授業開始
翌日。
クラスに辿り着くと異様な空気になっていた。
一触即発と言わんばかりの尖った空気だ。
なんかクラスの前の方で2対2で睨み合ってる。
「どういう状況?」
先にきていたアミリアさんがそれに混ざらず部屋の後ろのほうにいたから聞いてみた。
「わたくしが来た時にはもうこれだったので」
「家同士の付き合いとか……?」
「いえ、お二人の家は知らないわけではないですが、そんな確執があるようなことはきいたことがありませんわ」
「えぇ……」
それなら何が原因なんだろう。
「ひとまずとめてきますわね」
「うん」
アミリアさんがそういって間に入っていった。
事態がひどくなりそうなら止めようと思いつつ、その場で見ていると、後ろから声が聞こえてビクッと跳ねてしまった。
「おはよう……」
「ひゅいっ!? お、おはようございます。えっと……」
「オリエ・ウォンド。オリエでいい」
紫髪の落ち着いた雰囲気の子だった。このクラス内だと一番落ち着いていそうな印象を受ける。
「オリエさん……えっとボクは」
「ノアさんでいい?」
「……うん」
落ち着いていると言うより話してみると不思議な人ってほうがイメージが会うかもしれない。
「なにしているの?」
「ボクがきたら、前の方でなんか喧嘩寸前みたいな感じだったから」
「……あの4人は仕方ない」
「なにか知ってるの?」
「仲がいいわけじゃないけど。入学試験の日が同じだった。模擬戦の対戦相手同士だったから、それを引きずってるのかも」
「……そうなんだ」
学園側も配慮してくれればと思わないでもないけど、入学できるってことは学園が求めているものはもっていると判断されたから喧嘩する必要はないのに。
ボクだってアミリアさんと対戦相手だったけど、今ではこうし――。
「ノアさん! 実技の授業が始まったら改めて決着をつけますわよ!」
「なんで、そっち側に混ざってるの!?」
いつのまにか空気に当てられていた。
しかも、アミリアさんに至ってはボクに勝ってた側のはずなのに。
「席につけー。朝から元気で結構なこと」
そうこうしていると時間になったようで先生が教室に入ってきた。
基本的に先生にはみんな従う礼儀は持ち合わせている。
「えー、それじゃあ今日から本格的に実技や座学などで始まっていくことになる。だが、最初は基礎の基礎であると同時に頻繁には行わないことをする。まあ、今の段階での実力や自分の状態を改めて知るということだ」
そう言うと、先生は前の黒板に簡易的な地図を書き始める。
昨日見てたからわかるけど学園内のだ。
「この後、武器管理室にいって、授業用の武器を選んで受け取って。ちなみに、こちらから指定がない授業のときは好きな種類の武器でいい。その後、闘技場に集合するように。実際にやることについては闘技場についてから話す。何か質問は」
先生はそういう。ひとまずこの段階では誰もないようだ。先生が全員に視線を向けて確認し終わると。
「それじゃあ、行動開始」
そう言って教室を先に出ていった。
武器の基礎確認か。まあ、自分の才能について知るにはいい機会か。
未だ自分で自分の謎が多いからな。
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