さらば愛しき女よ。いつかお前が『歌う詩』。

個人的には長いお別れに次ぐチャンドラーの名著


Farewell, My Lovely


清水俊二は「さらば愛しきひとよ」

村上春樹は「さよなら、愛しい人」

と訳した。


物語の意味を考えれば村上春樹の訳も悪くないのだが、

言い回し、語感としては清水俊二を推したい。


さて、一時はハードボイルド小説の主人公の持つ強さのニヒリズムに憧れたものだが、僕が彼ら(あるいは彼女ら)を通して分かったことは、僕は彼らのようにときには道徳にさえ反する自分の正義を背負って生きていないということだ。


現実をタフに生きて行くことはとても難しい。

打ちのめされときには惨めな姿をさらしてしまうこともあるだろう。しかし、それが悪いことかといえばそうは思わない。

なぜなら、僕には僕の生き方があり、それこそ僕が君に歌う詩なのだから。



To say Good bye is to die a little.


そうやって僕は今日を生きている。

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