第241話 仕入れた醤油と味噌

「あったね!醤油と味噌」

デモ販売は明日だけど仕入れはしたいといって、いろいろみせてもらった中に醤油と味噌があったので買い取った。


「今日は豚肉で生姜焼き、鶏肉で焼き鳥に決まりだね」


 みんなで鳥肉を串に刺した。ルイスとモニカが食べる以上に刺した。余れば作り置きに回せるしアイテムボックスに入れておけば時間経過なしだもんね。

 タレは仕入れたばかりの醤油、みりん、酒、西で仕入れた甜菜糖。塩焼き鳥もリクエストした。レモンで食べるのが好きなんだよね。

 今回は味噌味の焼き鳥も焼いた。仕入れた味噌と醤油、みりん、酒、甜菜糖、おろしニンニク、おろし生姜、はちみつ。ピリ辛も食べたいから少し取り分けてラー油を足そう。

 埼玉の東松山市の味噌ダレ焼き鳥が有名なんだよね、食べに行った時にお店で販売している特性ダレを買って帰ったけど家で焼いても美味しかったな。名古屋方面の人に話したら三重県松阪市にも有名な行列店があるって聞いたな。牛肉のイメージだったから意外だったけど行ってみたかったな。



「たくさん刺したね!」

「さすがに余りそうね」

「俺と姉ちゃんでも食べきれないな!」

 モニカとルイスが嬉しそうだ。


「豚肉も準備出来ているし、そろそろご飯を炊いていくよ。今日は多めに炊くからね」

「ウィルコは分かってるな!」

「今日は食べるわよ」

ルイスとモニカが不敵に笑った。


「じゃあ俺が焼き鳥を炭火で焼いていくな!」

「私は生姜焼きね!」


 ご飯の炊き上がりに合わせて生姜焼きを仕上げ、起こしておいた炭火で焼き鳥を焼いていく。私はサラダの担当だ。トマトサラダに大根サラダに塩ダレきゅうり、お肉の合間に食べると美味しいんだよね。


「ご飯が炊けたよ!」

 ウィルコがご飯を炊いていた土鍋全部を準備用の折りたたみ台に移す。


「生姜焼きもいいわ」

 お腹が空く匂いを漂わせていたモニカが千切りキャベツを敷いた大皿に豚の生姜焼きを乗せる。


「こっちもかなり焼いた。足りなかったら食いながら焼き足していこう」

 焼きあがった焼き鳥を乗せた大皿を持ってルイスが立ち上がった。


 食事用の折りたたみテーブルに全部の料理を乗せるとお店みたいだ。


「すっごく豪華だね、美味しそう!」

「いただきましょう!」

「いただきまーす!」


 ルイスとモニカは焼き鳥に手を伸ばす。私とウィルコはご飯に生姜焼き。


「美味い!」

「タレも塩も味噌も美味しいわね!」


「モニカの生姜焼きも美味しいよ」

「うん、ご飯が進む生姜焼きだね」

「そう?」


 美味い美味い言いながらテーブルに乗せた料理を全部たいらげた。

「食った食った」

「さすがに串に刺し過ぎたわね」

 みんなで刺した焼く前の串がまだたくさん残っている。


「また別の日に食べようよ」

「ああ、でも美味いけど炭を起こすのが大変なんだよなあ」

「でも炭火で焼くと美味しいわ。私も手伝うから次も炭火で焼きましょう」

「そうだな!」


 さて片付けるか…という雰囲気になって周りを見ると村人たちが少し離れたところから、こちらを見ていた。絶対に私たちに用がある感じだ。


「なにかしら?」

美人のモニカが柔らかく話しかける。


「すっごくいい匂いがして…」

「何を食べていたのか気になって…」

よく見れば与平さんと孫次郎さんもいた。


「今日、この村で仕入れた醤油と味噌でお肉を焼いたのよ。美味しかったわ」


「醤油と味噌で!?」

「それで、あんなに美味そうな匂いにはならんだろう…」

 村人たちの眉間に皺が寄る。全然信じてもらえていない。


「じゃあ作ってみせるわ」

「僕、お皿を洗ってくるよ」

「私も」

 調理をモニカとルイスに任せてウィルコと私は皿洗い。お腹いっぱいだからモニカもルイスも余裕がある。


 ウィルコと一緒にお皿を洗っているとモニカとルイス方面が騒ついている。『おおーっ!』って声が多い。ウィルコと目を合わせて笑顔になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る