地平線までつづく黒き沼地にて
枝木の杖を突きながら、身体を引きずるようによたよたと歩く老婆を見つけた。
竜はすぐ様に急降下、老婆の行く手に落ちればそれは隕石の如し。
しかし老婆は逃げ出すこも、慌てることもなくただゆっくりと足を止めた。
「おやおや、これは初めて見る大きなトカゲだこと」
陽気な声。老婆と思っていた竜だったが、その者はか弱い〝少女〟であった。
その肌はささくれが酷く、所どころには赤紫色の腫れものが出来ている。左眼も皮膚は
「言え。この世界はなにが起きた?」
竜が尋ねると、この少女は陽気な声で答えた。
「世界は〝死にました〟」
竜はまた尋ねた。
「貴様はここで何をしている?」
「はは。これは簡単なことです。私も終わるものですから、せめてもの願いとして、世界一の山の頂きで眠りたいのです」
竜は辺りを見回すが、この世界に山なぞ何処にもない。
と竜が言えば、この少女は笑った。
「知っていますとも。だから、貴方を待っていたのです」
と少女は笑った。
「待っていた?だと?」竜は困惑していた。
「はい。私は〝賢者アル〟にして予言を言い渡す子。トカゲ……いいえ、竜様、あなたが私の元へ来るのを待っていたのです」
賢者アルは竜へと予言を伝える。
『あなた様がこの世界を創造を為されるのです』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます