第134話 王妃の両親
こおのじいさんとおばあさん、僕からしたらまだ初老と言った感じだけど、サンペーからしたら、年寄りなんだろう。
「なんだじじいばばあ!とっくにくたばってるかと思ってったぜ!」
・・・・いきなり言い出すから焦ります。
「おや・・・・どこかでお会い・・・・あら?何かおかしいわね?この子供の魂は会った事があるわね?でも前とはずいぶん・・・・」
「ばあさんや、そりゃあ精霊の一種だろうて。何かしらの理由があって、そこの少年の中に居たのだろうが、今は旨い事分離しておるようで良かったの。ああ、あの時は助けてくれてすまんかったね。力を失っておらなんだらあんたの以前の状態、何とか出来たんじゃが、いかんせん腹が減ってな・・・・」
・・・・よく分かりませんが、この2人は、エウラリアとデイフィリアの祖父と祖母。母方と言ってましたか?
王様の元へ嫁いだ女性の親。貴族でしょうか?
「旅をしておられたとか・・・・その、ケーキを教えてくれたというのは・・・・転生者でしょうか?」
「うん?お前さん・・・・今転生者と言うたか?」
一瞬にして空気が変わる。
「ふん!」
目の前に何かが飛んできますが、腕でガードします。
ですが、血が噴き出します。
僕はお構いなしにおじいさんを捕まえます。
あ、そうそう、切られてもすかさず回復魔法かけますから、大したダメージにはなりません。
「きゃあ!おじいさま何してるんですか!」
エウラリアが悲鳴を上げる。
「どうして・・・・?」
デイフィリアは泣いている。
「あらあら・・・おいたは駄目じゃないですか?」
え?
背後から声がする。
対処が遅れたけれど、
「うげぼが!」
おばあさんの指は僕の頭をすり抜け、おじいさんの目に刺さってます・・・・
「ばあさんや、痛いがな。」
「駄目じゃないですか?かわいい孫の婚約者ですよ?」
「なんじゃと!・・・・おお、すまんかったな。なんじゃったかの?つい興奮してしもうた様じゃ。」
・・・・この2人只者じゃない。
僕は無警戒だったとはいえ、あっさりとおじいさんの攻撃を受けて、手を切ってしまった。
更にとんでもないのは、知らない間に、おばあさんに背後を取られていた事だ。
「じいさんや、この人も転生者ですよ?」
「うほお!何じゃお仲間かの?そりゃあ知らんかったとはいえ、すまんかったな。」
「・・・ええと、お2人も転生者ですか?」
「ああ、ええとな・・・・まあ色々あったという訳じゃがな、昔から、何人も転生者は来ておるんじゃよ。そしての・・・数年前に女3人組の転生者が途方に暮れておったからの、ちょいと助けたんじゃが、これが中々おいしいお菓子を作ってくれたんじゃよ?」
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