「創造神には〝主導者〟もまた必要だ」と。
賢者アルはクスリと笑うと、竜は照れくさそうにした。
「いいですよ。貴方が創造神。私が主導者と、
竜はその手に賢者アルを乗せて、空高くへと飛び去って……
「そうだね……まだまだ物語りは続くけど、ちょっと長いね……それに、君はもう行かないと」
「え?なんだって?」
聞き覚えのない声、少女の優しい声。それでもどこか、懐かしさと、落ち着くその
「【竜眼】のドラコくん、この物語りはまた今度。大丈夫♪また君はここに来るよ」
肌に心地よくと撫でていたそよ風が、それは次第と突風となり、やがて嵐の如く吹き荒んでこの身を吹き飛ばそうとしてくる。
押し戻されまいと踏ん張るが、ずるずると押し戻されて行く。
その先を見れば――すべてを呑み込む暗闇が大きな口を広げて待ち受けているようだ。
ずるずると押し戻されてゆく。と、いきなり足場が無くなった、ドラコは暗闇の奥底へと落ちてゆく。
「いってらっしゃーい♪」と陽気な声が響いてくる。
「うわッ!」
そこで目が覚めた。どうやら夢を見ていたらしい。
慌ただしい目覚めに、勢いつけて身体を起こした反動は傷口から痛みが走る。
「っつ!!」
傷口を抑えながら、辺りを見回す。自分は純白の、まるで天国にある雲のような真っ白なベットの上で眠っていた。隣りの棚には定番にも花瓶が置かれて、窓からは夕陽が射し込み、そよ風がカーテンレースを
「きゃあっ!!」と驚く声が静寂をうち破る。
声に驚き、反射的に顔をむけると、そこには目をはち切れんばかりにと見開き驚くナースの姿があった。
「あ……あのー…え、えと……」と慎重に声を掛けようとする。
が、声を聞く間もなくナースは慌ただしい足どりで何処かへ向かってしまった。
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