第148話 春へ向けた甘味作戦
お節料理や鶏肉いっぱいのお雑煮でお正月が大好きになったルイス狼とモニカ狼。
「お正月も終わりだろう?」
「そろそろ働かないと!」
クリスマスからお正月にかけてお肉をたくさん食べたルイス狼とモニカ狼が尻尾ブンブンでやる気だ。
「僕とカレンで立てた行動計画を説明するね。まず寒い間に北部を一回りするよ」
「いいわね!」
「寒い季節は任せろ!」
夏よりも毛皮がモコモコになったモニカ狼とルイス狼が絶好調だ。
「冬支度が足りていなかったり、想定外の事態で困っている村がありそうだから一度みて回りたいんだ」
「売れ行きがイマイチだった保存食を広めるチャンスかもしれないしね」
慣れない食材を避ける気持ちはわかるけど工夫して自分たちに合うような食べ方を見つけてくれたら、まだまだ豊かと言えない世界で、今後の生活が楽になるだろう。
「冬を越えたら春に向けて甘味のために動くよ。北部ではメープルシロップと甜菜」
メープルシロップ採取のタイミングは3月上旬から4月中旬。
甜菜(ビート、または砂糖大根とも呼ばれる)は4月下旬に植付けして収穫は10~11月。地球でも全世界の砂糖生産量のうち約30〜40%は甜菜でメジャーな調味料だ。
「メープルシロップと甜菜は北部が気候的に合っているけど、サトウキビは南部が栽培に向いているんだ」
サトウキビは夏植えと春植えがあって、夏植えは1年半、春植えは1年かけて育てて、どちらも収穫は春先。
「春になったら北部ではメープルシロップと甜菜の仕込み、南部では春から夏にかけてサトウキビ。行ったり来たりで忙しくなりそうだけど」
「夏のサトウキビは他の商人たちに動いてもらうように仕向けようね」
暑さが苦手なルイス狼とモニカ狼がほっとした表情になった。私も無理させたくないから心配しないで。
「僕の世界でチョコレートを作るための大きな一歩だよ!」
── ウィルコがキラキラしてる…。
カカオを探しに行けるのはだいぶ先だと気づいているかな?やる気満々なウィルコが自分で気づくまで黙っていよう。
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