【番外編】マッサージ
「カレンちゃん、おいで〜」
小狼の姿で歩き回っていたらセレネさんと
「どうしたの?」
「これ。カレンちゃんにどうかなって」
犬用マッサージグッズを見せられた。
「これでこうするの」
背中をモミモミされた。
「気持ち良い〜」
目が細くなってしまう。
「カレンちゃんは喜んでくれるから良いわ」
「そうね、モニカやルイスじゃ、こうはいかないもの」
モニカ狼やルイス狼は道具やおもちゃを見せると牙をむいて破壊するらしい。
「こんなに気持ち良いのに〜」
私は溶けて垂れた。もう好きにしてくれ。
「犬の肉球にもツボがあるらしいわ」
「背中やお腹や首にもあるらしいわよ」
セレネさんと
「全身ツボだらけじゃないの…」
「遠慮なくモミモミできるわね」
2人にモミモミされて溶けているところにルイス狼がやってきた。
「何をやっているんだ?」
「マッサージよ」
「カレンちゃんは、いつも大人を見上げているから首が凝っててかわいそうね」
「じっくり揉み解してあげるわ」
引き続き2人がかりでモミモミされているとルイス狼がワナワナと震え出した。
「これは犬のマッサージじゃないか」
セレネさんたちが見ていたWebサイトのタイトルを見て怒っているようだ。
「似たようなものでしょう」
「カレンちゃん、気持ちいい?」
「気持ちいい〜」
「ダメだダメだダメだ!俺たちは誇り高い神狼だ。断じてワンちゃんではない!」
ルイス狼がこんなに怒るのは珍しい。
「じゃあルイス、ここにお座り」
誇り高い神狼がちょこんとお座りした。
「首からほぐすわよ」
「私は背中ね」
「あぁ〜…」
2人がかりでモミモミされてルイス狼が溶けた。神狼の誇りは儚かった。
「あら、ルイスは何をしているの?」
通りがかったモニカ狼にマッサージの説明をしたらモニカが怒った。
「私たちは誇り高い神狼よ。ワンちゃんと一緒にしないで!」
モニカ狼がプイっとした。
「じゃあモニカ、ここにお座り」
誇り高い神狼がちょこんとお座りした。
「首からほぐすわよ」
「私は背中ね」
「効くぅ」
2人がかりでモミモミされてモニカ狼が溶けた。
「探したぞ、モニカ。何をしている?」
ヨルにマッサージの説明をしたら怒りだした。
「モニカは誇り高い神狼だ。ワンちゃんなどと一緒にするな」
真っ白いヨルがキリッと怒るとカッコいい。
「じゃあヨル、ここにお座り」
孤高のフェンリルがちょこんとお座りした。
「首からほぐすわよ」
「私は背中ね」
「おふぅ…」
2人がかりでモミモミされてヨルが溶けた。
「我々は断じてワンちゃんではない」
「モミモミが気持ち良いのはセレネたちの神格が高いせいよ」
「フェンリルさえ蕩けさせるとは凄腕だな」
お腹丸出しで犬用マッサージされたことは問題無しと言い切った。アクロバティックな解釈というかエクストリーム解釈というか…無理矢理過ぎる。
「私は犬用マッサージが気に入ったよ。ありがとう、とっても気持ち良かった」
素直じゃない大人たちをスルーして、尻尾を振りながらお礼を言った。
「またモミモミさせてくれる?」
「いいの?お願いします!」
後ろで大人げない大人たちが何か言っていたがスルーだ。
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