしまった。


夏歌は、木之本部長から離れて

座った。


一将を見ると、なんにも無かった

ような顔をして部長と雑談をしていた。


「じゃあ来週から商品を

入れさせて貰います。」


「僕は梅園のお得意さんなんです

梅園の和菓子落雁が大好きなんです。」


「ああ、聞きましたよ。

コレ社長にお土産です。」


「オーありがとうございます。

帰って、愛する彼女とチラ

∵ゞ\\(OωOlll) ブハッ!!!!

(夏歌はお茶を噴射)


頂きますよ。(๑ ิټ ิ)ヘヘッチラリッ‼。


ああ、それから彼女は、

栗まんじゅうが大好きなんですよ。」


「あーそうですか?

後で届けますね。

彼女さんにも喜んで貰えたら

嬉しいです。‘`,、 ‘`,、’`,、」



木之本部長は、

ブッ(;: ⊙ 3⊙;)・;゙.:’;、と吹き

出した夏歌を睨んで

๑汚いぞ!社長の前なのに💢๑

と小声で叱った。


スイマソ-ン



「では、私達は失礼します。」


契約書の、サイン捺印を確かめ

ると部長は一将に挨拶をした。


気のせいか秘書さんは夏歌をあまり

歓迎していないようだ。


時々( `ᾥ´ )キッとした顔を

みせる。





シュッシュッシュッシュッシュッシュ美人秘書さんはスプレーで夏歌のいた回りを消毒していた。

💦チョッチSHOCK


この御時世仕方ないにしても

帰った後でとか、せめてドアから

出た後とか・・・


社長をバイ菌から守る為か?

ちょっと嫌味っポクない?


一将はそれを見ても普通にしている。

一将とは、夜一緒に寝てるし

出がけにチュッチュチュッ

してるのに消毒スプレーしても

一緒一緒‼




夏歌は一将を振り返り振り返り

木之本部長と距離間を置いて

デパートを後にした。


「社長、男女の付き合いに

厳しいのかな?メッチャ厳しく

ないか?」


木之本部長は不思議そうに聞いてくる。

「💦さあ、社風があるからじゃ

ないですかね。^^;」


「それにあの秘書・・・💦

美人だけど・・・💦

俺の事睨んでたし・・・💦」


「はぁ?、まあ・・・

ですね。

誰睨んでたか分かりませんけど

多分部長じゃないと思いますヨ

確かに、やな感じですね。」



オット、デパートを出ただけで

安心はしたらいけない。


バスに乗るまでは油断ならん。

夏歌は自分に言い聞かせ、部長と

距離をもって歩いた。


窓から双眼鏡で二人を見ていた

一将は・・・

「やっと、理解したみたいだな‼」

そう言うと梅園の紙袋を眺めながら、夏歌にラインを送る。


「今日は説教する‼

仕事終わり次第にマンションへ

来い。」

送信


「へ、何が説教だ・・・。」


月末のせいもあり残業で会社を

出るのは20:00時を回っていた。

一将からの着信が大量に来ていて

び、っ、く、りヒエエエエー!!

説教という名のニャンニャン

こんな日は何回求められるやら

嫌いじゃないから、ま、イイカ!!

o-maiga-ltu





「ただいま〜❤

一将遅くなっちゃつたー❤」


わざと甘ったるい声でごきげんとり


オッ❤ヤタ──────♪

テーブルには名店一太の鰻が二人分

置いてあった。


まあ、かなり遅い時間だから部屋は

電気プッチン。

外からの明かりで部屋の中は

良く見えていた。


街で偶然友達にバッタリ

つい立ち話・・・。

女の子の立ち話はついつい長くなる。


「あーヤバいヤバい

拗ねてる!これは時間がかかりそう。」


こういう時は寝室に潜っているハズ‼


お風呂に入り、鰻の吸い物を、チン

鰻二人分、チン


多分一将は私が鰻好きなのを知って

喜ぶ顔を見たさに買ってきたのだろう。


「悪い事しちゃったなぁ〜」


寝室のドアを開けると布団が

コンモリ!


「ただいま‼

ごめん遅くなった。」


「ああ・・・そ‼」

素っ気ない返事が布団の中からくぐも

った声がする。


「鰻、美味しそう、ありがとう。

一将だいすきーぃ。」


「お、おう。」

声がだいぶ聞き取り安くなった。


「一将、一将・・・顔みたいなー

イケメンな一将のカオ❤

眠たいの?」


「いや、もう寝たから起きる‼」


毛布を剥ぐ、一将を見て

夏歌は🌟ヨッシャ🌟

心でガッツポーズ‼チョロイチョロイ


いきなり、後ろから抱きしめられて

濃厚キス。



「私又スプレーされるよ‼

アンタの秘書に!!」


「あ、あれはいっもの事、

なんだぁ?気にしていたのか?」


「べ、別に気にした訳じゃないけど

彼女一将のなに?」



「何って?

秘書だよ?」


「だけ?」


「なんだぁ、嬉しいけど

ヤキモチか?💋チュッ」


ガバッ‼一将は回した手でしっかりと

抱きしめて


「クスッ夏歌のヤキモチ初めて

見た‼」

と熱い息をかけながら呟いて来た。

発情期特有のハアハアハアハア



「め、飯食ってから∈(゚∈鰻💦

あるじゃん。」


「うるさい‼」


ついに、一将は我慢出来ず

ニャンニャンニャン突入‼

アレアレアレーエ∈(゚◎゚)∋〜

ウナギ💦鰻は?


「今日はお仕置きって言ったろう。」

(˘³˘)♥チュッ


なかなか解放して貰えなくて


せっかくの鰻が冷めてしまった。

うぅぅぅ∈(゚◎゚)∋食いてー

早く∈(゚◎゚)∋食いてー


「煩い!‼鰻は何時でも食える。」


「はら、腹、腹が減って性欲も

湧かねーんだよーぉ‼

腹一杯鰻くわせろぉー」



一将の溺愛は本物だ

こんなしつこく愛されたのは初めて。

性格ねちっこいのか?


あんまり怒らせないようにしょう。

夏歌は小さな決心をした。






ただいま、当然飛びついて迎えてくれる ・・と思って鰻抱えて

ルンルンスキップで帰って

来たのに・・・


部屋は真っ黒‼

( °◃◦)マジかー‼


ま、直ぐ帰って来るだろう。

風呂に入って、待つか‼


七時、まあ忙しいからな!

八時、まぁそろそろかな‼

九時、まあもう帰るだろ‼

十時・・

十一時( ✧Д✧) カッカ!!💥💢💥

コレ以上遅いなら許さーん‼


そう夏歌は一将の許さーん領域

迄きたのだろう。


朝まで許して貰えなかった。

足腰が砕ける程の愛って、何も

出来なくなる。


∈(゚◎゚)∋ちゃんにありつけたのは

AM2:00それでも一太の∈(゚◎゚)∋は

美味しかった。


腹ごしらえして又飛びつかれた。

クタクタじゃん。

残業して、それでもクタクタだった

のに、一将のせいで

(´×ω×`)グッタリ💦クタクタ

どころの話じゃないฅ

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