第133話 以前助けたおじいさんとおばあさんが作っているようです

僕が店の中を見ていると、奥から声がかかります。


「おや、いつぞやに助けてもらった少年ではないか?」


・・・・おじいさんが居ました。


「どれどれ?本当だね。何?あんたも助けてもらったのかい?」


おばあさんもいます。


あれ?違う街に居たよね、この2人。


どうやら旅の途中に、2人は旅の途中で時々別行動をするらしく、その時たまたま一人の時に、僕が助けた・・・・サンペーの時かな?みたい。


どうやら何かから引退したらしく、暇を持て余していた時に、あちこち2人で旅に出かけていたらしく、その時助けた若者からケーキの作り方を教えて貰ったらしい。


聞けばその若者、経済的に困窮していたらしく、その時に資金援助をし、そのお礼にケーキやパンの作り方を教えてもらったらしい。


どうやら女性3人組だったようで・・・・全く知らない知識を持っていたらしいので、きっと転生者でしょう。


で、僕はその転生者の行方を聞いてみましたが、


「ああ、他の街の店で働いておるよ。儂らが資金援助をしたと言ったが、他の街での開業資金も出してやったのだよ。」


どうやらアグルトンに居るらしい。


今は王都で暮らしてる僕。まあそうは言ってもゲートであちこち行けるから、王都で暮らしてるのが正解かは微妙だけど。


・・・・一度アグルトンの店に行った方がよさそうですね。


念のためここでケーキを食べましたが、中々のおいしさ。


この老夫婦、店を構えているといっても、趣味でやっている様子なので、経済的にはかなり安定してると言うか、恐らく大富豪です。


そんな老夫婦が、老年になってから覚えたお菓子作りでここまで美味しく作れるのです。


ならきっとその3人は教えるのがうまかったのでしょう。


聞けば何かお礼をしたいと言うので、その3人の所へ紹介をしてもらう事にしました。


数日後、待ち合わせをして、ゲートで向かいます。


何故かサンペーと4人も一緒です。


何処で聞きつけたのでしょう?


「ちょっとあの店の人って・・・・誰なのよ?」


エウラリアがそう言いますが、まだ来ていません。


「まだ来てないよ。あ、来たようだ。」


老夫婦が仲良くやってきます。


すると、エウラリアとデイフィリアが、顔を見合わせます。


「ねえルドメロ、ひょっとしてあの2人?」


「うん?そうだけど、もしかして知り合い?」


「もしかしても何もないわ!あの2人は私とお姉様の・・・・そう、お母様の方のおじい様とおばあ様よ?」


うん?今何か言ったかなデイフィリア?


「おや、何じゃ2人とも来ておったのか?」


「まあまあ・・・・大きくなって・・・・」


どうやらあの時4人が店に行ったときは、この老夫婦はいなかったようだ。


「ちょっと暫くいなくなってたと思ってたら、何やってんのよ?」


え?もしかして出奔でもしてた?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る