第35話 イドンテ2
すいません。更新遅れました……。
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ダオラン王国の都市イドンテに入ったドーマンとドンギュー。
木造の家が多く、スラム街の掘っ建て小屋がちょっと良くなった街並みだった。
「ふむ、国が変わると街並みも変わるな」
ドーマンの言葉に、
「いえ、ここはスラムに近い一画なのでしょう。中央に行けばギーベル……あ!ドーマン王国と変わらぬ石造りや鉄筋コンクリートの建物もあります」
「ふむ、そうか」
ドーマンは髭を撫でながら周りを見渡した。
その時、汚い服を着た女の子が横の路地からトテトテと走って来て、ドンギューにぶつかる。
「きゃあ、すいません。すいません」
と頭を下げながら、走り去って行く。
「むっ、無礼なぁ!」
ドンギューが剣を抜いたが、女の子はもう遠くを走っていた。
「ふっ、ドンギューはどんくさいな。」
「な、なんですと?」
「鎌鼬! 行って来なさい」
ドーマンが何も無い空間に声を掛けると、風が足元を吹き抜けた。
「ぎゃあ!」
遠くで女の子が転んだ。
女の子の両足が切られて血を流している。
風が戻って来ると、3匹の鎌鼬がドーマンの前で跪いた。
その内の1匹が、口にドンギューの財布を咥えていた。
「あ! 儂の財布だ」
「ドンギュー、今の奴に財布をすられた様だな。鎌鼬よ、ドンギューに返してあげなさい」
鎌鼬がドンギューの元に財布を渡した。
「お、おう。おのれぇ、儂に恥をかかせおってぇ!」
ドンギューは剣を抜いて、倒れた女の子元へ走る。ドーマンも歩いてついて行く。
ドンギューは女の子の前に駆け寄ると、剣を振りかざした。
「待ってくれ! この子の命だけは助けて下さい」
ドンギューの前で土下座する男の子。
「むむ……」
剣を止め躊躇するドンギュー。
「甘いな……」
ドンギューに追い付いたドーマンが囁き、いつの間にか男の子の後ろに現れたサトリが、口を開く。
「この男もグルです」
スパッ!
悲鳴をあげる間もなく、鎌鼬が男の子の首を刎ねた。
女の子が目を見開き、声も出せず押し黙る。
「お前はどこから来た」
ドーマンの問いに女の子は答えない。
「孤児院で生活する孤児です」
替わりにサトリが応えた。
「ふむ。この女の首も持って、孤児院とやらに行って見るか」
女の子は腰を抜かしたのか震えて首を振り、
地面に尻をついたまま後退る。
ズシャッ!
ドーマンは腰差した刀を抜きながら、居合斬りで女の子の首を刎ねた。
そして、懐から布を出すと、刀ついた血糊を拭いた。
「女子供の癖に生意気な……」
ドンギューの言葉に、
「男ですよ」
サトリが応える。
「え! まさか? 本当ですか?」
「どうやら女装していたらしいな。ドンギュー、こいつらの首を持って来い」
「へ? 首ですか?」
「そうだ」
「は、はい」
しかし、道の真ん中で二人の男の子の首を刎ねたのだ。目立たないはずが無い。
ドーマン達の周りを遠巻きに取り囲む人々がいた。
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