【番外編】3姉妹、小児インフルエンザに罹患する
「うにゃあ…」
「にゃあ〜」
「うなあ」
神様が大きめの籠を持ち帰った。
中をのぞくと子猫が1匹、子ライオンが2匹。
「業務時間に体調不良のテフヌトが目の前で子供化したんだ。間違いなく小児インフルエンザだと診断されてね、3人で同居しているから濃厚接触者でしょう。心配になって見に行ったら子供化したバステトとセクメトを見つけちゃって…猫科と犬科ではウイルスの型が違うからルイス君とカレンちゃんには移らないから連れて帰っちゃった」
「俺、寝床を整えてくる」
「私はインターネット通販で経口補水液とゼリー飲料とフルーツを買うね」
購入したフルーツを子猫たちが食べやすい大きさにカットして経口補水液とゼリー飲料と一緒に持って行ったら3姉妹はスヤスヤ眠っていたので全部アイテムボックスにしまって眠る3姉妹を見守る。
「今日は側で眠ろうね」
「3人とも可愛いねえ」
「小さいな」
子猫も子ライオンも可愛い。
「お邪魔しますよ」
「シモンさん」
「おや、ちょうどよく眠っているようですね」
すやすや眠る3姉妹に手際よく注射を打つシモンさん。起きていたら注射を嫌がって大騒ぎだっただろう。
「3姉妹が病欠なのでフォロー業務があって見守ることができません。副反応が出たら対処をお願いしますね」
そう言ってシモンさんは帰っていった。
3姉妹は何度か目覚めたので欲しがるだけお水を飲ませてフルーツを食べさせると、またすぐに眠ってしまった。
私たちもご飯を食べてお風呂を済ませて3姉妹と同じ部屋で眠った。
「みゃう…」
「水か?ちょっと待て」
深夜、バステトが目覚めると眠っていたはずのルイスが起き上がってバステトを優しく抱き上げて水を飲ませた。
「もういいのか?ゼリー飲料を飲むか?」
バステトがうなずいたのでゼリー飲料を飲ませる。
「ありがとう、もう十分よ」
「私もお水…」
セクメトとテフヌトが次々と目覚めたので水やゼリー飲料、フルーツを与えた。満足した3姉妹を寝かせようとしたルイスが何かに気づいた。
「ちょっと待て」
神様の横でルイスを求めてゴロゴロ転がる子狼のカレンをルイスが抱き上げると、小さなカレンが寝ぼけたままルイスの匂いをかぐ。
「側にいるから心配するな」
「くぅ」
寝ぼけながら返事をしたカレンを片手で抱きながら3姉妹のもとに戻って上掛けをかける。
「寒いとか暑いとかないか?」
「大丈夫よ」
「ちょうど良いわ」
「ありがとうルイス」
「何かあったら夜中でも朝でも呼べよ」
カレンを抱いたまま3姉妹をポンポンする。
その後も3姉妹に何度か起こされたルイスはテキパキと世話をした。その度にルイス狼が側にいないと気づいたカレンが『くぅくぅ』鳴くのでカレン子狼を片手で抱きながら3姉妹の世話をやいた。
ルイスのケアの甲斐があって3姉妹は朝までゆっくり休むことができた。ルイスの子育て経験が役立つ夜だった。
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