第14話 俺の背中で飛んで淫れる


(遊子視点)


 ハルキの背中が胸の先に当たった瞬間。


 電光石火のひらめきが私の全身を駆け巡った。


 このまま胸を当て続ければ、すごい量の精力を摂取できると思ったのだ。


 しかも『むね♡』から。


(これは試さずにはいれないよねっ!)


 案の定、ハルキがとってもキツそうだったので、私は思い切ってそのアイデアを実行してみることに。


「もっと頑張れるように……こうしてあげる♡」


 耳元で甘く囁きつつ……ぽよんっ。


 すると――。


「ふっ、ふおおおおおー!」


 はぁんっ!♡


 やっぱりハルキはスケベだ。


 私の胸の感触で、そんなにみなぎっちゃって!


 言っておくけど、これはあくまでもトレーニング。


 スケベなことでは全然ないんだから。


 そもそも女の人のおっぱいは、赤ちゃんを育てるための器官だよ?


 それでどうして、やる気が出るのか、遊子にはさっぱりわからないんだから。


「はぁぁああ……すっ!」


「あっ!♡」


 ハルキが息を吸うと同時に、背中のお肉がビクンッと跳ねる。


 燃えるように熱くなった筋肉から、とめどなく精力が溢れ出てくる。


「あああっ♡」


 や、やばい……!


 昨日のスクワットに勝るとも劣らないじゃないこれ!


 むしろ、効かせている筋肉から直接流れ込んでくる分、濃縮無還元な特濃エキスがドクドクと……!


「す、すごいよっ!♡ 刺激入ってりゅううぅ!♡」


 私は、全身を駆け巡る甘美なパトスに打ち震えながら、ハルキのトレーニングを応援した。


「いまなら空も飛べるよおおー!♡」


 むしろ私がねー!



 * * *



(春木視点)



 吸って吐いて、吸って吐いて!


――カシャーン! カシャーン!


 俺の動きにあわせて上下動するウェイト。


 そして――。


「あっ!♡ ああんっ!♡」


 幼馴染の変な声……。


 俺の精神を鼓舞しているのか……それとも淫しているのか。


 良くわからないが、とにかく俺はトレーニングに集中する!


――カシャーン! カシャーン!


「ふ、ふおおおおっ!」


 あ、あかん! 流石にもう限界だ!


 バーが全然下がらなくなった!


 背中にビキビキと、ペンチでむしるような激痛が走り、まさに筋肉が悲鳴を上げている!


「ぐううううー!!?」


 ぶっちゃけ、遊子の胸の感触もわからない!


 あるのは、あとこの一回を引き切りたいという願いだけだ!


「が、頑張れ!♡ はぁはぁ! もう少しなのおおー!♡」 


「うがあああああー!?」


 た、確かにもう少しなんだ!


 もう少しで俺は、なりたい自分になれそうなんだっ!


「うう! うぐううう!!!」


 目をきつく閉じ、歯を食いしばる。


 全身の筋肉に力が入り、目尻から涙がちょちょぎれてくる!


「ここが踏ん張りどころだハルキ君! もう少しで飛べるっ!」


 ナオミさんも、意味はよくわからないが応援してくれている!


 きっとここが、飛ぶか落ちるかの分かれ目なのだ!


 一生ヘタレのままか、もしくは這い上がるか、その分岐点が今ここにあるぅ!


「ふ、ふおおおおおー!!」


「ああああーん!♡」


 幼馴染も、そんな俺を全力で応援してくれて……いる?


 ま、まさに一心同体!?


 俺は遊子とともに空を飛翔するイメージを爆発させ、最後の力を振り絞った!


「うおおお! とっっっべえええええー!!」


「はああん! とんじゃぅううううー!!♡」


――ガショーン!


 そして遂に、本日のトレーニングは完成するぅ!


「素晴らしい! よくやった2人とも!」


「はぁ! はぁ!」


 俺は、そのままゆっくりとバーを戻す。


 それと同時に、後ろで補助についていた遊子が崩れ落ちた。


「は、はにゃあああぁぁ……♡」


「ゆ、遊子!?」


 床にペタリと座り込み、そのまま仰向けに伸びてしまう。


 どうした! 何が起きた!?


「だ、大丈夫か……ぬぐっ!?」


 だが、背中がねじ切れそうに痛くて、振り向くことすらままならない!


「遊子ちゃんも良く頑張った! いいなぁ、幸せそうだぁ……♡」


 代わりに、ナオミさんがしゃがみこんで様子を見てくれる。


 なんだなんだ?


 応援を頑張りすぎて酸欠にでもなったか!?


「あ、あへええええ……♡ しゅぱっつのにゃかぐしょぐしょお……」


「そりゃあ、あんなに露骨に吸ったらねぇ……しかも『むね♡』から……はぁはぁ……あたしも今度やってみゆ……♡」


「お、おしゅしゅめぇ、れしゅう……♡」


「…………」


 女の人って、たまに良くわからないな。


 とにかく遊子は、スパッツの中まで汗だくになっているようだ。


 そんなに応援してもらえるなんて、まったく、持つべきものは幼馴染だ。


「う、うう……」


 しかし、背筋に一切の力が入らない……。


 シートに手を付きながら、よろよろと立ち上がる。


「あらあらー」


「あっ」


 そこにマミさんがやってきた。


 頬が赤らみ、どことなく魅惑的な表情をされているが……。


「こんなに幼馴染をグッショグショにしちゃって……♡」


 と言って唇に指をあて、目を細めて俺をジッと見てくる。


 ドキッ!


 胸の鼓動が急激に高まり、妙な危機感を覚えてしまう。


「ハルキ君ったら、イケナイんだっ♡」


「えっ!?」


「はぁはぁ……♡ おっぱいがせなかにまけるとは……♡」


 お、俺は何か……悪いことをしたのか!?


 遊子は、まだ立ち上がれずにいるし……。


 俺はただ、遊子の声援に応えて、トレーニングをやり切っただけなのに!


「いけないんだっ♡」


「いけないんだぁー♡」


「あっへえぇぇ……♡」


「えええーっ!?」


 俺が一体! 何をしたあああああー!?


 それからもしばらく、お姉さん達は俺を見てニヤニヤと笑っていた……。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


だんだん加減がわからなくなってきました(汗)


アウトでしょうか、もっとやれでしょうか。


もし良かったら教えてくださいw


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