第47話 じゃあチーズを買いに行こうか
衛生対策で2週間ほど王都に足止めされた。ネズミ駆除の毒餌はゴキブリなど他の害虫にも効果があった。
ちなみに駆除用品はインターネット通販を使って地球の様々な地域から調達した。いろんな国で現地の素材と技術で作った素朴なタイプのやつだ。化学薬品を持ち込みたくなかったからね。
いずれこの世界でも生産体制を整える予定だが、まずは素材の栽培から始めるから道は遠いよ。
そしてメンタルに問題を抱えた人は思った以上に多かった。これは時間をかけて治療していくしかないよね。この世界の医療の発展に期待したい。
「とりあえず今回の街歩きで見えた問題は対処出来たかな、ほかに問題は起きていないかな」
「困ったら教会か役所に助けを求めるようにって神託で念を押したから何かあれば上がってくるわよ」
「変化の時は問題を問題と認識しづらいからな。次の問題が出てくるにも少し時間がかかるのはしようがない」
「じゃあチーズを買いに行こうか!」
「唐突だな」
「だってずっと食べたかったんだもん。寒さもやわらいできたから北への旅も辛くないし」
「どこに向かうんだ?」
「王都から北東に進んだ所にあるエメン村。私の前世のスイスみたいな地域でエメンタールチーズの産地だよ!グリュー村にもよってグリュイエールチーズも買う」
「焼いた肉に溶けたチーズを乗せると美味いよな」
「チーズはハンバーグの中に入れても、上に乗せても美味しいのよ」
「ピッツアを広めるための第一歩だね」
エメンやグリューで細々とチーズが作られているのは知識として知っていた。この世界は牛乳を人間が飲むって非常識だから広まらなかったんだよね。だから生クリームもない。ヨーグルトは、やっぱり小さな村で隠れて作られているので、そのうち買いに行く。
「でね、エメンタールはチーズの王様と呼ばれててチーズフォンデュには欠かせないチーズなんだよ」
翌日さっそく旅立った私たちはエメン村にに向かっていた。ピッツァ好きなウィルコもチーズ好きなルイスとモニカも今回の旅はウッキウキだ。協力的で助かるよ。
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