第215話 羊肉を食べたい

「ルスランさんとジャブライルさんの羊肉は美味かったな!」

「ケバブって美味しいのね!」


 東へ進む馬車の中でルイスとモニカがご機嫌だ。相当ケバブが気に入ったらしい。


「ねえカレン、羊肉って他にも美味しい食べ方があるの?」

「トルコ料理店で食べた羊肉は美味しかったよ」

「じゃあ帰るぞ」



結界に戻った。

「東へ行くのに全然進んでいないじゃん」


「ここにいる間は時間経過無しだから大丈夫だよ」

 ウィルコも食べる気のようだ。こうなっては逆らえないのでレシピをタブレットで検索した。


「ルスランさんやジャブライルさんのケバブみたいなものもあるのね」

「ほぼ同じだと思うよ」

 ルイス狼とモニカ狼の目が光った。大きなお肉で作る気満々のようだ。


「どれも美味しそうね!」

 尻尾を振るモニカ狼が可愛いので私は言いなりだ。今日もたくさんお肉を買ってしまうだろう。


「このセブゼリ・クズって美味そうだな」

「ラムと野菜の煮込みね」

「たくさん作っておけば旅の途中で食べられるね」


 ルイスもモニカもウィルコも気に入ったから、これは作ることになるな。シシュケバブとドネルケバブも作るし、あとは有名なあれも確定だろうな。


「キョフテは?」

「キョフテ?」

ルイスとモニカとウィルコがポカン顔だ。

「キョフテはマトンの挽き肉で作ったハンバーグみたいなものだよ」

「いいな!」

「食べてみたいわ」


 じゃあキョフテも作るってことで。


「スープはヨーグルトとキュウリの冷製スープがいいな、さっぱりしたスープがお肉を引き立てるから」

 ルイスとモニカとウィルコが肯いているから決まりだな。


「ピラウも作ろうよ、洋食のピラフのもとになったのはトルコのピラウなんだって。ブルグルが食べたいから野菜入りのブルグルのピラウにしよう」

 ブルグルの食感がプチプチして美味しいんだよね。


「他にも美味しいものがあるけど東へ向かう旅の楽しみにしようよ」

「それはいいな」


「じゃあさっそく材料を買うね」

 ルイス狼とモニカ狼が両側からのぞきこんで来るので言われるがまま買いまくった。



「じゃあ俺たちはケバブと煮込みとキョフテを作るぞ」

 ルイスとモニカが人型になって大量のお肉を調理する。


「僕はピラウを作るよ、これ美味しそうだね」

 レシピ動画をみたウィルコがピラウ担当なので私はスープを作ろう。

 キュウリをみじん切りにしてヨーグルト、すりおろしニンニクと混ぜたら水を加えて塩を加えて味を調えて冷蔵庫へ。

 冷蔵庫でよく冷やしたら器に盛ってエキストラバージンオイルをかける。


 水で伸ばさないと、まんまギリシャのザジキっていうキュウリとヨーグルトのサラダだよね。サラダで食べてもスープにしても美味しいから好き。

 

「ピラウが出来たよ」

「肉もいいぞ」

「食べましょう!」

さっそくテーブルに料理を運んでいただく。


「ケバブが美味い!」

「本当に!ルスランさんやジャブライルさんのケバブも美味し買ったけど香辛料を使って作っても美味しいわね」

ルイスとモニカがご機嫌だ。


「煮込みも美味しいよ、たくさん作ったから旅の間も食べられるね」

ウィルコは煮込みが気に入ったみたい。


「ウィルコのピラウも美味しいよ、ブルグルの炊き加減がちょうどいいね」

「そう?ありがとう」

 ラム肉と野菜の煮込みにピラウが合う。子供の体で量を食べられないのが残念だな。


「トルコ料理は美味しくて大好きなんだ。東へ向かう旅の間の食事は当分の間トルコ料理にしない?」

「いいわね!」


 モニカたちが賛成してくれたので当分の間、旅のご飯はトルコ料理に決まった。東への旅がますます楽しみになったよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る