第219話 タンドリーチキン
シャルワル村の皆さんと一緒にスパイスを採取して、村でとれたスパイスだけでタンドリーチキンを作ることになった。
「まずはチキンを柔らかくするために、すりおろした玉ねぎにカットしたお肉を漬けるわよ」
肉を漬け込んでいる間に村人たちと一緒に採取したスパイスをゴリゴリとすり潰してパウダー状にする。
すりおろした生姜、すりおろしたニンニク、
パプリカパウダー、コリアンダーパウダー、クミンパウダー、ターメリックパウダー、チリパウダー、カルダモンパウダー、塩をヨーグルトに混ぜる。
ちなみにシャルワル村にはヨーグルトとチーズがある。牛よりもヤギの方が多いが牛とヤギのチーズとヨーグルト両方あった。
「このスパイスを混ぜたヨーグルトをチキンに合わせて揉み込む。出来れば一晩くらい漬け込みたいけど今日は3〜4時間くらいだな」
モニカとルイスと村人たちで揉み込む横でウィルコが竈門を組んでいる。全員で焼くなら竈門が足りないもんね。
漬け込んでいる間にルイスも竈門を組んで火を起こした。これだけあれば今日焼く分は間に合いそう。
「じゃあ焼いていくわよ。スパイスを混ぜたヨーグルトを軽くぬぐったら、油を塗ったお鍋やフライパンで焼いていくわよ」
焼いてる側から香ばしい匂いが漂ってお腹が空いてくる。
「すっごくお腹が空く匂いだな…」
「いつもの塩で焼いたお肉と全然違うわ…」
村の皆さんがお腹を押さえて切なそうにお肉を見つめている。
「もういいかしら?焼けたものから食べましょう!」
焼け具合を確認しながらお皿に盛り付け、どんどん村人に渡していく。
「美味い!」
「うちの村で採れたもので、こんなに美味しいものが出来るのね…」
「作り方は覚えたから、また作って食べよう!」
村人たちが嬉しそうなので私たちも嬉しい。
「枯れるほど取りつくさないようにな!」
「手入れして増やしてくれたら買い取るよ」
ルイスとウィルコの話に村人たちがうなずいている。スパイスの名産地になる予感がする。
せっかくここまで来たのだからと小さな壺に収まる量のカルダモンを売ってくれた。まだまだ貴重なのにありがとう。
「1年以上経ったらまた来るよ」
「俺たちじゃない別の商人が来るかもしれながいが、正当な価格を提案してきたら無理のない範囲で売ってやって欲しい」
「もちろんだよ」
「買い取ってもらえるなら大歓迎だわ」
「こんなに美味いものに化けるなんて知らなかったよ」
「教えてくれてありがとう」
シャルワル村の皆さんが笑顔で見送ってくれら。
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