6話滅んだ旧大都市の流れる川は水道管から来てます

あの日から一週間、スク水から戻されて三目俺…健全に生きてます。



そう思いながら日差しを見上げてるリュウカ

手にはフライパン、背中にはリュックサック紐で吊るした水筒を肩からかける。

今回の目的地は、この流れている川の上流目指して歩こう的な計画である。

どこから流れてるのか、気になった次第であり、こう一息を内心で思うリュウカ。



フライパンは最強説あり、常備していても文句はない品物だ。

それと片道は大変だなぁ…股幅が広くないから時間かかる…。



後ろから遅れて、とてとてと走るレイナ…躓く段差すらないのにコケた。



「レイナ…コケるところじゃないよ」

「うん、分かってるよ。なんでかなぁ…よくあるんだよね〜」



無自覚レイナである

ドジっ子の基本が備わってる。

今日は晴天、日差しはそこそこ強い

日付が無い世界だから、だいたい一ヶ月と言っている。

「だいたい」付いてないじゃん? って思うそこの貴方…途中で追加されたので理解してくれ

さて、今日はレイナと川が流れてる上流へと向かって歩いた。



歩くと浴びるマイナスイオンと吸う空気は澄んでいく、以前住んでいたあっちの世界とは大違い。

流石、レベル1世界…発展も人も居ないだけあり六歳時には少しキツい瓦礫を上り、レイナの力合わせて辿り着いた目的地。


旧大都市の上流…水が吹き上がっていた。

ドバドバッ! っと音を鳴らして空に向かって上がり、水面に着地して細かい水飛沫を上げる。

そんな近い場所じゃないのに、冷たい空気が全身を包み込む。落ちる水から発生する風が吹いてリュウかとレナの体の暑さを癒す。



「こうしてみると、本当…終わった世界なんだなって実感するよね」

「ですよねー、自分は前は令嬢だったからこんな所には行けなかったです」



囲い令嬢か…自由が束縛されるアレか

行動などが常に監視されてるのか…

故に自由を求めるとしたら…やはり異世界転生推進者なんだろうな。

そして俺はレイナに尋ねる



「レイナは死ぬ前は何してたんだ?」

「…稽古に勉強してたの。みんな見たく自由を与えられなくて…結構孤高よ」



そしてレイナもリュウカに尋ねる


「リュウカさんは死ぬ前何してたんですか?」

「俺は…学校で勉強してたよ」



そっと黒歴史書の存在を言わなかった

だって恥ずかしいだろ?



それから周りを探索すると

廃車並にボロボロに錆びたバス一台

ちょっとした段差の上にあった

そのバスは、ボロボロの道路に置かれる様に

剥き出しの地と一体化して朽ちていた。



「ホントすごいなここ…。人類滅亡してどれくらい経つんだろうな」



旧大都市は自然と一体化してる

信号機は傾き、蛍光灯は錆びたまま路頭にその時代の面影を残すかのように聳え立つ。

道路は水道管破裂で吹きでた水により冠水して。船がなきゃ横断不可能で鉄道橋は線路から滲み出た錆を外壁に垂らし流す。

そのちょうどいい位置に電車一台錆びて朽ちている…そんな光景を眺めてるリュウカ。

すると、レイナが手を振りながら走った来る



「リュウカーー!!」

「レイナ、走んなよコケーー」



言い切る前にコケたレイナ

そのまま、リュウカに飛びつくように激突する


「えへへっ」

「えへへじゃないけど…どうした?」

「なんか拾ったのこれ」



手渡された一冊の古ぼけたノート

なんだろうこれ? っと思いノートを開く

そこに書かれているのは…日記だ



『色んなものを作った…しかし何故か幼女と巨乳アンドロイド作れぬ。何故だ? 何故なんだと…、俺はある結論に辿り着く…実物を見た方が早いと…ぐへへっ。おっとヨダレ、欲望スキル―――強すぎるだろひゃっほい』



リュウカはページをめくった

次の文はこう書かれていた



『とうとう見てやったぞ!! ひゃほ――!!これでようやく欲望が…違う、そうじゃない開発はどこに行った――!! って思ったけど、これ作れたらすごくいいよね…うんうん。今度触りたくなるわけだけど…はぁはぁはぁ…おっと理性が―――』



リュウカはその本を閉じた

そしてこう思った



やべぇやつが書いてる日記だこれ

見ちゃいけない本だったかもしれない

しかも、後半エロい文脈だこれ。


俺は静かにその本を投げた

虚空を回転しながら、川に落ちる



「リュウカさん?」

「レイナは見ちゃいけない本だった」

「え?」

「ものすごく変態なノート」

「えっと…はわわ…」



言葉もないレイナは、ただ顔に手を添えて恥ずかしそうに下をみいていた。


俺は何故か凛々しい顔に…なんだろうか…

この気持ち悪さを感じた文を見たのはいつ以来だろうか…?


とりあえず今日の事は忘れて、キャンプする



近くにあった無残務像にあった錆びたバケツを手に取り、流れる川から水を組み、焚き火を起こしてる持ってきた鍋に水を入れた

さてフライパンは何故使わないのか?

決まっている、武器専用だからだ。

その鍋に入れた水が、沸騰してきたので具材が入ったボールを見ると…すっからかんであるリュウカは具材を探し出す。


切った食材を―――アレ?


川からバシャバシャと水が跳ねる音がする。

リュウカは見に行くと、レイナは両手で野菜ボウルを手に持ち川で泳いでいた。


あー、なるほど水浴びか…

幸せな笑みをするリュウカはやがて…

真顔となり、左鼻から鼻血を流した



「色んな意味で透けるだろうが!!」



鼻血を流してるので説得力無し

俺はレイナを助けるために川に入る


結構冷たいが…あれ?

溺れるぐらい深くない…水位は膝ぐらいだ。

レイナを見ると、何やら転げてる

ふむふむアレか…ドジっ子スキルが発動されて無限に転ぶ条件は川の中か、ふむレイナをずーっと見ていたけどな…。



「リュウカしゃん――助けて―――!」

「ハイハイたすけますよ―――」



リュウカはバシャバシャと走りながら

レイナの手を握り立ち上がらせる

服はズブ濡れだが…残念透けてない



「ほら。いくよレイナ」

「う、うん…」



レイナの手を引いてリュウカは流れる川を探して見つけた階段から陸に上がる



「ふぅ…」

「六歳だと色々大変だよね…」

「そうだよね…あれ野菜は?」

「えーと…流れちゃいましたね…」

「今日は空腹で凌ぐの?」



するとボウルの中に跳ねるものがある

レイナは片手に持ったまま歩いていた時にたまたま二匹の魚が入っていた。



「リュウカこれは!」

「あぁ、やったな!」



これはラッキーだな、ドジっ子なのにラッキーガールか…運強いのかな?

まぁ、魚は有難く頂こう

リュウカとレイナはお互いに笑いあった。



そして、黄昏時が過ぎて夜となる

焚き火をしながら空を見上げた

星空で…散りばめられた光は以前住んでいた場所とは桁違いだ



「自然っていいなぁ…」

「ですねー、このままこうしてたいね」


俺はこのまま女の子ではいたくないけどな

たださ、レイナの反応どうなるんだろうな

魚を串刺しにして、焚き火で焼いてる

両面焼けたら、レイナに一匹手渡す

レイナはそれを受け取りハムハムと食べる


「美味い…!」


目を輝かせてやがる…いいねこれ

可愛いよなぁ…

とかとか思ってると、手を滑らせて焚き火にレイナは投げてしまう。


「あ…」

「ったく、ほら」


俺はレイナに俺の焼き魚を向けた

だが、レイナはこういった


「んー…私の分は炭になったから要らないけど、ねぇ半分に分けない?」

「いいのか?」

「うん、君にも食べてもらいたいの」

「そっか、ありがとう」


その魚を皿の上に置き、レイナはナイフで半分に分けた。


レイナは優しい子だった…

それと比べたら俺は…って思ったけど結論的には変わりはない。


一緒に食べて、寝床はそのバスの車内でレイナとリュウカは背中合わせで一緒に眠ったのだった―――。

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