第129話 クリスマスツリー

「カレン!大きなツリーだね」

「一緒に飾りつけしよう」


 1年間、頑張ったウィルコの喜ぶ顔が見たくて大きなクリスマスツリーとオーナメントを買った。

 海外では11月末ごろから飾り始めるみたいだけど、ここは地球でさえないし今から飾っても充分な期間、楽しめるだろう。


「きれいね」

「いいんじゃないか」

 モニカ狼とルイス狼も尻尾を振って楽しそうだ。


「クリスマスイブまでの期間をアドベントって言うらしいんだけど、これはアドベントカレンダー。クリスマスまでの日数を数えるためのカレンダーだよ」


 アドベンドカレンダーには12月1日から12月24日まで24個の窓があって、その日の窓を開けると中にチョコレートやキャンディーなどのお菓子が入っていて海外の子供たちが大喜びするやつだ。

 ウィルコには普通のアドベンドカレンダー、ルイスとモニカにはビーフジャーキーとかソーセージとかを入れて私が作った。


「今日は2日だから12月2日の窓を開けてね」


素直に開けるウィルコとルイスとモニカ。

「チョコレートだね!」

「ビーフジャーキーだ」

「この天狗のやつ、美味しいわよね」

 ルイスとモニカにはビーフジャーキーを袋ごと入れた。少ないとうるさそうなので。


「クリスマスはご馳走を作ろうね」

「いいね!」

ウィルコがさっそくクリスマスディナーについて調べ始めた。



「イブの夜は家族で過ごして、クリスマスディナーはローストビーフやフォアグラ、キャビア、ロブスター、牡蠣、ローストチキン、チーズなんかを食べるんだね」


「クリスマスのデザートはクッキーの国もあればケーキやプディングの国もあるみたいだよ。私はイギリスのクリスマスプディングは遠慮したいなあ、ウィルコが食べたいなら1人分の小さなものを買おうか」

「うん、食べてみたい!」


「夜はサンタさんにクッキーとミルクを用意して就寝。クリスマスプレゼントは家族がお互いにプレゼントを贈り合う。クリスマスは家族の絆を深める日なんだね」

「クリスマスディナーはウィルコが食べたいメニューにしようよ、まだ日にちがあるから

ゆっくり決めてね」

「本当!?嬉しい!迷うなあ…2〜3日前には決めるね」


 この世界にクリスマスは無いけどウィルコの喜ぶクリスマスにしてあげたい。

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