第4話 〖レーナの手料理〗

よーし!完成!ジャジャーンッ

外はサクサク中身はジュワッとジューシー、ふわとろの卵でとじた、そう"カツ丼"!

やっぱりお肉だよね。

何肉かわからなかったけど、とりあえず大丈夫かな、これで

お皿に盛る前にギルドマスターに声をかける

「ご飯が出来ましたよ〜」

『すぐいく』

ドア越しに声をかけてすぐさまキッチンへと戻る

熱々なお米の上にカツと卵とじをフワッと乗せて、テーブルへと運んでいく

ギルドマスター『おお、いい匂いだな』

「そうでしょう!そうでしょう!これくらいで足ります?」

ギルドマスター『ああ、レーナはこれだけで足りるのか?』

「まだ6歳ですしそんなに入りません」

そう、2人分作ったのはいいがまだ私の体は成長途中にも満たないから胃袋も小さいわけで沢山食べれる気がしない

「では、いただきます!」

ギルドマスター『いやぁ、しかし初めて見る料理だなあ』

「そうなんですか?」

ギルドマスター『ああ、って、うめぇ!なんだこの、サクサクとしたものは!』

「パン粉をまぶしてきつね色になるまであげてるんです」

ギルドマスター『あげる?なにをだ?』


あれ?ここでは揚げ物ってものがないのかな…?

「油の中に食材をぶっ込むんです」

ごめんなさい、簡潔に言い過ぎてて。

ギルドマスター『ぶっ込めばこんなサクサクになるのか』

「まあ、下味とかもしなきゃならないですけど、まぁそんな感じです」

ギルドマスター『これなら毎日作ってもらうってのいいな』

「まぁ、伊達に高校生してなかったんで」

ギルドマスター『こーこーせー?なんだ?それは』

「あっ、いや、何もないです」


ギルドマスター『15歳になるまで冒険者になるための力をつけるといい』

「でもどこですれば…」

ギルドマスター『訓練所があるからそこですればいい』

「訓練所…ですか」

ギルドマスター『ああ、あそこなら攻撃魔法使っても大丈夫だからな』

「な、ならそこに行きたいです!」

ギルドマスター『いいだろう、食べ終わったら行こうか』


「食器洗いますよ」

ギルドマスター『おう、頼む』

魔導具の蛇口からでる水は凄くて

衛生面がよくてびっくりした

日本にいる頃は普通だったけど外国ではそうじゃない所があるって聞いてたから…

ここは外国のように蛇口の水が飲めない環境じゃないのか


「よし、洗い終わりました!」

ギルドマスター『じゃあ、行くとするか』

「はい!!」

割と離れたところに訓練場はあって、ここの面積全てギルドマスターの土地?と思ったらゾッとする


というか、ギルドマスターの名前聞いてないな

「あの、お名前伺ってもいいですか」

ギルドマスター『あ?言ってなかったか?アルグレド・マーカンだ』

「アルグレドさん」

アルグレド『まぁ親しいやつらはアルと呼んだりするな』

「アルグレドさんって呼ばせてもらっていいですか」

アルグレド『まぁ、いいがよ、ならご飯の支度するまで練習しな』

「はい!何から何までありがとうございます」


アルグレド『思ったんだけどよ、何でお前さんはそんなに敬語が話せるんだ?習ったのか?』

「い、いえ、あっ、大人の見様見真似です」

アルグレド『ああ、そういうことか、余りにも可愛げがねぇからな』

「…何気に酷いことをおっしゃいますね」

アルグレド『だから、敬語は要らねぇってんだよ』

「いいんですか…?」

アルグレド『俺以外に誰に許可がいるんだよ逆によ』

「いらないです」

アルグレド『敬語はやめろ、冒険者になるならな』

「…わかった」


アルグレド『なら俺は仕事に戻る』

「は、あっ、わかった」

さーて、何の魔法から始めようか。

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