第4ステージ特別編

 第4ステージ第2よりルート分岐して、何のとりえもない吾輩を香恋ちゃんがど、し、いやアシスタントとして雇用したらどうなるのだろうか。

 普通に考えたら、首になるだろうが、これは小説である。気にすることはない。

 それ以前にこんな女子だらけの展開になるはずなんか最初からないのである。

 悲しいことだが。




「労働の許可もしない、居残りもさせない、親は金を払わないじゃ一体何をするべきなんですか。」

 当然ながら俺は香恋ちゃんに突っかかる。

 だって何もしようがないんだもん。

 当然だ。

 香恋ちゃんが出した結論は、予想の範疇であるが、禁断の手法だった。

「じゃあ、私のアシスタントをしなさい。」

「今でもあなたの奴隷のようなものじゃないですか。」

「え、なんだって。」

 香恋ちゃんはとぼけながらも威圧する。

 威圧されたって気にすることはないだろう。言われたことを流す。

「どんなことをするんですか。」

「授業の手伝い他その他もろもろ。」

 社会人には言うことを無条件に聞いてくれるど・・・アシスタントが必要なの。などと意味不明な供述をしている。


 まあこのころの俺はわからんが、大人になった時一番分かった。

 他人が一番言うことを聞かないし、人を動かすのが一番しんどい。

 というかできないことを前提にして仕事を進めなければならない。

 まあいいや。


「で時給はいくらですか。」

「250円」

「最低時給以下ですか。」

 そらそうだろう。

 コンビニで働いたってもっと稼げる。

 あと400時間働かなければならない。ということは2時間働いて200日必要ということなので当然間に合うはずがない。


「別の方法は。」

「はい。」


「別の方法は。」

「はい。」


 威圧だけで本編の早良さんかわいいよ早良さんと同じことになっている。

 どうやらこれ以外の方法はないらしい。

 香恋ちゃんは電卓をたたく。

「今から17日間ずっと24時間私のど。アシスタントね。」

「はあ。」

 というかこんなことして不祥事がばれて教員免許はく奪と香になったらどうするんだろうか。この人教員免許とかどうでもいいんだろうかと思う。

「ところで24時間というのはどうするんですか。」

「住めばいいじゃない。」

「は。」

「住めばいいじゃない。」

 大切なことなので2回繰り返しました。

「親になんて言ったらいいんですか。」

「別に食費がかからなくて済むからいいですと言ってたけど。」

 まあうちの親トレードで俺を二見んちに放出しようとしたからな。

「あと役に立つならこき使ってくださいって。」

 くよくよしてたってしょうがない。

 早良さんかわいいよ早良さん修学旅行のため、労働だ。

 後若林にはめどが立ったと伝えておこう。



 部室に来るのが早いのか早良さんかわいいよ早良さんタイムである図書館で会うのが先だろうか。ともかく来たときに伝えればいいと考えると。

 早良さんかわいいよ早良さんタイムに来た。

 何回も書いているような気がするが本当にこいつクラスに友達がいないらしい。

 妹に射殺される危険があるが今度偵察してみよう。

 まあ若林に伝えなければ。


「結論から言うけど、修学旅行に行けるめどが立ったわ。」

「は。」

 俺の周りの女は「は。」が好きらしい。

「何でですか。」

「何でって、香恋ちゃんのところでど、働けば何とか金をくれるって言ったから。」

「私との約束はどうなるんですか。」

「修学旅行は1回しか行けない、すまない。」

「それはよかったですね。」

 しょげてしまう若林。

 自分は修学旅行に行かないのであれば、しょげてしまうのも理解できる。

 というか、修学旅行を犠牲にしてまで行く義理は申し訳ないがない。


「せっかく積立金を消させたのに。」

「なんか言ったか。」

「いえ、何でもないです。」

 そうか。物騒な単語が聞こえたがなかったことにしよう。


 若林との話を聞いていた早良さんは祝福してくれた。

 早良さんかわいいよ早良さん。


 とりあえず17日間の労働のため、何をすればいいのか香恋ちゃんに聞きに行く。

 放課後に香恋ちゃんのところに行く。

「部屋の掃除と、文章整理。後データ入力その他家事。」

 と言われる。

 寝るときはどうすればいいんですかと聞くと。スーパーで段ボールをもらってこいという。

 まあ仕方ないだろう。ペット扱いであろうが、わき目もふらずに働かなければ修学旅行の道はない。


 とりあえず働くこととした。


 学校では、データ入力や、教材づくりをさせられている。

 というか、俺他人の成績見ていいのか。

 それ以前にこんなことやらせていいのか。

 しらねえや、どうせ小説だし。


 家へは香恋ちゃんの車の助手席に乗せられ帰る。

 人外魔境よりはましだろう。


「明日は朝5時起きだから。あと出勤時間8時なんで7時30分には出るのでよろしく。」

 6時50分自宅出発ですが何か。

「あと食事を作れ。」

「作れませんけど。」

「いいから作れ。」


 とりあえずレンジで冷凍食品を温める。

「明日の私の食事はどうすればいいですか。あとあなたの食事も。」

「適当に作れ。」

 冷蔵庫を見ても何もない。


 しょうがないので、スーパーマーケットへ行く。

 生鮮食品を買っても何もできやしないので、冷凍食品を買う。

 エサ代をよこせと言ってたかったら領収書を出せという。

 なんという教師だろうか。

 よくわからない。


 寝る場所はそこらへんに寝ておけと言われる。

 布団もないため風邪になるだろう。

 なぜ段ボールを持ってこなかったのか聞かれたので忘れたと答える。

 取りに行って来いと言われたため、面倒だったのでもう一度行って段ボールの上に寝る。


 自分は別の部屋のベッドに寝るらしい。

 ようわからん。


 香恋ちゃんの部屋に入ったら高圧電流を流してあるから死ぬといわれた。


 電流に耐性があるので大丈夫ですと言っておくと。

 100万ボルトだといわれる。

 どうやったんだこの人。




 これは侵入しろというフラグだと思う。

 なので侵入したら昇天した。

 以上。

 面白くないから続く。


 翌日、若林から通報を受けた香恋ちゃんは問題視され、俺の修学旅行は終わった。

 とするのが簡単なまとめ方だろうが、面白くないのでまだ続く。


 翌日、香恋ちゃんに餌を作れと言われる。

 俺は料理は苦手なのでとりあえず作ってやる。

「はい、餌です。」

 といって出すとぶん殴られる。

 口にした瞬間、

「餌ね。」

 と言われる。

 作り直したって無駄だし、それなら冷凍食品やコーンフレークのほうがましだと伝えておく。

 出勤である。

 主人と一緒に出勤である。

 何言われるか知ったもんじゃないけど。


 三好から、

「ついに香恋ちゃんと同伴出勤か。」

 と茶化される。

 気に食わなかったのでシカトした。


 ペットは主人の手伝いをしなければならない。

 主人の手伝いとして職員室に張り付けられる。

 様々な身の回りの世話をさせられる。


 これどうなのかと思うが、これは小説だった。

 だからそんなの関係ないし、状況を理解しているから、職員室の先生たちも文句は言わない。


 ともかく授業以外は手伝いをさせられている。

 三好は今日もご主人様の手伝いご苦労様ですと若干茶化すし、若林は自分の計画がうまくいかないことに不満なようで、文句ばかり言っている。

 ああ、早良さん?職員室に来た時には話すけど、特段興味がないようだ。

 かわいいよ早良さん。


 とりあえず修学旅行までの資金は稼げたので、香恋ちゃんに資金を振り込んでもらおうとしたが香恋ちゃんは振り込みを忘れたらしい。


 結局何のための労働だったのだろう。











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