第109話 サンペーアキラ

「おう!いい感じじゃねえか!これが俺様か!相棒!宜しく頼むぜ!」


・・・・相棒になった覚えはないのですが・・・・


ん?何か表示が出てますね・・・・



『サンペーが仲間になった!』


・・・・何ですかこれ?

彼は仲間なのですか?


それよりこの魔力の減りを何とかしないといけないですね。サンペーが消えてしまいます。


・・・・魔力を集める装置を作りましょうか。


・・・・・それと、その魔力を自分の魔力に変換する必要がありますね。


・・・・


・・・


・・・・・・できました。これで・・・・サンペーが望むなら、この姿のまま過ごす事ができるでしょう。


それにしても・・・・本来はまだ子供・・・・ですか。


まだ生まれてから数年しかたってなかったって事?


つまり僕が馬車に撥ねられた時に、この世界にある意味産まれた・・・・と。


あ、兎に角ここにはもう用がありませんから、帰りましょうか。


僕はポチとシロを連れ、兄のいる所へと戻る事にしました。



・・・・

・・・

・・


「お兄様、ただいま戻りました。」


兄に帰還を報告。


「・・・・随分と時間が経ったようだが・・・・その子供は誰だい?」


「俺様はルド・・・じゃない!サンペーだ!」


「・・・・サンペーさん、ですか?ルドメロ、これはいったいどうした事なんだい?」


「色々ありまして・・・・まあ、精霊みたいなものですよ?」


「うん?いつもの喋りはどうしたんだい?」


「これが本来の私ですよ。」


きっと目の前のサンペーの事なのだろう・・・いつもの喋りとは。


「おい糞兄貴久しぶりだが相変わらずだな!」


「・・・・は?え?ル・・・ルドメロ?」


「あ、隠しても仕方ありませんから言いますが、僕は馬車にひかれた時、何かあったようで、サンペーが僕の身体に入ってしまったのですよ。ですが、色々あってようやく分離できたのですよ。で、目の前のサンペーが、今までこの身体を使っていたんです。」


「・・・・すまないがよく分からないな。」


「彼は今まで僕の身体に入っていたのですが、彼の希望で別の身体・・・と言っていいのかな?依り代を確保できたので、そちらが今の彼の本体ですよ。」


「ますますわからない。つまり、このサンペーと言うのが、今までルドメロだった?で、今はルドメロから出て、そのよく分からない何かを本体として存在しているのかい?」


「まあそんな認識でいいでしょう。」


「・・・・しばらく僕は混乱しそうだな。で、ルドメロ自体は馬車に轢かれる前の人格なのかい?」


「まあそうですよ。」

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