遠足プラン 2年生

 私、金ケ崎、寺峰は今度の遠足のプランを考えていた。みんなでわいわい話し合っていると、ぶちょーがが話に入ってきた。


「2年生の遠足はどこに行くんだ?」


「江戸遺跡公園です」


「へえー、遺跡見学か。いいなあ」


「いえ、江戸遺跡という人がオーナーの公園で、遺跡ではないです」


「紛らわしい」


「最近できて、遊園地、動物園、アスレチックなどが色々入てる場所なので、どこ行くか迷うんですよねー」


 そういうわけでかれこれ1時間も迷っているのだ。


「ねー!ジョーと永田はどこ行くの?」


 寺峰がうめえ棒ケチャップ味を食べている二人に聞いた。

 二人はキリッとした顔で答える。


「ゲーセンに入り浸るに決まってんだろ?」


「ゲームができるなら、それ以外……ない」


 格好良く言っているがこの二人、うめえ棒のケチャップが口の周りにたっぷりとついていて全然キマってない。

 私が自分の口を指差して伝えると、二人は決まり悪そうに口を拭った。


「女子はどうするんだよ?」


「それが、意見が割れて決まらないんだ」


「どんなふうに?」


 ぶちょーが聞き、金ケ崎が答えた。


「私は、アスレチックやスポーツランドに行きたいと思っているのだが……」


「やめとけ、鮎川と寺峰が死ぬぞ」


「はい、だから私達は行きたくないんです」


 男三人はわかる、と目で共感した。


「あと、私は昆虫の森に行きたいんですけど……」


「寺峰が昆虫追いかけて迷子になる未来しか見えないから、却下」


「迷子なんかならないよ!」


「「「「絶対になるだろ」」」」


 キレーにハモりました。


「捜索隊の仕事が増えるだけだ、自重しろ」


 金ケ崎が言うと、寺峰はぶすっと頬を膨らませた。


「鮎川はどこ行きたいんだよ」


「私は別に……お昼ごはんに名物の江戸遺跡ラーメンを食べたいってくらいです」


「これは全会一致で決定事項です」


「ジョー……僕らも食べに行こう……」


「おう」


 男子の昼食も決まったようだ。


「あー、どうしよう、遠足明日なのに全然決まらないよー!」


「明日?雨だぞ?」


 皆の視線が一斉にぶちょーに向く。ぶちょーがスマホで天気予報を見せる。


「降水確率95%」


 一同、絶句。しばらくの静寂の後に、寺峰が明るい声で言った。


「大丈夫!5%の確率で、晴れる!」


 結果、雨でした。



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