第5話 ご当地アイドル! ウナ娘!! その①

ウ~~~~ッ! ウナぴょい♪ ウナぴょい♪

ウ~~~~ッ! ウナぴょい♪ ウナぴょい♪

3・2・1・ハイ!ウナだっち~~~♪

ウナ ウナ ウナ ウナ ウナ娘~~~♪


と、柳川やなぎがわの駅の改札口を通ると、可愛らしく軽快な曲が流れて来た。

どうやら駅前広場にて、ご当地アイドルの『ウナギ娘シスターズ』、略して


『ウナ娘』


が、ライブをやっているようである。


「着いて早々(運が)ついてるねぇ~~~♡」


私はオカルトも好きであるが、可愛いモノも好きである。

それが『ウナ娘』ともあればテンションギガギガだ。


―――ご当地アイドル『ウナギ娘シスターズ(ウナ娘)』とは?

・メンバーは5名

・シスターズの名は飾りではなく、5姉妹だからシスターズと付けられた。

・5姉妹は五つ子である。

・ところが、全員漏れなく顔や容姿が似ておらず、性格も異なるため、(本当に五つ子か?)と疑われることもしばしば。

・年齢は非公開だが、顔や容姿を見る限り、15~18歳ぐらいの年齢と思われる。

・メンバー全員、お世辞抜きにマジで可愛いく、歌も踊りも上手いためファンは多い。(日本内におけるメジャークラス)

・手を抜かず、いつも全力直球勝負のため、公演中は汗びっしょりである。


ウオオオオォォォォォォッ!!!


と、歓声が超上がる。そしてまるで、地震が起きたかのように大地が揺れている。

人が超多いのだ。彼女たちの人気の証拠だ。

そのため、広場では到底人が収まらず、溢れかえって道路へとはみ出し、車などの交通を妨げてる。

しかしだ。それを誰も咎めない。

何故か?

それは、彼女たちがカタギの人間ではないとの噂があるからである。


―――とある屋敷がある。

馬鹿でかい伝統的な日本屋敷で、どこか薄気味悪い雰囲気をかもし出す。

屋敷の出入り口は木製の両開き門(=武家屋敷棟門、総門)。

扉をみるに、正面の左側の扉には『うなぎ』、右側の扉には『なまず』の絵が描かれている。

表札には『揺鰻ゆうなぎ』の文字が力強く、ハッキリと書かれている。

そして、門に注意書きが掛けられている。


『関係者以外立入禁止』


いわゆる避客牌ひかくはい(客を断る時に門に掛けられるモノ)が掛けられているのだ。

そのため、親族以外の誰も屋敷には入ったことがない。

屋敷を訪れる者は、皆、黒いスーツとネクタイをピシッと身に纏い、一糸乱れぬ完璧なであることを強調しており、それは屋敷に近づかぬように周囲に警戒を促していることを意味していた。


そんな屋敷であるが、過去に一度、この屋敷に侵入しようとした者がいた。

理由は興味本位や犯罪心ではない。その者にはどうしても屋敷に入らなければならない事情があったからだ。


(何とかしてあげたい・・・)


そう思ったが故に、その者は行動へと繋げた。

その者は屋敷に侵入することは成功した。

しかし、その数日後・・・その者は屋敷の外で見つかった。


見るも無残な死体としてだ。


皮膚は青く、全身の骨は砕かれ、電気による火傷と体中を太い縄か何かで巻き付かれたかのような跡、肉食動物にでも食べられたかのように要所要所が千切られていた。

そして、その死体は全身がヌルヌルとした奇妙な液体で濡れていたそうだ。

加えて、その死体の周囲はその者の血で真っ赤に濡れていたそうである。

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