Iris

僕は××××を探す為に旅に出た。

彼奴は僕にとっての親友であり、たった1人の理解者だったからだ。

彼奴は数年前事故に遭った。本来、其処で諦めるべきかもしれない。ただ、文献で見つけたのだ。華の塔の存在を。霊魂の集まる塔の存在を。

僕は其れに縋った。縋り付いて、やっと掴めた情報は……華の塔はあまりにも不気味で管理者と定められた者は街でも避けられるということ。管理者は数十年に1度、5歳程度で霊魂を見ることのでき、声を聴く事のできる子供が選ばれる。

「5歳の子供にそんな重荷を背負わせるなんて」

そう思ったことはあった。ただ、その塔の管理者になると祝福という名の呪いがかけられる。そう考えると、まだ祝福を祝福と受け取れる年齢ではあるのだろう。だとするならば、幸せなのかもしれない……例え歳を重ね祝福が呪いと気づいたとしても。

立ち寄ったバーで出会った青年には悪いが、僕の好奇心や探究心は止めることのできないのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る