第7話 報酬

 普通の男なら、あられもない姿のJKが3人も目の前にいたら、目のやり場に困るだろうがオレは困らない。


 ガン見だ、ガン見。


 星田が手を出さなくても、いずれ異能で、悪戯しようと思っていたんだ。


 これぐらいの役得があってもいいだろう。


「ねえ、アンタ遠慮しないのね……」


 俺の熱い視線を感じたのか普通に突っ込まれた。


「ああ、君らみたいな可愛い子のあられもない姿を、堂々と見れるチャンスなんて、滅多にないからな。きっちり脳内メモリに焼き付ける」


「引くわ……」


「引いてくれて結構だ。君らの悪夢も、その身に起こった事も全部なかった事にしてやる」


「い……異能なの?」


「ああ、異能だ。星田が使っていたのも異能だ。元の世界にもどったら、コイツの異能もなかった事にする」


「浅井くん……」


「藤林、お前もだからな」


 藤林の顔が沈む。藤林には色々悪いことしたと思う。でも……。

 

「君らにひとつだけお願いがあるんだけど……聞いてくれるか?」


 皆んな素直に頷いてくれた。


「オレは君らの命の恩人だ、わかるな?」


 恩着せがましい事を言っているのに皆んな頷いた。


 これは行けるんじゃないか……。


「なあ、君らの記憶を無かった事にする前に、おっぱい揉ませてくれよ」


「パチィィィィィィィィィィィン」


 絶妙の角度で藤林のビンタが入った。いい音だ。


「浅井くん! 乱れた関係はダメだって約束したでしょ!」


 乱れたって……おっぱい揉むだけじゃん!


「それに……」


 それに?


「そんなに揉みたいのなら……私のを揉めばいいじゃない!」


「ふ……藤林……」


 藤林の申し出はありがたい……藤林のおっぱいは大きさも形も素晴らしい。


 ……でも、オレは……もっと沢山のおっぱいを揉みたいんだ。


「ねえ、あなたの彼氏なの……?」


 コクリと頷く藤林。あれ? いつそうなったっけ?


「別に、記憶が無くなるんだし、助けてもらったし……揉ませてあげても良いと思ってたんだけど」


 なに!?


「でも、流石に彼女の前じゃね……」


 待て、待て、待て!


 オレと藤林はそんな仲じゃない!


 なんて言っても通用しなさそうな空気だ。


「分かった藤林……でも、生乳だからな」


 コクリと頷く藤林。


 いい落とし所だ。


 最悪の事態は、二兎を追うもの一途も得ずだ。


 取り敢えず藤林の生乳を確保できたことで満足しよう。



 この空間から出る前に、彼女たちの服装をなんとかしなければならない。こんなあられもない姿で学校へ連れて帰るわけにはいかない。


『3人が星田にされたこと無かった事に』


 そう念じると3人の衣服が元に戻った。


 くそう……やっぱり時間を動かす前に、ひと揉みと言わず、もっと揉んでおくべきだった。


 後悔先に立たずだ。


「「「ありがとう浅井くん!」」」


 3人に満面の笑みでお礼を言われた……まあ悪くないか。


「ねえ、浅井くん。たまーになら彼女の居ないところで、おっぱい触らせてあげてもいいよ?」


 な……なんだと!


「あ、私もたまにならいいかな」


 本当か……!


「別に生でもいいよ」

 

 う……うれしい!


「ちょっと、皆さん! 淫らです!」


 藤林は見た目は変わってもやっぱ、ザ・学級委員長だ。




 でも……でもダメだ。


 おっぱいを触らせてくれるのは嬉しいが、彼女たちの記憶を消さない限り、星田にされたことは無かった事にはならない。

 


「ありがとう、君らの気持ちだけ受け取っておくよ」



 ——とりあえず、俺たちは生徒会室に戻った。


 生徒会室に誰も入れないようにしてから、星田の異能と記憶を無かった事にし、右腕と視力を戻してやった。



 そして3人から神隠しにあった記憶と救出劇の記憶を無かった事にした。



 3人のおっぱい……名残惜しいが仕方ない。



 オレと藤林は皆んなが事態を飲み込めていないうちに生徒会室を後にした。


 今頃髪のなくなった星田を見て、皆んなさぞ喜んでいることだろう。


 まあ……全部なくすのは流石にかわいそうだから、ザビエル風に残しておいた。


 もちろん無くなった毛は永久に生えてこない。



 後は……藤林だけだ。


 藤林の異能を消して、記憶を消せばオレたちの関係も終わりだ。


 藤林と話し、オレの家に向かう事にした。


 最後に生乳触らせてもらおう。


 オレはそう考えていた。



 ————————


 【あとがき】


 なんか最低な主人公って気がしてきました。


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