第136話 バスに乗っていた3人
「ええ?じゃああのバスに乗ってたんだね・・・・」
僕は一通り説明をしてあげた。
「いいなあ・・・・5歳も・・・・」
「その間自分の意志で行動できないんだよ?それをいいなあって・・・・」
僕と3人の女性は、同じバスに乗っていて、そのまま死んで、この世界に転生された・・・までは同じみたいだけど、その後は僕の生まれた所とは違う所に生まれたらしい。
3人は・・・・元々は4人で過ごしていたらしいが、1人は結婚して別れたらしい。なんでも15でもう結ばれたのだとか・・・・
日本では早いけど、この世界では普通?
「私ら元は知り合いでね。あの時は4人でたまたま講習を受けに行く途中でね、巻き込まれちゃって。」
4人はそれぞれ違う店でのパティシエだったようだ。
そして、有名なパティシエの講習を受けに・・・・同じバスに乗って移動してたらしい。
成る程・・・・
だからケーキとか教えてたんだな。
中にはケーキとパン、両方詳しい女性もいるようで、
「うちの店はパンもやってたんよ。やからね、パンはすこおしばかり拘りがあるんよ。」
酵母とかどうしてるんだろ?やっぱりリンゴかな?
「イーストないからね・・・・手っ取り早いのはうん、リンゴだよね。お酢も作れるし。」
あ、作ってるんだ。
僕も作ったけど、時間がかかるんだよね・・・・
あ、そうそう、このおじいさんおばあさん、50年以上前に、船の事故で死んだらしく、この世界に転生したんだって。
50年前にも神はミスをしたのか?
その時獲得したスキルをうまく使って、おばあさんは素材集めを生業とし、おじいさんは商売を・・・・店を開業し、成功したらしい。功績を認められ、貴族になり、娘の一人はこの国の王と結ばれたそうな。
はあ・・・だからおばあさん、何か怪しい強さがあったんだな。
「まあ、わしらはもう50年以上この世界で暮らしておるからのう・・・・60年じゃったか?ある程度稼いで、息子に店を譲った後は、悠々自適の暮らしじゃよ。たまにこうしてフラっと旅に出たりしての。」
「おいしい食べ物には目がないんですよ爺さんは。あ、それは私もだけどねえ。」
日本に居たんじゃ・・・50年以上前ってどうなんだ?舌も肥えるよな・・・・
「ま、そんな訳でな、この嬢ちゃん達の店を世話してやったんじゃ。」
「でもよく転生者ってわかりましたね?」
「それはわかるわい。同じ日本人じゃからの。」
そんなもんかねえ・・・・
「ああ、でも同じ転生者でも、道に外れた連中が居たので、気を付けて下さい。」
「ああ、やっぱそんなのいるんだ?」
「ええ・・・残念ながら・・・・」
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