第2話 IFの未来

朝起きてまずカーテンを開ける。

朝日が起きたばかりの身体を心地よく温めてくれる。

今日は休日だ。朝食を準備する為キッチンに向かう。

あまり朝は量を食べないのでトースト2枚とスープ、コーヒーを用意する。そして彼を起こしに行く。

彼は朝弱いらしい、一緒になってから知った事だ。私はそんな彼の寝顔を見るのが毎朝のルーティンになっている。

普段仕事では真面目でキリッとしている彼からは想像出来ないくらいの緩んだ寝顔、それがとても可愛く愛おしい。

何時迄も見ている訳にはいかないので寝顔を堪能した所で起こす。

一緒に過ごすようになってからほぼ毎日繰り返してはいるけど、これは何時迄も飽きないだろう。

彼が起きておはようと声をかけてくれる。それに私もおはようと返事をする。

まだ少し意識がはっきりしていないのか少しふにゃっとしたおはようだった。

あぁ、とても可愛い。

彼に朝食が出来ている事を伝えると有難うと言ってくれて、顔を洗いに行く。

私はそれを見送り、食卓へ向かう。

二人で少し遅めの朝食を取りお互いの今日の予定を話す。

今日私は友人と遊びに行く。彼は仕事の残りを片付けるとの事で午前中だけ出勤する様だった。

夕食は彼が用意してくれるとの事で友人とゆっくり遊んできなと言ってくれた。そう言われたが夕方には帰ってくるので、一緒に夕食は用意しようと言う話になった。

彼はやっぱり優しい。嬉しさから頬がだらし無く緩む。そしてそれを見た彼も笑顔になる。

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「結月ちゃーん!」

そう集合場所で声をかけてきたのは灰田ちゃんだ。相変わらず元気そうだ。

「今日は待ちに待ったあの日だね!」

そう、今日は彼女と一緒に新作のスイーツを出すお店に行こうと以前から約束をしていてこれから行く所なのだ。

「今日は一杯食べるぞー!」

「新作のスイーツだもんね!」

「今日はタルトでしょー、それにケーキ、プリン、チョコレート...とにかく色々食べるよ!」

「それじゃあ早速行こう!」

「おー!」

そう言って駆け出した。


店内は少し混んでいたが、あまり待たず席に座れた。

灰田ちゃんは新作のスイーツを先ずは4つほどとって来た。私も一番人気のスイーツと共に新作も取った。

「すっごく美味しい!このパンケーキとってもふわふわしてて、口の中で溶ける!シロップも甘過ぎず丁度良くて幾らでも食べれそう!」

彼女は頬を綻ばせながら食レポをする。

私も新作のスイーツを口に運びその美味しさにびっくりした。

「本当だ!すっごく美味しい!」

二人でお代わりを繰り返しながら新作スイーツに舌鼓を打ち、満足した所で紅茶を飲みながら最近の事を話始めた。


「〜でね!とっても美味しかったの!」

「私も今度行ってみようかな...」

「だったら一緒に行こうよ!シェフが色々新作も作ってくれるって言ってたし!」

「良いの!?やった!」

「そう言えば話は変わるんだけど、旦那さんとは最近どうなの?」

紅茶をむせそうになった。

「だ、旦那さんってまだだよ!」

「へぇ...“まだ”ね...」

失敗した。完全に墓穴を掘ったが、もう時既に遅かった。

「良いなー、ラブラブな様で」

悪戯っぽく笑う。恥ずかしくて何も言い返せない。

「ね!どこまで進んでるの?」

根掘り葉掘り聞いて来ようとするが、答えれない。答えれる訳がない。

「いいじゃーん、減るもんじゃないし!」

「いーやーでーすー、言ーわーなーいー」

「でも”まだ”って事はする予定あるんだよねぇ?」

「うぅ...」

どう返答しても彼女に勝てる気がしない。

「うりうりー、さっさと白状しなさーい」

「いーやーだー!」

そんな会話ばっかりしてたらいつのまにか時間がだいぶ過ぎていた。

「あ!やっばい!夕飯作らないと!...あ」

彼女のがすっごいニマニマしながらこっちを見る。

「いやー、本当に奥さんしてるねぇ」

「うぅ...」

恥ずかしい、今穴があったら入りたい。

「私の方は新作のスイーツ一緒に食べれたから大丈夫だよ、旦那さんの所に行ってきな!」

「ごめんね、有難う!」

そう言って私は自分の代金だけ置いて帰った。


急いで帰宅した。

彼は始める所だったのかエプロンを準備していた。

「ごめんなさい!遅れました!」

「お帰り。構わないさ、楽しかったんだろう?」

「今準備しますね!」

そう言って荷物を置いて一緒に夕食の準備を始めた

「今日は何を作ります?」

「今日は鳥が余ってたから照り焼きにでもするか?」

「良いですね!作りましょう!」

楽しい時間が過ぎて行く。

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「ほら、コーヒーだ」

「有難う御座います」

食後テレビを見ながらコーヒー飲む。

二人並んでソファに座ってたが、ちょっと甘えたくなったので彼の膝に頭を乗せる。膝枕だ。

彼は何も言わず頭を撫でてくれた。それだけでとても嬉しい。

彼を見上げるとこっちを見ながら微笑んでいた。

「お互いの好きな所挙げるゲ〜ム」

そんな事を唐突に言う。

「じゃあ、私から言いますね。優しい、撫でてくれる、褒めてくれる、抱きしめてくれる、お帰りって言ってくれる、いつも側にいてくれる」

そう言って自分で顔が赤くなってるのが分かる。

「じゃあ俺の番だな。笑顔が素敵、可愛い、愛くるしい、綺麗、抱きついてくる所、誘い受けな所、甘えん坊な所、大好きってずっと耳元で言ってくれる所....」

彼の言葉が止まらない。恥ずかし過ぎて自分の顔から火が出そうな位に暑くなっているのがわかる。

「もうやめましょう、はいやめ」

「そうやって自分で言っておきながら恥ずかしくなったらやめようって言ってくる所だろー」

「うー!うー!」

「そうやってペチペチ叩いてくる所だろ、俺の事好きな所だろ」

何を言っても彼の言葉は止まらない。

もうやめて、いや本当に、恥ずかし過ぎて色々やばいから。

「そうやって私を辱めて楽しいんですか!馬鹿!」

「自業自得だろ」

そう軽く笑って言う。

「いや、だって何時もムードも何も無いんですから...」

「ムードねぇ...」

「もうちょっとスマートに言って下さいよー。真面目な所見てみたいです」

「ちょっとここ座りな」

そう言って彼は膝に座る様促して来た。

「?分かりました」













「ほんっっとうにそれはズルいです。いきなり真面目に口説くってズルいです」

「何時もこんなんだったら飽きるだろ?ここぞって時以外はしないさ」

「飽きる訳無いじゃないですか、えへへへへ...。恥ずかしがり屋なんですから...」

「うるせーやい」

「そんなに口説いてるともーっと好きになりますよ?責任取ってくれないと困りますからね?」

「安心しろ、最後まで一緒にいてやるから」



「大好きです」

「あぁ、俺もだ」

そう言って二人で一緒に笑う

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