お昼ごはん
魔力判定が終わった後は武器攻撃での威力や魔法を習得している人はその制度などを測っていった。
ボクは武器程度しか使えないから、半分くらいは記録なしになったけど問題はないらしい。家によっては教えてない場合も多いとか。
そして昼時間になって一度闘技場を後にした。
「お疲れさまです。ノアさん、お昼はどういたしますか?」
「お疲れ。学園の食堂でいいかなって」
「ではご一緒しても?」
「わざわざ聞くことではないんじゃない? 外で食べてもいいけど、昼の後はまた動くみたいだし遠くにいくのもね」
何をやるかはわからないけど午後は別の場所に集合となっている。身体能力の判定をすると謂われたけど何をやらされるのか。
食堂にたどり着くと学年関係なく人で賑わっている。だが、席は空いていそうだ。
特に好き嫌いもないので適当に選んで昼とする。さすがに、これほどの規模の学園でやばいご飯がでてくることもないだろう。
「それにしても、あの4人はすごかったですわね」
「本当にね。なんというか……バチバチしてたね」
「ほとばしっていましたわ。負けたくないという気持ちが」
朝から睨み合っていたあの子達は判定の時も結果を競い合っていた。先生が言うには資質的な部分もあるし、ここで上下がでたからといって最終的にはそれを伸ばせるかどうかや使いこなせるかは別問題だということらしいけど。
まあ、目に見えて競えるってなった時点で関係なかったんだろうな。
「でも、なんというか2対2って感じで別れてたけど、元から仲が良かったとかなのかな」
「少し話を聞いてみたのですが、おそらく家どうしの関係における上下が存在していますね」
「……どういうこと?」
「片方の家に片方の家が仕えるといった関係性ですわ。まあ、貴族に仕える家もまた大きな血筋ということはよくあることですので」
「っていうことは、お嬢様とメイドみたいな関係ってこと?」
「おそらくは。なので主にぶつかっているふたりのほうが主といいますか。上下関係で言えば上に位置する家の出身みたいです。とはいえ、主のほうが上というような意識もあるみたいで、結果的にはお互いがバチバチに」
「ふーん……えっと、誰だったっけ」
「澄んだ青い目をした方がアクアさんですわ。一緒にいる長い青髪の方のがカナリアさんです。そして反対の黄色のツインテールの方がランさん。一緒にいるオレンジ色のボーイッシュな方がミオラさんです」
「だめだ。まだ名前が覚えられない」
「ゆっくり覚えていきましょう……まあ、あの雰囲気に混ざれないので仲良くなる段階にすらいけておりませんが」
先のことが不安になったところで話題が変わった。
「ところでノアさんは本当に魔法や魔力については実技経験がないのですね」
「うん? まあ、そうだね」
「ますます入学試験の結果に不安を覚えますわ」
「……なんでか聞いても?」
「わたくしは基本的に剣技や剣舞を学んで魔力を武器に付与することで威力や鋭さを上げるといった形をとっています。魔法自体はできますが、自分でも改善はしなければいけませんが、剣技と両立して動き続けることが苦手です。そう考えていくと、真っ向から受け止められることは少なくとも、多くの攻撃を回避や受け流されたわたくしは、ノアさんが学んでいけばこのままだと負ける可能性が高いということです」
「そういうものなのかな。ボクはわからないけど」
「そういうものだと思います。いま見に付けている情報から、ある程度の予想というものはできますから」
そうはいってもボクはあの時、考え方として反撃よりも防御に意識がいっていたし、攻撃も両立した意識になった場合の動きはまた違う気がするけど。
アミリアさんは納得してくれないだろうな。というか、多分実際に目で見たり実感をしないと納得できない人なことが見て取れる。
「ですが、次の身体能力の判定。何をするかはわかりませんが、負けませんわ!」
「勝負じゃないと思うんだけど」
「いいんですの。こういうのは気持ちですわ!」
まあアミリアさんがそれでいいならいいかな。
ボクは久しぶりに少し騒がしい昼食を過ごした。
それにしても身体能力ってどうやって測るか本当に気になるな。
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