仕事も出来ないくせに文句だけは一人前論と労基法守れよ論の終わりなき闘争(2018/09/20 13:18)


さて9月も終わりに近づき

4月に入社した多くの新入社員は試用期間、研修期間を終え職場にも馴染んできたころだろう。

そして、世を儚んですでに社会を見限った新卒も一通り出そろったころだろうと思う。


そんな彼らにグレー企業に勤める僕から手向けの言葉を送ろうと思う。



家で寝ころんでいてもスマホで情報が手に入る時代、

労働者の権利意識が高まりブラック企業を糾弾する風潮なのは良いことだと思う。

職場がブラックだと感じたならたとえ数ヶ月でも迷わず辞めるのも自由だ。労基署に駆け込むのを止める権利もない。職場環境は改善されていくべきだし、僕だってホワイト企業で働きたい。


しかし実際のところ、現場とルールの間に乖離があるのはなにも労働に限ったことではないだろう。往々にしてルールが守られないこともしばしばだ。

そして、はっきり言ってしまえば日本の企業のほぼ全てがルールを完全に守ることなど出来ないのだ。

上意下達の組織体系で、古来より村社会を形成し礼儀、礼節を重んじるこの国では上に意見したり逆らうことはほとんど死を意味する。

トップの人間がよほど公明正大、清廉潔白か、企業の社会的責任が問われ周囲に監視の目が存在するほどの大企業でなければなかなかルールは遵守されないのだ。


さすがに有給チャンスはやりすぎだと思うが、じゃあ、どこまでルールの逸脱が許容出来るかは個人の範囲なので明確には出来ないのがまた難しいところである。その人がこの会社はルールを守らないブラックだと感じてしまえばそれまでなのである。


この問題は新しく会社に入った人間、特に新卒において起こる問題だろう。

なぜならその会社に残っている人間は会社が逸脱している範囲を(少なくとも現時点で)許容している人間で、ルールは守られて然るべきというネット上で声高に叫ばれる知識でやって来た新卒との間にギャップが生まれるからだ。


ここで起きてくるのがタイトル通りの闘争である。

ルールの逸脱を許せる人間と許せない人間の果てない闘争。お互いが主権を主張する領土問題のようにこの争いが終結することはきっとないだろう。


だが覚えておいて欲しい。

いずれ君たちも多少の逸脱なら目をつぶらなければならないときが来ることを。

それを組織の歯車と化したとか社会の枠に押し込められたとか飼いならされたとか言いたければ好きに言えばいい。

だが、スペシャルでない人間は組織に属して生きていかねばならないのだ。君がもし特別でないのならいずれ分かる時がくるだろう。

そしていつかは体制側の人間にならなければならないということを。

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