第1章――〝始祖の物語り〟
始祖の物語り。それは語り継がれてきた物語り。
現代となっては人々はこれを「ただのお伽話しだ」と口を揃えて言う。
しかし、この物語は紛れもないこの世界を創造した〝神〟の話しだ。
「神」と言うワードは少々人に誇張させてもしまうが、だからと言って「お伽話しだ」と一蹴してはならない。
「おとぎ話に思えるそれも、必ず歴史的な事実背景をうつしているものだ」
ジャレは俺によくそう言って叱られたな……
〝始祖の物語り〟
始まりは暗澹たる混沌が世界を覆いかぶさっていた時代のことだ。
世界に蔓延した不治の病はつぎつぎに、人から人へ、町から街へ、国から国へと食らい潰していた時代だった。
満天の星がかがやく夜空に、突如としてして現れたるは、暗き穴。
ぽっかりと開いた暗き穴より我らが〝神〟は現れた。
火よりも朱き鱗を身に纏い、空を覆う翼に、その瞳はトカゲのように鋭く、琥珀宝石の様に煌めく。
我らが神は〝竜〟だった。
しかしこの竜、神として降臨したのではない。この竜は〝邪竜〟にして、あらゆる世界を炎で呑み尽くし、遂にぞここに辿り着いたと言うわけだ。
しかしこの竜は
「世界は――滅んでいるだと?」
世界中を飛び回れど、人々は病に倒れ、街は、王城は、国は、滅んでいた。
すると――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます