第2話 〖ギルドマスターと風呂問題〗
ギルドマスター『てめぇか、嬢ちゃん』
「…はい?」
ギルドマスター『冒険者になりてぇってんのは』
「はいそうです」
ギルドマスター『冒険者は成人したやつしかなれねぇんだよ』
「でも、それじゃあ…」
ギルドマスター『お前さんは家事はできるか?』
「…家事?」
えっ、と首を傾ける
ギルドマスター『お前さんは学校を出ていないだろうからまず学べ』
「そっ、それどころじゃないんです!お金が無いから」
ギルドマスター『だから、俺が面倒見てやるって言ってんだろ』
「…え?」
ギルドマスター『成人するまで見てやるからそこから冒険者や何かすればいい』
…え、すっごいお金かかるんだよ、ね?
「えっと、つまり学費も出してくれるっていうんですか?」
ギルドマスター『ああ、俺はお金には困ってねぇからな』
「…ああ、えっと、じゃあよろしくお願いします?」
ギルドマスター『まあ働く気がないやつは置いておこうと思わんからな、お前さんに家事をやってもらう』
「家事すれば学校に通わせてもらえると…?」
ギルドマスター『ああ、ご飯も住む部屋も服だって学校だって行かせてやる』
凄いいい人に出会ってしまったな、こりゃ
「えっと、成人するまでよろしくお願いします」
ギルドマスター『お前さん名前はなんて言うんだ』
名前、ど、どうしよ、適当に、
「レーナ・チュラトスです」
ギルドマスター『なら、レーナこっちに来い』
なんだよ、チュラトスって。
レーナは、麗奈を少し変形させただけだけど
ギルドマスター『ここが空いてる部屋だったから好きに使え』
「あ、ありがとうございます!」
ギルドマスター『んでだ、ここを出て右隣の所がキッチンだからそこで俺とお前のご飯の用意、そしてキッチンの隣の部屋がふろ場だ』
ギルドマスター『幼児向けの服なんて俺にはねぇから俺の服着ろ、上服一枚貸してやる』
「はい」
ギルドマスター『まぁ、風呂から上がったら俺の部屋に来い、この通路の一番奥、見えるか?』
「あのドアですか?」
ギルドマスター『そうだ、あれが俺の部屋だからそこに来い色々教えることがあるからよ』
服とタオルを貸してもらってよくよく思えば、下着なくない?
えーっと、どうすればいいの?
仮にも中身、高校生なんだけど…
服と一緒に洗濯したいのに、どうすれば…
コンコン
『すまねぇ、下着ねぇよな、今、ルリィに買いに行かせてるから入ってろ、棚に置いておくようにしとくから』
ルリィさん…パシリにされとる…
「わかりました!」
風呂場は普通じゃ買えないような広さで、私がいた日本で使ってた風呂場よりも4倍近くあるよ…ね
こっわ、あの人こっわ、さすがお金持ち宣言してただけあるわ
風呂に入って数分、あることに気づく
文字が読めない
なにこれ、これシャンプー?どっち?ボディーソープ?コンディショナーなくない?
ガラガラ、と脱衣所で音がする
「あ!!あの!えっと、ルリィさん居てますか!」
『え?あ、はい何でしょう』
「も、文字が見えなくて髪の毛洗う方と体を洗う方の区別がつかなくて」
ルリィ『あけても大丈夫ですか?』
「はい!」
ルリィ『ごめんね、えっと、あなたの目の前にあるのが頭を洗う物でその右横にあるものが体を洗う方よ』
「ありがとうございます…助かりました…」
ルリィ『下着置いておいたから使ってね』
「何から何までありがとうございます」
ルリィ『では、戻りますね〜』
すごい美人さんだった…
まだ現実味のない異世界のことを考えながら風呂をあとにした
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