第123話 チョリソーで腹ポコ
「室温でイベリコ豚の脂を溶かしながらお召し上がりください。だって」
「結界は常春の気候だからこのまま置いておけばいいかな」
翌日、ウィルコと一緒にインターネット通販で取り寄せたチョリソーの説明を読む。
「冬はスライスして温めたお皿にのせると美味しく食べられるんだって」
「野営の時に焚き火で炙っても美味しいかもね」
成熟させた肉特有の旨味が楽しめますだって、楽しみだな。
「そのまま食べるのも美味しいと思うけど、一手間加えて料理しようよ」
「いいね、何を作る?」
「一品目はヒヨコ豆とチョリソーとトマト缶の巣篭もり卵にしよう!」
大きなフライパンでチョリソーを炒めて、油が出てきたら玉ねぎのスライスを加えてさらに炒めたらトマト缶とヒヨコ豆とオレガノを加えて煮込む。
塩胡椒で味を整えたら何ヵ所か窪ませて卵を割り入れたらフタをして卵が半熟になったら完成。
「半熟卵を崩して絡めながら食べると美味しいよ、スペインでは朝ごはんに食べるんだって」
「いいね!」
よく似た料理はポルトガルにもあって、ポルトガルでは残り物野菜をたくさん入れて作るみたい。今回はルイスとモニカ向けに野菜少なめチョリソー増し増し。
「2品目は以前も作ったアルボンディガスを作ろうよ、久しぶりに食べたいな」
以前にも結界で作ったことのあるスペイン風肉だんごだ。
「僕これの作り方を覚えているよ、一緒にチョリソとインゲン豆の煮込みも作ったよね」
そうそう王都に戻ってメスティンを売り込んでた頃にスペイン料理尽くしの日に作ったんだった。
「じゃあ、あの日みたいにチキンのチリンドロン煮込みとパエリアも作ろうか」
「いいね!」
ルイスとモニカも人型になって手際よく調理してくれている。
魚介類たっぷりのパエリアと肉料理もたくさん。チョリソーもたくさん。
「ねえ久しぶりにシモンさんとテラ様をご招待したいな」
「いいわね」
「あの2人を呼んでも余るくらいだな!」
ルイスとモニカもご機嫌だ。たくさん料理した甲斐があるね。
「いらっしゃい!」
シモンさんが来た。
「テラ様」
駆けよってテラ様に抱きつく…好き。
「食べようよ!」
ウィルコの呼びかけでテーブルにつく。
「いただきまーす!」
まずはチョリソーをそのまま…美味しい!
「どれも美味しいね」
「旨味がすごいな」
地球のチョリソーも美味しい。
次はヒヨコ豆とチョリソーとトマト缶の巣篭もり卵を食べよう。パンで半熟卵を崩して掬うようにして…うん美味しい。
「美味しいわ…」
「どう食べても美味いな!」
ルイスとモニカも満足してくれたみたい。
「肉団子も美味しいですね、地球のレシピですか?」
「シモンさんも気に入った?スペインの伝統的な料理だよ、美味しいよね」
「あれも?」
シモンさんの目線の先には生ハムの原木があった。
「右がスペイン産で左がイタリア産だよ」
「俺がカットしてやろう」
ルイスが大皿いっぱいにカットしてくれた。
「美味しいですね」
シモンさんも生ハム好きだと思ったよ。
「地球のグルメは進んでいるのよ」
テラ様が得意げだ。シモンさんに認められるのが嬉しいみたい。
食事会は楽しかった。
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