第120話 改めて、指輪をはめる

「今から・・・・指輪をはめるけど・・・・この場でするのかい?それとも一人ずつ?」


「「「「一人ずつで!」」」」


全員同じ答えのようだ。

まあそうなるか。


後は順番?


どうするかな?



「誰からかい?」


どうなのかと思ったが、エウラリアがデイフィリアの背中を押して、僕の前に突き出す。


「本当なら姉の私!と言いたいけれど、デイフィリアが最初に婚約してたから、こればかりはね・・・・あ、次は私よ?」


「本当にいいのですか?私が一番年下だけど?」


デイフィリアが少し戸惑っているみたい。


「そうは言ってもうちらに選択権ないしなあ・・・・まあ姫さんが最初に婚約してたのは間違いなさそうだし、此処はそう言う順番だね。で、姫さん姉妹の後は・・・・どっち?」


「エメリナですよ。当たり前でしょう?私は・・・・助けてもらった恩がありますし。」


よく分からりませんが、そういう事になったらしい。


僕は・・・・人知れず用意した、こういう事を想定し、各自との思い出作りの為に、1人ずつ特別な部屋を用意してある。


こういうのはきちんと、それと、雰囲気も大事だからね。


「じゃあ皆は・・・・暫く待っていてほしい。戻ったら呼ぶから・・・・各自、休んでて?」


僕はデイフィリアを伴い、ゲートを使おうと、ゲートに向かおうとしたけど・・・・


「ちゃんと避妊しなさいよ!」


エウラリアがそう言うが・・・・いやいや、指輪をはめるだけだから。


「優しくして下さい・・・・」


「違うから!そうじゃない!今日は指輪だけ!」


「ちっ!」


今エメリナ舌打ちした?


「そうですか・・・・神秘的な何かが起こるのではなかったのですね・・・・神秘的な何かが起こっても、わしは良いのですよ?」


「神秘もないから!」


2人でゲートを使い、別の部屋に。


さて・・・・この時間は・・・・


僕はいくつかあるゲートのうち、これと思うのを選び、デイフィリアに来るように促す。


そして、ゲートを出た先は・・・・

ああ、只の建物だね。


建物のドアに向かい、出る。



するとそこには・・・・


山の頂上付近。

しかも・・・・空は青くなく、紫色と、オレンジ色の綺麗な夕焼け。


僕はあれから色々と向かい、それこそ世界中を回って、これと思う場所にゲートを設置。


そんな中、デイフィリアに似合うシチュエーションを選んだのだ。


「あ・・・・何でしょうあの空の色・・・・夕焼け?見た事が無いすごくきれいな色ですね・・・・」


僕は彼女の手を取り、跪く。


「デイフィリア・・・・」


「はい、ルドメロ様・・・・」


「君は・・・・君には予知があると言ってたね?」


「ええ・・・・」


「なので、すぐには抱いてあげられないんだ・・・・だから、指輪は最初だけど、そっちは最後にしてほしい・・・・」


「え・・・・えええ・・・そうですよね・・・・」


少し沈んだ彼女。


僕はそっと抱きしめ、キスをする。


そして目を見る・・・・


「デイフィリア、僕と結婚してくれるかい?」


「喜んで。」


僕はいまタイミングを見計らっている。何の?それは・・・・


僕は彼女の手に、指輪をはめる。すると・・・・


太陽が消える寸前、最後の光が指輪を照らし、何とも言えない輝きを放つ。


「・・・・きれい・・・・」


こうして、僕が僕を取り戻してから、デイフィリアと正式に婚約をした・・・・






「なあ、今頃ヤッてると思うか?」


エメリナがエウラリアとローサに言う。


「そう言うエメリナはどう思うの?」


「もうそりゃあ猿のように・・・・」


「多分しない!ルドメロがああ言ったからには、きっとしない!」


「あらあら、信じていますのね?」


「勿論・・・・だよな?」


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