第8話 式鬼VS魔道ゴーレム
ハルトが小高い丘から戦場を見据えているとロボットの様な魔道ゴーレム達が、ギーベル兵を殺戮しているのが見えた。
「矢も剣も槍も効かないのかぁ」
ゴーレムに鎧を着せた形状だが、雰囲気はアニメのロボット。
巨大な大剣を持ち、薙ぎ払う姿は脅威だ。魔道ゴーレムの走る速度は速く無いのか、逃げ出すギーベル兵を追い掛ける事は無かったが、替わりに軽鎧のコボルト兵が追い掛けて、背中からショートソードを突き立てていた。
「あれじゃ、もう逃げる事も出来ないぞ。全滅かもなぁ」
「みゃ」
ハルトはあのタイミングで逃げ出した事に、ホッと胸を撫で下ろすのであった。
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ギーベル王国。王城の謁見の間。
魔道ゴーレムを持ち出したヤスキ将軍と、魔道錬金術師ケンヤ・ヨイ。
「キケケケ、ケンヤ・ヨイは帝国の回し者です。王国の資金で魔道ゴーレムを作って、内側から襲う計画です」
サトリがドーマンに告げる。
「ほう、中々の策士だな」
ドーマンは余裕で魔道ゴーレムを見据える。
「ドンギュー、その貧弱なモンスターどもと、俺の強力な魔道ゴーレムの力比べだ。どっちが強いか国王陛下に見て貰おう。がっはっは。宜しいでしょうか?」
ヤスキ将軍がドンギュー将軍を煽り、国王の了承を願い出る。
「ふむ、良いだろう。気持ち悪いモンスターどもを排除しなさい」
「あっはっはっは」
「やってくれ! ヤスキ将軍!」
「やれ、やれえええええ!」
ギャラリーの貴族達が囃し立てる。
ドンギュー将軍はドーマンを上目遣いでチラ見する。
「良かろう、魔道ゴーレムとやらの力も見てみたい」
ホッと胸を撫で下ろすドンギュー将軍は、ヤスキ将軍を睨み。
「良し、良いだろう。勇者様の実力を見せてやる」
「がはは。そこの気味悪い牛と、不気味な猿も一緒に掛かって来ても良いぞ。がはは」
「いけ! 式鬼」
ドーマンの号令で金棒を手に前に出る2体の式鬼。
魔道ゴーレムは、大剣を持って対峙する。
ギー、ガシャン。
ガキン!
大剣を振り上げ、振り降ろす魔道ゴーレムの大剣を式鬼が金棒で受け止める。
しかし、魔道ゴーレムの力に押されていく式鬼。もう1体の式が横から金棒で、魔道ゴーレムを叩く。
ガキン!
しかし、魔道ゴーレムの身体は動かない。肩の鎧が多少凹んだ程度。
「がはは。そんな攻撃は効かんぞ!」
「ほう、中々力があるようだ」
魔道ゴーレムは大剣で式鬼を押し切り、弾き飛ばす。
ドガン!
飛ばされて倒れる式鬼に歓声があがる。
「くくく、やるではないか」
余裕綽々で笑うドーマンに、顔を顰めるドンギュー将軍。
「大丈夫でしょうか?」
「全く心配無い」
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