第10話 22代目、前田家当主里帰り。
「おい、運転代わる。
今から俺が毎回連れて行くから・・・」
「エッ‼ 何言ってんのー
慣れてるから大丈夫だって‼
落ち着いてよ。」
「駄目‼
よくも俺を誑かして
悩ませやがったなポカッ」
「(+。+)イテッ!」
そう俺は夏歌に彼氏が出来たと
思っていた。
金曜日の夜から月曜日の朝まで
夏歌はアパートを留守にしていた。
まさか俺のばーちゃんちに
行ってお泊まりして月曜日は、その
まま出勤していたとは
思わなかった。
なんて野郎だ。
ウチのばーちゃんに良く似て来た。
行動のみで動く‼
夏歌は人の話も聞かず
有無も言わさずビューン急発進
夏歌は高速へと向かって🚘
走る。
「┣“キ┣“キ┣¨‡┣¨‡ヒ~~~\=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/
寄りすぎ寄りすぎ真ん中寄り過ぎ
バカバカヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ
俺見なくていい!
前、前、前見ろ、前‼」
夏歌はスッカリ、プロドライバー気分‼
「大丈夫、私には御先祖様が
ついてくれてるもん。安心安心‼
一将、ビビんなよー♬
ヒャッホー快適快適ー♪♩」
そうあれはつい先日の事
襖を開けに呼ばれた日。
まだ高速に不慣れな夏歌は、
オズオズと1番左に入った。
あまりに空いていたから調子
こいて、つい右に入ってしまった。
するとトラックに追い越され
「やべ〜トラック‼」
左に戻ろうとした時
又トラックが前を走り後ろに、お高そうな高級車、遥かにヤバいと思われる、
体にタトウーのびっしり描かれた
こわもての男、二、三人に、挟まれた。
ヤバヤバヤバ車を飛ばすにも前には
トラック‼
横にはヤバい兄ちゃん。
煽られたらどうしよう。
思わず携帯をにぎりしめた。
すると暫く、ニヤついて付いて
きた車の男達は青い顔をして、
超スピードを
上げて逃げて言った。
・・・・・・・・・その訳は?
「おい、前、女だぜ!
オー1人じやねーか?
並べ、」
「おっ可愛い。
俺のタイプ‼ あそこに追い込んで
誘うぞ。」
パカパカパカパカ
「ん?なんだ?なんの音?」
音は次第に激しくなり、
勢いを増した赤い軽自動車の
後ろを、馬が一頭
「ウワッ、危ねー🐎だ‼」
少しスピードを落とすと二頭、三頭
最後は軽自動車が見えなくなる程の
馬が現れた。
「な、なんで高速に🐎が現れ
るんだよ!」
「み、見てみろ‼ アレ
🐎に足ねーぞ!」
「前田家の嫁様にぃー手ぉ
だあすぅなー
祟るぞぉー」
野太い声にヒ~~~\=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/ガタガタ
ヒ~~~\=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/ガタガタ」
オシッコチビル。
馬百頭はそのまま、侍人を乗せて
天に走り去って行った。
らしい・・・後で聞いた話。
やっと左に入れる右はトラックが
ビューンビューン
すると後ろからパトカーが
ワンワン音を鳴らしやって来た。
夏歌の右をスピードを上げて
走り去っていった。
猛スピードで走り去って行くパトカー
は猛スピードの高級車を捕らえて
いた。
タトウーの兄ちゃん達は遥かに
百越えで走ってたらしく
警察に捕まっていた。
がたがたブルブル警官にしがみつき
訳の分からない事を叫んでいた。
夏歌の車が通ると
「あ、あの女、あの女👉
🐎が🐎🐎ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ」
「お前薬やってんのか?」
警官が検査する為ガタガタ震える
三人を連れてパトカーに乗せようと
した時
夏歌の車も停止
「🐎みましたか?」
警官の質問に、夏歌はキョトンとしてへ?
「違う、俺ら聞いたんだ
前田家の嫁に手を出すと
祟るぞーって‼」
「お前達、この人に
何かする気だったのか」
「えーえっ違う違う‼ ヤバイ」
何人かの警察官は色々と尋問
していた。が1人の警官が
「この辺は江戸時代から
前田家の荷物の通り道だったらしい。
広い領地を抱えていて、人々は
前田家をそりゃ大事に思っていた
と聞いた。
あながち、嘘では無いかもな!」
「エッ・・・
そうなんですかぁー
ꉂꉂアハハハ
私今から前田家に行く
途中何ですよ。」
エッ・・・
そこにいた全員、普通の鳥肌では無く
大きめの鳥肌が経ち全身をゾワン
と寒気が駆け抜けた。
「では、失礼します。」
夏歌がニコニコして車に乗ると
馬が三頭現れ夏歌の車を護衛する
様に並んで走っていた。
勿論足は・・・・・・
警察官も、タトウーの兄ちゃんも
((😨))😰😨😵😨😰😱ブルブル
この人数で見たのだから白昼夢
では無い。
まだ前田家の健在ぶりを、死後の
使用人もアピールしたかったの
だろうか?
Daydream、じゃじゃじゃーん‼
とんだエンターテイメントだ‼
「って事があったの‼
だから安心して。
多分今も一緒に走ってくれてる
ハズよ。」
「嘘だろ!
んなわけあるか‼ 馬鹿馬鹿しい‼」
「嘘じゃないよ!
前田家の御先祖様にも会ったもん。
みんな凄ーくいい人達だよ。
庄屋三代続かずって言うけど
前田家は違うね。
代々当主がいい人なんだよ。
だから死んでもみんな前田家が
発展する様に守ってくれている。」
アハハハハꉂꉂあははは
「夏歌あー、頭やられてんな‼
かなり、ヤバいレベルだぞ‼」
「嘘じゃないもん。
一将のおじいちゃんが打った蕎麦
ご馳走してくれたし・・・」
「は?ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)あははは蕎麦?・・・
何処で何処で食べた?
ジーちゃんとうの昔に亡くなってるぞ‼
ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)あははは」
「え、あの先の森の近くだけど
凄い古いけど立派なお家で
広ーい庭があって沢山の人が
働いていたわよ。」
「え‼あはぁ〜
ハハハハ…マジ?
あの森の☝️うえ?」
大笑いしていた一将の顔が一瞬
白くなった!
そう高速降りるのが近くなると
前田家の領地だ‼
あの森の・・・上は
すっかり大人しくなった一将
高速を下りると緩やかな道が広がる。
コンビニに寄って珈琲とピーチ水
を買いポテチをボリバリ噛みながら
一息ついた。
それから運転を一将が変わり
あの森の中へ車を進めた。
夏歌が何も言わなくても
一将は迷いもせず、慣れた道を行く
ように上へ上へ登ると
だだっ広い空き地が現れた。
井戸があり田畑が荒れて何となく
屋敷跡が残っていた。
「ああ、ここかも、確か此処にピアノがあって蓄音機があって、あれ?
このテーブル」
蔦が巻いて青草に
埋もれていたが間違いなく
蕎麦を食べたテーブルだった。
「マジかよww」
一将はうんこ座りをして頭をグルグル
かいていた。
「その話が本当として、
こんな蔦の巻いたテーブルの
何処に座ったんだ?」
「ん?この辺かな?」
夏歌は真ん中の凹んだ所を
指さした。
「あ・・・」
一将は(;๏д๏)ハッ!「ここ?」
「うん。ココ」
「一将、お前の嫁さんには
曾爺ちゃんの蕎麦を食べさせるから
可愛い嫁さん連れてこいな。
とびきり美味い蕎麦をご馳走しょう。
みーんなで待っとるぞ‼
たのしみじゃ〜」
「うん、曾ジーちゃん連れてくる。
そしたらここに座らせて
僕の席のとなりだよ。
やくそくだからね、必ずだよ。」
夏歌の指さしたココは、
曾ジーちゃんに俺が頼んだ場所だった。
「ああ・・・
曾ジーちゃんは一将との
約束は守るよ。
大事な大事な曾孫じゃからなぁ
ハハハハハ」
そう言った。
それから曾爺さんが亡くなって
しばらくして家を建て直した。
時代が変わって、下の土地の方が
都合が良くなつたからだ。
江戸時代にあった場所に
又、平成になり家は建て替えれた。
木材を切り倒したり
運んだりした明治時代から
明治、大正、昭和、平成を経て
活躍した前田家の財政。
今は不動産、デパート、家具
と商売が変わって行った。
当主の代替わりと一緒に時代の
流れに乗って行った。
又一将の時代はIT業も取り入れて
又前田家は又時代と共に新しく
動きだしていた。
一将は蔦が巻いた雨ざらしで
ボロボロのテーブルを見て、泣いて
いた。
「どうした?一将‼」
振り向くと曾ジーちゃんがニコニコ
して立っていた。
「曾ジーちゃん、曾ジーちゃん」
「おいおい、俺よりデカくなった癖に
泣き虫は変わらないな‼
お前は良く泣いていたなハハハハハ」
「曾ジーちゃん。」
曾ジーちゃんはニコニコしながら
夏歌を見て又ニコニコしながら
消えて行った。
「へえ泣き虫だったんだァ…」
「夏歌も見えたのか?」
ウンウンと頷くと
「おじいちゃん、一将に似てる。
私おじいちゃんにも会ったよ。」
「そうか・・・似てたか‼」
「うん。」
一将はポタポタと涙を落とした。
夏歌は一将の涙が消えるまで
黙ったまま傍にいた。
懐かしい人との再会は突然で
愛されていた事を忘れていた
一将は遠い昔を懐かしんで泣いて
いたのだろう。
一将に取って短い再開は
名残惜しく寂しいものなのだろう。
それは曾お祖父さんも同じだった
と思う。
自分に昔と変わらぬ愛情を感じ
有難く、嬉しい・・・
一将は初めて前田家を継いで
行こうかと考えていた。
前田家はこの土地には無くてはならない、又仕事してくれる人達にも
愛され、必要とされなければ
前田家の本当の当主とは認められない
そんな人生を背負って見るのも
自分に課せられた課題かも知れない。
今迄儲けることだけ考えて来たが
そうじゃないんだなぁ
一将は広い明治時代の名残
が残る屋敷跡を眺めながら
涙は止まらなかった。
夏歌はそんな一将を見ながら
首を捻っていた。
『皆さんお揃いなのに一将には
見えないのかなぁ?』
夏歌の前には沢山の労働者が立ち尽くし、拍手をしたり、ペコペコ頭を
下げたり皆さんニコニコしている。
きっと一将の決心が届いて
喜んでくれているのだろう。
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