第104話 せかすポチ、必死に追うシロ

”やはり誰もいないが・・・・この・・・・布切れか?”


シロが駆けつけた時には、既にゲートを使った後だった。


”まあいい・・・・行ってみいるとしようか”


シロは躊躇わずにゲートを使った・・・・


”ぬ、空振り・・・か?いや・・・・別のゲートか・・・・”


こうした事を繰り返し、ようやくシロはルドメロと合流したのだった。


”来ずともよいものを!”


いきなりのポチ。


”ふん!貴様の思い通りになると思ったか、笑止!”


”呼ばれてもおらぬのにのこのこ着いてきおってからに!”


”何を!”


”何をとは何だ!”


・・・・相変わらずだな・・・・


「ポチとシロ、もっと仲良くなれないのかい?」


””無理だ!””



・・・・仲がいいな・・・息ピッタリだもんな・・・・


「さあ、そこまでだよ。シロ、よくこれたね。迷わなかったのかい?」


”我がマスターの気配を間違える訳が無かろう”



「まあ・・・・合流できてよかった・・・・さて、今回はね、ポチに頼みがあるんだけど。」



”流石はマスター!我に頼み事とは!”


「ああ、そんなに凄い事ではないんだよ?今鍛冶をしていてね、素材にアダマンタイトとヒヒイロカネを使うつもりなんだけどね・・・・懇意にしている工房の炉では火力不足でね・・・・そこでポチに、ブレスで溶かしてほしいんだ。」


”はああはっはっは!”


笑うシロ。


”素材を溶かすのに呼ばれたのか・・・・まあせいぜい頑張ってくれたまえ、(炉)君よ!うはははは!”



”ふん・・・・我はマスターの役に立つのだ、羨ましいだろう?”


”別にそんな事で羨ましがるわけなかろう!”


・・・・本当は内心羨ましがっているシロだった・・・・


・・・・

・・・

・・


工房にやって来たルドメロ一行・・・・

早速ポチに素材を溶かしてもらう。


「こいつはとんでもないブレスだな!人ならあっという間に消し炭だのう!」


そう言う親方だが・・・・目は素材に向いてる。


自身の工房の炉では溶けなかった素材が、目の前で溶けているのだ。

そして・・・・ルドメロも気が付いていなかったのだが、アダマンタイトとヒヒイロカネ、同時に溶かしてしまっていのだ。


最初に気が付いたのはシロだった。


”マスターよ・・・よいのか?別々の素材が溶けて混ざってしまっておるぞ?”


「え・・・・・あ!本当だ・・・・混ざるんだ・・・凄いな、ポチのブレスは。それに・・・シロ、よく見ていたね。」


ブレスで素材を溶かしたポチはマスターの役に経ったと有頂天だ。


一方のシロは・・・・


”どうなるのだ?この2つの素材は・・・・”


と考えていてくれていた。

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