会談記録再生・一
これは捕縛された罪人・オオグルの脳再生を記録したものである。罪人は記録当時、『ピュービル博士』の背後に立っていたものと思われる。
◆
【ピュービル】また会ったか。ああ全く。会いたくなかった。
【ゴオルギー】おれもな。ただ会わないわけにはいかないだろう。探したぞ。そしてまたこのソラニメの地で会えた。
【ピュービル】ここはもうその名で呼ばれてはいない。
【ゴオルギー】しかしそれでも、お前がかつてその名でここに国を建てたことに変わりはない。そしてお前はいまだにこの地を支配している。ならばここはソラニメだ。
【ピュービル】どうでもいい。
【ゴオルギー】王よ、ソラニメを滅ぼし、新たな国を建て、何をしている?
【ピュービル】別の坂を探すのだよ。
少しの沈黙。コップを置く音。
【ピュービル】ソラニメは高みにはたどり着いた。だがそこで終わってしまった。行き止まりだ。限界を見てしまった。なので無学な馬賊を引き入れ、入れ替えた。そして今わたしは彼らに高みへの処置を施している……。
【ゴオルギー】その結果がこれか。
【ピュービル】まだ結果は出ていないさ。まだね。
さらに少しの沈黙。風が窓を鳴らす音。会談は続く。
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